1928(昭和3)年に設立された、早稲田大学坪内博士記念演劇博物館、通称「エンパク」。100万点以上もの古今東西の貴重な資料を収蔵し、アジアで唯一の演劇専門総合博物館だ。
同館は坪内逍遙の発案で、16世紀イギリスの劇場、フォーチュン座を模して今井兼次らにより設計された。正面舞台にある張り出しは舞台で、入り口はその左右に位置する。図書閲覧室は楽屋、舞台を囲むようにある両翼は桟敷席で、建物前の広場は一般席だ。舞台正面には、「Totus Mundus Agit Histrionem(全世界は劇場なり)」というラテン語が掲げられている。
演劇関連の資料は、戯曲、台本、書籍、雑誌などの図書資料から、原稿、書簡、日記、浮世絵、チラシ、ポスターなどの紙資料、衣装、靴、かつら、装置、小道具など舞台で実際に使用された品々、記録映像、宣伝映像、音源などに至るまで多種多様にそろえる。