ディープな大塚三業通りにたたずむ昭和感のある店。「三節」は、オーナー牧野節男が2代目の隆と親子で営むとんかつ専門店だ。創業から45年、レシピはほとんど変わらないという地に足が着いたスタイルで、地元の人たちの腹を満たしている。
ロースかつは柔らかくジューシーで、衣はサクサク。ソースと大盛りのキャベツと合わせて楽しめば、無理なく食べ終えられる。
定番のトンカツはもちろん人気だが、名物は「生姜焼き定食」(3,200円、以下税込み)。見た目もインパクト大で、これを求めて来店する人も少なくないという。山盛りのキャベツを背に、ほとんど垂直に立つように肉がたっぷり盛られた生姜焼きは圧巻だ。
すでに生姜ダレで味付けされた肉に、目の前でなみなみの追いダレをかけてもらってから食べる。タレと肉の脂がよく馴染み、艶めく豚肉。その厚さはステーキに匹敵する。
豪快にかぶりつくと、ジューシーかつプリプリで弾力のある歯応え。甘めのタレの生姜とニンニクのパンチが後を追う。肉の脂身と赤みのバランスも良い。
等分に刻まれた千切りキャベツは、覆うように敷かれた肉の温かさでしっとりとしている。刻み生姜の食感が残った生姜ダレと肉から伝った脂のコクが合わさり、大盛りだったはずなのに、ペロリと腹におさまる。ご飯とのハーモニーも抜群で、キャベツだけでも十分おかずになる。難なく野菜がたっぷり取れるところも魅力だ。