レズビアンとゲイ、コミュニティーの違い
雨谷:レズビアン(=ビアン)の出会いで言うと、「一夜限りの関係」を求めている人よりも、「真剣なお付き合い」の相手を探している人が多い印象を受けます。
星:PIAMYを開発するに当たって、ビアンの子たちに話を伺いました。私はストレートアライ(性的少数者を理解し、支援する人のこと)なのであくまでコミュニティーの外からの視点にはなるのですが、レズビアンコミュニティーはゲイコミュニティーと比べると、顕著なヒエラルキーがあるわけではなく、多様な価値観があるなと感じました。
山﨑:ゲイコミュニティーでは、「ガチムチ」と呼ばれる骨太でガッチリとした体形の人たちがヒエラルキーのトップにいるとされていますよね。ほかにも「クマ系」「前髪系」など、主に見た目を表す言葉が多く存在します。
一方で、ビアンコミュニティーでは「フェム(フェミニンな女性らしい外見や装い)」「ボイ(ボーイッシュな外見や装い)」「中性(フェムとボイの中間)」の3つくらいで、コミュニティー内での共通した概念がゲイコミュニティーほど多くありません。
その理由の一つとして、ビアンコミュニティーが弱小だからだと考えています。それは良くも悪くもですが、見た目でカテゴライズするような概念が少ないので、ヒエラルキーによる生きづらさを感じることがあまりありません。
星:コミュニティーが狭いからこそ、恋人ができたらアプリをやめたり二丁目に行かなくなったりするカップルは多いですよね。ただ、それはビアンコミュニティーが拡大しないジレンマでもあるのかなと思っていて。
山﨑:本来、出会いはグラデーションでいいはずなのに、そこに恋愛が絡んでいるといった考えは無意識に浸透しているかもしれませんね。ただ、マイノリティーであるからこそ、コミュニティーの探求や友達づくりができる場は提供されるべきです。そういう意味で、PIAMYは彼女ができても使えるアプリなので画期的だなと感じます。
星:むしろカップルで使ってほしいし、恋人ののろけも投稿してほしいです。その方が女性同士の関係性が社会的に開かれ、より豊かな人生になると思います。恋人ができることで閉ざしてしまうのではなく、社会的なオフィシャルな関係として育まれることをPIAMYは目指しています。