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テキスト:Shiori Kotaki、写真:Kisa Toyoshima
高田馬場駅すぐのさかえ通り商店街に店を構える加藤商店。趣のあるレトロな外観がすでに物語っているが、ここは約85年もこの地で営まれている歴史ある青果店なのだ。店内に漂う雰囲気をはじめ、奥に飾られているドラえもんや鉄腕アトムのぬいぐるみがノスタルジックな気持ちにさせたかと思えば、セクシーに微笑むマリリン・モンローと目が合うという少々不思議な青果店。これだけでも十分に興味をそそられる店だが、同店にはマリリン・モンローを背に日々仕事に励む2匹の可愛らしい看板猫もいるのだ。
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初めに姿を見せてくれたのは、8歳のブッコ(♂)。店にやってきたブッコを見てまず驚いたのは、その身体の大きさだ。なんと10kgも体重があるそうで、店主に抱かれるのもやっとである。ブッコは8年ほど前、1歳にならないころに店の裏に捨てられてしまっていた猫だ。特別保護をしたというわけでもないのだが、いつの間にかこの店にやってきていて、知らず知らずのうちに青果店を営む家族と生活をともにするようになったという。
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ブッコと名付けたのは、店主の奥さん。初めてブッコを店の裏で見かけた際、全部で4匹ほどいた猫のなかで一番不細工だったことからブッコと名付けたという。由来は少々直球過ぎる気もするが、今では店にやってくる人たちから「ブッコちゃん~」などと声をかけられる人気者だ。
店にやってきたころのブッコ
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カメラを向けるとすかさずキメ顔。このカメラ慣れ、さすが人気看板猫である
ブッコの接客を受けていると、器用に道路を渡ってもう1匹の看板猫シロが店に帰ってきた。シロは散歩が好きで、よくふらふらと街の散策に出かけている。ちなみに、海老が大好物なことから海老蔵というあだ名で呼ばれている。
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シロと命名したのは、店にやってきた男の子
まだ3歳くらいで体重はブッコの半分もない。しかし2人は不仲で、あの巨大なブッコとよく喧嘩をしているという
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「可愛い」と言われるのが大好き
また、ブッコの看板猫ぶりを一番感じられるのが、お立ち台と呼ばれる商品棚の一番上に座ったときだ。彼がここに座ると多くの客が立ち止まり、多いときでは20人くらい人が集まるという。しかし、ブッコはそんな様子にもまったく動じず、ポーズをとったりゴロゴロと寝転がったり。彼は、なかなか肝が座っている。
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冬になると台が冷たいせいかなかなか座ってくれないよう……。夏は、毎日のようにこの場所で寝転んだりしているそうだ
店主もユニークな人で、彼が作るコピーも人気。最近はブッコの人気ぶりに少々ヤキモチを妬いている様子
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ブッコとシロもそうだが、店で働く人々もとても魅力的な同店。元旦なども休まず営業し、朝は9時から、夜はなんと深夜0時過ぎまで店を開けているというから驚きだ。近くに行った際には、2匹の看板猫とタイムスリップしたかのような店の雰囲気が疲れた心を癒してくれる加藤商店にぜひ立ち寄ってみてほしい。
ブッコを相棒と呼ぶ店主とは大の仲良し。店主のいうことは何でも聞くそうだ
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名前:ブッコ(♂)、シロ(♂)
勤務先:加藤商店
看板猫になるまでの経緯:2匹とも知らず知らずのうちに同店を営む家族と生活をともにするようになり、自然な流れで看板猫となった。
—ある1日のスケジュール—
9時 店のオープンと同時に出勤(冬は部屋の中で長時間休憩していることも多い)
24時ごろ 店が閉まるのと同時に退社(日曜日は夕方ごろまで)
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