「ジョージーが初めてのゲイの友達」
―市川さんは、日本で同性婚を認めるための同性婚賛同署名活動をされていますが、始めたきっかけや動機について教えていただけますか。
16歳から30歳までずっとロンドンに住んでいて、当時は特にLGBTQ+の活動はしていなかったんですね。悩みは多少あったものの、周りに分かり合える人がたくさんいたり、わりと 「普通」の青春時代を過ごせていたので。それで8年ほど前に日本に帰ったとき驚いたのが、小学校の同級生などいろいろな人にカミングアウトしたとき、「ジョージーが初めてのゲイの友達だね!」と言われたことです。LGBTQ+の人口からすると、僕が「彼らの初めてのゲイの知人」というのは考えられないので。
その後『ミスターゲイジャパン』を始めたのですが、イベントを重ねるごとに、「こういった大会も社会を変えていくきっかけになる」という感じのメッセージをたくさんもらうようになって。それで台湾で同性婚が導入された年に、イベントのテーマを「LGBTQ+の環境改善と同性婚への理解促進」にしたのがターニングポイントですね。
2020年の3月ごろ、ミスターゲイジャパン 日本代表選考会大会がコロナ禍で中止になったとき、僕たちに何ができるか運営チームや参加者と話し合って、同性婚賛同署名活動にたどり着いたんです。日本で起こされた同性婚裁判の支援などをしている『Marriage For All Japan』に相談し、彼らの活動を私たちなりにほかの角度からサポートして世間によりインパクトを与えられたら、と思いました。