アルカディア
アルカディア(Photo: Keisuke Tanigawa)
アルカディア(Photo: Keisuke Tanigawa)

東京、古民家バー5選

墨田区京島や渋谷、八王子まで、独自の世界観あふれる店で乾杯

広告

タイムアウト東京 > レストラン&カフェ >東京、古民家バー5選

情緒ただよう古民家をリノベーションし、店主の個性を生かした空間に昇華した古民家バー。店内に一歩足を踏み入れれば、どこか懐かしい空気に心が緩み、いつもより酒が進んでしまうという人も少なくないだろう。

この記事ではそんな数ある東京の古民家バーの中から、ひっそりとした存在感を放つ、とっておきの店を紹介する。

関連記事
東京、隠れ家バー10選

  • 墨田区

戦前の町のたたずまいが今に残る墨田区京島。このエリアでは、近年古民家を改修したカフェやワインショップなどが続々と増え続けている。そんな町の一角にある「アマリロ(Amarillo.)」は、「酒とアテと音楽と」がコンセプトになった一軒家バーだ。

1階にはカウンター席、2階にはテーブル席を設置。70年代のビンテージオーディオから流れる音楽に耳を傾けながら、店主厳選の日替わりワインや日本酒、クラフトビールなどが楽しめる。

料理は、有機野菜を使った野菜多めのアテがメイン。そんな特徴から女性一人でふらりと訪れる人も少なくないという。おすすめは、キャロットラぺやパテなどの5種の総菜と、グラスワインまたは日本がセットになった「アペリティーボセット(Aperitivo Set)」(1,600円、以下全て税込み)。丁寧に手作りで作られた料理は、どれもほっとする味わいである。

不定期でワインのワークショップやDJイベントも開かれ、ここから人と人とのつながりが生まれることも多いそうだ。

  • 八王子

織物工場だった築100年ほどの建物をリノベーションした「アルカディア」は、1960~70年代のアナログレコードを聴きながら、ノスタルジーな雰囲気を感じ、くつろげる一軒。店内には700枚ほどのレコードのほか、古書がずらりと並び、酒をたしなみつつ読書にふけることができるロマンあふれる空間だ。

酒はウイスキーがメインだが、旬のフルーツを使ったオリジナルカクテルからクラフトジンまで、幅広く楽しめるところが魅力。店主が勧める「スパイシーチキンカレー」(780円)は、うまさと辛さのバランスが絶妙でリピートしたくなる一皿である。

さらに面白いのが、店内の一角で販売している、無農薬・無肥料・自然農法にこだわった「orioriのわんぱく野菜」。野菜はカレー以外のメニューにも生かされているので、ぜひそのおいしさを実際に体感してみてほしい。

週末は不定期でライブイベントなども楽しめる。

広告
  • 国分寺

ツタの絡まる外観が特徴的な喫茶店「ほんやら洞」は、18時からバーへと表情を変える。京都にそのルーツを持ち、今は亡きシンガーソングライターの中山ラビが1977年から国分寺で店主を担っていた人気店である。

看板メニューの「スパイシーチキンカレー」(1,000円)や、「下町ハイボール」(500円)などを生み出してきた。ちょうど日本にヒッピー文化が浸透してきた当初は、ヒッピーはもちろん、俳優や文化人が訪れることも多かったそうだ。

ここに足を運んだら、ぜひ酒とともにカレーを味わってみてほしい。ネパール仕込みのカレーは、スパイシーでシャープな味わいと、ほろほろと崩れる柔らかなチキンがクセになること間違いなし。バータイムは付け合わせでアチャールが付き、ラッシーがセット価格+250円でプラスできるのが嬉しい。

現在は息子の宮本一平が店を引き継ぎ、「自身を育んできた場所、古き時代の文化を残したい」という思いのもと、当初の空気が色濃く残る店舗を守り続けている。

  • ナイトライフ
  • 渋谷
  • 価格 2/4

ライブハウスやクラブなどが数多く並ぶ渋谷は円山町。音楽を楽しむ前や、楽しんだ後にもう一杯というときに便利なバーがこの「花魁」だ。

渋谷では珍しい築約60年の古民家をリノベーションしており、建物全体のメインカラーであるディープな朱色とDJブース、スピーカーがノスタルジーと情熱的な躍動を同時に感じさせる。

