江戸城を造った武将として知られる太田道灌が、1478年に道真公の夢を見たことをきっかけに、江戸城本丸内に勧請したのが由緒とされる。徳川家康の入城後、現在の地に奉遷された。学問にご利益があるとされ、江戸時代の国学者・塙保己一や、蘭学者・高野長英も信仰を寄せていたという。
存在感たっぷりの鳥居は銅製で高さ約5メートル。支柱にある銘文によれば、1844年12月に、麹町周辺の人々によって建設・奉納されたもので、千代田区内では最も古い鳥居となる。鳥居をくぐり本殿に向かう道中に5つの石牛があり、そのうちの一つは、なでると学芸が上達するという信仰がある「撫で牛」だ。
境内には、恋愛成就にもご利益があるといわれているペアで梅の実が実る「縁結びの梅」や、近隣の人々を中心に古くから信仰を集めていた「平河稲荷神社」がある。
毎年1月25日まで「うそ替え」の神事として「木鷽」を頒布している。これは、前の年に授かった木彫りの「鷽」を神社に返し、新しい「鷽」をいただくことで、旧年中の悪いことや知らず知らずのうちについてしまった嘘が誠になるというものだ。かわいい木鷽はぜひ手に入れてほしい。