小野照崎神社
創建は平安時代前期の852年。平安初期に実在した、小野篁(おののたかむら)が祭られている。篁は政治家・公卿(くぎょう)であり、文学や漢詩にも長け、絵画に関しても「その才は神に至る」と評されていたという。さらに、法律にも精通。昼は参議という国の要職を務め、夜は地獄の閻魔大王の副官として働いたという伝説も残されている。
その篁公を祭っていることから、小野照崎神社は、仕事や学問、習い事、芸術、芸事のご利益が得られるといわれている。「芸能上達御守」を授かることもでき、芸能関係者の参拝も少なくない。 中でも、渥美清が同社で願掛けをした後、映画「男はつらいよ」シリーズの主役を得た逸話は有名だ。真偽のほどは定かではないが、彼が演じた「フーテンの寅」こと車寅次郎が首にかけていたのは小野照崎神社のお守りだったといううわさもある。
なお、境内の「織姫・稲荷神社」は、古くからの社である「長左衛門稲荷」に、戦後、縁結びの神様である織姫神社が合祀(ごうし)された社で、恋愛はもちろん、仕事や習い事の縁を結ぶ神様としても信仰されている。こちらも忘れずに参拝しておきたい。