DIC川村記念美術館 1990–2025 作品、建築、自然
DIC川村記念美術館、200室 撮影:高橋マナミ  | |
DIC川村記念美術館、200室 撮影:高橋マナミ  | |

東京、2月に行くべきアート展5選

AI、アーティストカップル、最大のコレクション展など

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2025年2月に東京で行くべきアート展示を厳選して紹介したい。全館オープンを迎える「横浜美術館」、4月からの休館を前にコレクションが勢揃いする「DIC川村記念美術館」といった建築空間も堪能したい展示や、20世紀前半を代表するアーティストカップルを特集する「アーティゾン美術館」など、他では見られないテーマのアート展をセレクトした。

今月はどんなアートに出合うだろうか。心躍るひとときを過ごしてほしい。

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  • みなとみらい

202528日(土)に全館オープンを迎える「横浜美術館」で、「横浜」をキーワードにさまざまな人々を迎え入れたいという想いを込めた「おかえり、ヨコハマ」展が開催される。

見どころは、「多様性」という観点の下、これまであまり注目されてこなかった開港以前の横浜に暮らした人々、女性、子ども、さまざまなルーツを持つ人々などに改めてスポットライトを当てた、横浜にまつわる作品群。ローカルの歴史を深掘りすることで、おなじみの作品や横浜の歴史に新たな視点をもたらす。

また、ポール・セザンヌPaul Cézanne)、パブロ・ピカソ(Pablo Picasso)ルネ・マグリット (René Magritte)や奈良美智など、近代美術の名作から現代美術の作品まで、同館コレクションが勢揃い。さらに、子どものために作品を選び、見やすいよう工夫して展示する「子どもの目でみるコーナー」が設けられ、親子で会話しながら鑑賞できる。

新しく生まれ変わった同館の作品空間を楽しんでほしい。

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  • 千葉

1990年から、34年にわたり活動を続けてきた「DIC川村記念美術館」。2025年4月からの休館を前に、約180点の作品群が勢揃いするコレクション展示を行う。

同館が設立当初から大切にしてきた作品・建築・自然の調和というコンセプトに基づき、庭園と館内全ての展示室を用いて、作品を展観。庭園の野外彫刻を含め、所蔵作品の流れを漏れなく紹介する過去最多のコレクション展示だ。

また、作品のサイズや周りに醸し出す雰囲気までも考慮した11の展示室や、外の光や景色を適切に採り入れた空間設計など、作品と鑑賞者のために凝らされた建築の工夫にも注目してほしい。

美術館の敷地内に入り、林間の小道を抜け、池を眺めながら、静寂が広がるエントランスホールへと導かれる同館では、館内にいながらも随所に外の自然を感じることができるだろう。

自身の眼と心で、美術館を体感し尽くしてほしい。

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  • 六本木

「森美術館」で、「マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート」展が開催。ゲームエンジン、人工知能(AI)、仮想現実(VR)、さらには人間の創造性を超え得る生成AIなどのテクノロジーを採用した現代アートを紹介する。

本展では、現代アートにとどまらず、デザイン、ゲーム、AI研究などの領域で高く評価されるアーティストとクリエーター12組による作品が集結。生物学、地質学、哲学、音楽、ダンス、プログラミングなどの領域とのコラボレーションを通して制作した作品群を通して、最新のテクノロジーと現代アートの関係性を体験できる。

また、平面作品や立体作品、インスタレーションなどのリアルに実在する作品も多く展示されることで、デジタル空間と現実空間を往来する。さらに、参加型のインタラクティブな作品や、鑑賞者同士で実際にプレイすることができる「インディー・ゲーム・コーナー」も登場予定だ。

現実と仮想空間が重なり合う空間で、人類とテクノロジーの関係を考えてみては。

  • アート
  • 丸の内

「三菱一号館美術館」で、25歳で他界したイギリスの画家、オーブリー・ビアズリー(Aubrey Beardsley、1872~1898年)の大回顧展が開催。直筆約50点を含め、挿絵やポスター、装飾など、約220点の初期から晩年までの作品を網羅し、19世紀末の欧米を騒然とさせたビアズリーの歩みをたどる。

ビアズリーは、精緻な線描や大胆な白と黒の色面から成る、極めて洗練された作品を描き続けた。オスカー・ワイルド(Oscar Wilde)著『サロメ』の挿絵で成功するが、1895年のワイルドに対する同性愛裁判の余波により仕事を失う。テオフィル・ゴーティエ(Théophile Gautier)著『モーパン嬢』の挿絵などで新境地を見せるが、持病の結核が悪化し、世を去る。

本展では、世界有数のビアズリーコレクションを有するロンドンの「ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館」による全面協力の下、150点が一挙来日。彗星(すいせい)のごとく現れ、一躍注目を集めた異才の生きざま含めて、全てを公開する。

なお、2025年218日(火)~314日(金)の平日に利用可能の、「平日限定チケット」が1,900(以下全て税込み)で販売される。また、ファン必須の、会期中何度でも利用できる「ビアズリー偏愛パス」が5,000円で販売予定だ。詳細は公式ウェブサイトを確認してほしい。

早過ぎる転落から最晩年の進化まで、凝縮された画業を見尽くしては。

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  • 京橋

「アーティゾン美術館」で、20世紀前半を代表するアーティストカップル、ゾフィー・トイバー=アルプ(Sophie Taeuber-Arp、18891943年)とジャン・アルプ(Hans Arp、18861966年)を紹介する展示が開催。個々の作品を紹介するとともに、2人がそれぞれの制作に及ぼした影響やデュオでの協働制作の試みに注目し、カップルというパートナーシップの上にどれほどの創作の可能性を見いだせるかを再考する。

幾何学的抽象と色彩理論の研究を基盤に、テキスタイル、家具デザイン、建築設計、絵画など多方面で創作に取り組んだゾフィー。ジャンは、シュルレアリスムと抽象の間を行き来しながら、主にコラージュやレリーフ、彫刻の領域で創作を行った。

2人はそれぞれ前衛芸術の前線で活動しながら、コラボレーションによる作品も残している。ゾフィーが逝去して以降も、その残された作品はジャンの創作を刺激し続けるなど、彼らの創作は絶えず密接な関係にあった。この関係は、カップルにおける創作の可能性をはじめ、この時代の女性アーティストの立場や、芸術ジャンルのヒエラルキーに関する考え方など、20世紀の美術を考察する上で普遍的なテーマを映し出している。 

ゾフィーの作品45点、ジャンの作品40点のほか、コラボレーション作品14点の計99点を出品する本展。貴重な機会を見逃さないでほしい。

なお、同展チケットの料金で、同時開催の展覧会「硲伊之助展」「石橋財団コレクション選 コレクション・ハイライト」を全て鑑賞できる。予約枠に空きがあれば美術館窓口でもチケットが購入可能だ。

2月の予定を立てるなら……

  • ナイトライフ
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2月も熱い音楽とともに、最高のパーティーを楽しめる場所が待っている。代官山のミュージックヴェニューを回遊できるサーキットイベントや、アジアのテクノキングが「晴れたら空に豆まいて」をジャックする特別なイベントまで、多彩なジャンルのアーティストたちが繰り広げる、卓越したプレイを堪能してほしい。

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