2011年、東日本大震災の数カ月後に初来日
ーこれまでの日本の印象を教えてください。
私は日本でチュニジアに奉仕できることを光栄に思っていますが、この気持ちは東京にいる全ての外交官と同じだと思います。素晴らしいこの国で外交官として働くことは、またとない貴重な機会です。
私が初めて来日したのは、2011年3月に発生した東日本大震災の数カ月後のこと。そのため、東京以外で初めて訪れた場所は福島県と岩手県の被災地、そしてチュニジアと縁の深い石巻市でした。人々が自宅から避難所に移り住み、大変な思いをしているのを肌で感じました。
その後も定期的に(少なくとも年に一度)震災の追悼式のために訪れていますが、困難に立ち向かう日本の精神が、私や世界中の人々に大きな感動を与えていることを実感しています。
私たち家族にとって日本での滞在は毎日が学びの連続であり、そうした日々に満足しています。個人的なことですが、2011年の来日時点では息子はまだ2歳だったので、日本の幼稚園に2年間通いました。そこで、日本の子どもたちは共有する価値観やマナーを守って育つことを知ったのです。日本人が日常生活できちんとしているのは、そこから始まっているのだと思います。
ー東京での生活はいかがですか。また、お気に入りの場所はありますか。
日本で多くの都市を訪れました。東京は大都市ですが、多文化的でありオープンで、私にとって特別ですね。大使館周辺を毎日散歩するようにしていて、九段下駅と市ケ谷駅の間という立地から、桜の季節には千鳥ケ淵などで素晴らしい景色が楽しめます。
また週に一度、皇居の周りをジョギングするのが日課です。このほか、上野の国立博物館などのミュージアムにも出かけますよ。浅草は、古い店や日本の骨董(こっとう)品が多くあって、古き良き文化を楽しむことができますね。週末に時間がある時は、高尾山や横浜などの近場に足を延ばしています。