さまざまなコラボレーションを経て自然な形で進化した「THE TRIP」
ー2008年にパリで初公演したTHE TRIPが、どのように進化してきたのか教えてください。
今までいろいろなバリエーションのTHE TRIPをやってきて、さまざまなアーティストに参加してもらいました。毎回スタイルも違って、インスタレーションをしたり、コンテンポラリーアートに近いような形にしたり、時にはライブパフォーマンスも。さまざまなコラボレーションをしていくうちに、自然な形で進化してきました。
ー音楽と映像、ダンスなどを交えた舞台作品を創り出そう思ったのはなぜでしょう?
さまざまなアートを包括的に紹介するこのアイデアは、2024年という今の時代を反映しています。私たちが消費できる情報の量は、かつてないほど多くなっていますよね。だからあれもやってこれもやって、というようなパフォーマンスは、今の時代に合っているんです。
エレクトロニックミュージックがどのように進化してきたかを見てきて、私はこの音楽が単にダンスのためだけではなく、ほかのタイプの音楽の発表の場として十分に成熟していると確信しました。
また、ダンスフロアから離れてしまった世代もいまだにこの音楽を愛していますよね。朝の5時や6時までは踊ることはできなくなってしまった、1980年代の音楽ファンにもアピールできるようなパフォーマンスを創り出したかったんです。