標高26メートルの愛宕山山頂に構える神社。主祭神は火の神である火産霊命(ほむすびのみこと)。1603年(慶長8年)に江戸幕府が開かれる際、徳川家康の命により防火の神としてまつられ、1610年(慶長15年)、庚戊本社をはじめ、末社仁王門、坂下総門など将軍家の寄進により建立された。木々が茂り趣きある境内は、近隣の人々の憩いの場となっている。
同社の名所として広く知られているのは、大鳥居から境内まで続く男坂の急な石段。讃岐高松藩の家臣であった曲垣平九郎(まがきへいくろう)が3代将軍、徳川家光の命により乗馬して登ってみせ、日本一の馬術の名人として全国に名をとどろかせた故事から、「出世の石段」と呼ばれる。