代々木の地で52年。辻保臣と妻の瑞美の夫婦が営む、昔ながらの老舗定食屋。ユニークなのは、店内の壁にずらりと貼られた、大学名を冠した12のメニュー札だ。代々木エリアは開業当時、学生街として知られており、多くの受験生が参考書を片手に食事をしていたという。大学名の付いた定食は、受験生たちが「願掛けのような気持ちで楽しめたら」とスタートした。
看板メニューは、生姜焼きが入った定食で、まずはエビフライが2本乗っている「日本大学」(950円、以下全て税込み)をお勧めしたい。2本だから「日本」という遊び心のあるネーミングがほほえましい。
国産の豚肩ロースは、歯切れ良く柔らか。タレは濃いめで、ガツンと刺激のある生姜は、筋がなくまろやかな舌触りだ。おろし器を使わず、丁寧にスライスした後にミキサーにかけてペースト状にしているという。
エビフライは、全体に細かく切れ目を入れ、高温でフライすることで、カリッとジューシーでプリプリな食感を引き出している。
また、隠れた名物がカレースパイスなどで味付けしたマカロニサラダ。これを目当てに来る客も少なくないという。
どこか懐かしい店内の内装と、安心感のある家庭的な味わい。いつまでも続いてほしいと毎日のように足を運ぶ常連もいる。代々続く優しい生姜焼きの味わいに癒やされてみては。