開発好明(かいはつ・よしあき)は、日常生活や社会現象など身の回りの出来事への関心を起点に、コミュニケーション、記憶や時間などをモチーフに、パフォーマンスやインスタレーションなども含む多彩な作品を発表してきた作家である。そんな彼が、都内の美術館では初めての大規模な個展を、清澄白河の「東京都現代美術館」で開催する。
キャリアの最初期となる「ドクメンタ9」でのゲリラパフォーマンスや、1995・1996年に日本を巡った展覧会「365大作戦」など、初公開を含む意欲的な初期活動の写真、映像、実物資料の数々など、約50点の作品やプロジェクトを通して、30年以上におよぶ「ひとり民主主義」の活動を体感できる機会だ。
会期中は、ほぼ毎日、開発本人が展示室で過ごし、トークイベントやライブパフォーマンス、ワークショップなどを多数開催するという。100人の講師陣によるユニークな授業を100回行う「100人先生」など、日々動きと変化、出合いと対話が起こる場を創出する。また、8月の毎週金曜日は21時まで開館、17時以降は学生無料、一般・65歳以上は2割引(要証明)になる「サマーナイトミュージアム2024」が実施される。
その日限りの出来事を目撃しに、何度でも足を運びたくなる展覧会となるだろう。