豆花(ドウファ)は台湾の定番スイーツ。豆乳に凝固剤を加えて固めたもので、ほの甘いシロップとトッピングを添えて賞味するシンプルな伝統食である。主に15時以降の気軽なおやつというポジションで、夜の締めの一杯なんていうのもイケる。店も屋台から大型店まで無数にある。
製法は豆腐に相通じるが、スイーツの方へ舵を振り切っているのが興味深い。ヘルシーかつ素朴な味わいは初めてなのにどことなく懐かしく、和菓子に通じる穏やかなおいしさがある。近年台湾ブームの波に乗って注目され、台湾の有名店も上陸、コンビニに登場したこともあるし、日本で定着しつつあると言っていいのではなかろうか。
製法がシンプルだから手軽に作れそうだが、こだわりだすと豆腐同様に深い沼にハマる。豆乳の木目の細かさ、凝固剤の種類、固めるタイミング、シロップとトッピングの味付けなど、そういったこだわりがおいしさに直結するのだ。また温と冷、両方のタイプがあり、それだけでも風合いが違ってくる。
冷えた豆花がことさらおいしく感じるの今の時期。「豆花」の文字を店名に掲げ、都内で現地そのままの味を追求する、ガチな豆花作りにこだわる個人経営の名店5軒をセレクトしてみた。
すでに名を成している有名店も少なくないので紹介に加え、東京在住の食いしん坊台灣人に試食してもらった。そ日本と台湾のスタンスの違いをふまえつつ、食べて回った現地人目線のジャッジはいかに?