多くの天神社では年に一度、木材などで鷽をかたどり彩色した「鷽」を授与している。これを授かった参拝者は、1年間神棚などに供えておき、1年後の「鷽替え神事」の日に天神社に持参。その木鷽を、神前に集った参詣者同士で「替えましょ、替えましょ」と呼びかけながら取り替えていく。「鷽」が「嘘(うそ)」と同じ発音であることから、前年にあった災厄・凶事などを「嘘」とし、今年の幸運を祈るのだ。
東京の天神社では、1月25日の「初天神」(道真公の生まれた日も亡くなった日も25日であったことから天神信仰では25日は重要な意味を持つ)の際に実施されることが多い。
太宰府天満宮のような神事は行わず、前の年に授かった木彫りの鷽を神社に返し、新しい鷽を授かることで、旧年中の悪いことや知らず知らずのうちについてしまったうそが誠になる、という形で実施されている。