シャイ・オハヨン(以下、シャイ):私は13年前から日本に拠点を移し、11年ほど前に東京・中目黒にあるコンテナ(The Container)というギャラリースペースを運営しています。
現代アートのキュレーターとしても活動していて、新宿二丁目でセックスにまつわる展示をしたり、初台にある廃病院で幽霊に関する展示をしたりと、ギャラリーや美術館といった従来のアートスペースではない場所でのエキシビションを企画してきました。2年前には渋谷パルコと心斎橋パルコ、フィンランド大使館などと共に、トム・オブ・フィンランドの個展を企画しました。
イザベル・オリヴィエ(以下、イザベル):私は15年ほど日本で活動しており、2011年には、ポンピドゥー・センターの公式プログラムである映像祭『オール・ピスト東京』を立ち上げました。
2012年から2016年までアンスティチュ・フランセ関西-京都で文化プログラムの担当をしており、『KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭』や『KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭』に携わりました。またインデペンデントな活動として、日本の現代アーティストをサポートし、海外に紹介するといったプロジェクトにも関わっています。
―お二人とも現代アートにまつわる活動をされているのですね。どのような経緯で今回のフェスティバルを共同プロデュース、キュレーションするに至ったのでしょうか?
シャイ:最初にイザベルの方から提案してきてくれました。というのも、私たちはすでに13年ほどプロフェッショナルとしても、親しい友人としてもお互いのイベントを手伝うなどコラボレーションを続けてきているんです。
イザベル:今回のフェスティバルの発端は、フランス大使館の提案でした。「日本のプライドウィークに合わせて、イベントシリーズを企画したい」と。そこで私が担当することになり、シャイと2人でプロデュースすることにしました。
どんどんつながりが広がっていき、さまざまなアーティストや団体のサポートを受けながら予想以上に企画が膨らみ、完成されていきました。