1. 土地と建物の歴史を知る。
1970年に社員寮として完成。50年を超える歴史を持つ建物は、レトロで懐かしい雰囲気が漂う外観が特徴だ。リニューアルに当たって設計監理は、日本の伝統工芸を建築に取り入れ、「造る建築」をコンセプトに掲げるシオ建築設計事務所が手がけた。
Photo: Kisa Toyoshima
起業家や建築家、アーティストが集う全21室のオフィスルームは、自由な空間デザインに対応。かつて東京の路地に存在した「長屋」のように数軒連ねて借りることもでき、間仕切りや配管、コンクリートの様子など当時の寮のままの素材を生かし、使いやすく洗練された改装が行われている。
Photo: Kisa Toyoshima
屋上(入居者のみ利用可)に上がるとハーブファームが登場。東京大学と東京藝術大学のちょうど中間地点にあることから、双方の建物や上野の森公園も近くに見える。アートやテクノロジーに根差し、下町の雰囲気も残るユニークな立地だ。
Photo: Kisa Toyoshima
利用者は、東大出身者によるスタートアップ企業をはじめ、東京藝大出身のアーティストやキュレーター、建築事務所など、当初想定していなかった層も増えているという。