1階はスタンディングバーなので気軽に酒が楽しめ、2階は座席でゆったりと過ごすことができる。

DJブースでは、人気DJがプレイしていることもしばしば。カルチャーの発信地にあるバーだけに、さまざまな人が集まり毎日盛り上がっている。

広告
  • カクテルバー
  • 高円寺

高円寺北にあるブックバー。この店は本が買える古書店であり、同時にバーでもある。古本好きも、おいしいつまみを肴に飲みたい人も、等しく満たしてくれる不思議な店だ。

個性あふれる店主が作るのは、さまざな小説や随筆からインスピレーションを得た「文士料理」や「文豪サワー」。メニューは、原稿用紙に毎日手書きされる。檀一雄著「檀流クッキング」のレシピをもとにした、おからと魚のすり身で作る「大正コロッケ」は同店の名物。ドリンクは中原中也の高円寺での失恋の思いを切り取ったという「中原中也サワー」がおすすめだ。

そのほか、夏目漱石が食べたら「うまい」と言ってくれそうな味を追求し、生まれたという「文学カレー(漱石)」も忘れてはいけない。店舗だけでなく、通販でも購入可能だ。

2023年5月には、隣接する築100年ほどの長屋に、本好きのための新拠点「本の長屋」をオープンさせた。こちらではさまざまな「箱店主」が本を出品する「共有書店」などを展開している。

もっと東京のバーを探索する……

クラフトビールのパブから日本酒専門店まで、タイムアウト東京が愛するバーを厳選して紹介。東京で今最も話題のヴェニューを集めた。

選定のポイントは、良質なドリンクを扱っていること。銀座の老舗や受賞歴がある店だけでなく、何度も通いたくなるようなカジュアルでリーズナブルな店も余さずリストアップしている。バーテンダーに季節のスペシャルカクテルを「お任せ」したい場合も、このリストはおすすめだ。

クールなインテリアデザインや個性的なメニューなど、それぞれ魅力ある店がそろう。ここで紹介する店は全て、タイムアウト東京スタッフの行きつけだ。友人に勧めるにも問題はないだろう。

  • ナイトライフ
東京、薬酒バー5選
東京、薬酒バー5選

夜遊びをしつつも健康に気をつける人が増えたのか、薬酒がじわじわと注目を集めている。薬酒は生薬をそのまま漬け込んだ酒のことで、酒の効用に生薬の薬効が加わることで生薬単体以上のパワーを発揮すると言われている。また、独特の味わいやミステリアスなストーリーも楽しめる薬草酒は、度数の高いスピリッツに様々な薬草を漬け込み、その成分を抽出した酒で、使用するハーブによって様々な効果があるとも言われている。この特集では、薬酒と薬草酒を楽しめるオーセンティックなバーや、路地裏にある小さなバーなどを紹介する。

広告

日常の延長線上にありながら、時に非日常へと誘ってくれる夜の読書時間。ここでは、ほっとひと息つきたいときにアルコールとともに読書が堪能できるブックバーを紹介する。

友人宅のようにゆったりできる西荻窪の書店から、日本のブックバーカルチャーの原点となった西麻布の老舗バーまで、店主の個性が光るよりすぐりの5軒の中からお気に入りの空間を見つけてみては。

  • ナイトライフ

多種多様な人が集まる東京の夜は、たくさんの選択肢がある。ふと、いい音楽を聴きながら酒を愉しみたいと思った日には、DJバーに行こう。どんな夜を過ごしたいかは人それぞれ。特集では平日もDJがターンテーブルに盤を乗せ、オーディエンスを盛り上げている店や、店主が密かにセレクトする音楽とともにしっとりと飲める店など、渋谷界隈の名店を紹介する。

おすすめ
    関連情報
    関連情報
    広告