—『rural』は今年、Resident Advisorの「Top 10 July 2018 Festivals」で3位につけ、開催10年目にして初めてチケットがソールドアウトしました。『rural』の優れている点はどこにあると思いますか。
今や、世界からも注目されるフェスティバルになりましたよね。ラインナップに関しても、年々実験を繰り返して、彼らの視点で理想を目指していますね。継続は力なりです。お客さんが増えて、雰囲気も変わってきました。完璧ではないと思いますが年々、洗練されていっていると思います。もちろん、過去には失敗もあったけど、毎年成長が見られるというのは良いことだと思います。
—昔と比べて改善された点は、具体的には何がありますか。
僕が初めてやった時(2011年)は、ゴミ箱も設置されていないし、DJブースのなかの体感温度が40度以上あったり、色々至らない部分があったんだけど(笑)。それは指摘して、翌年からは改善されてました。
—初めて出演した時は良い環境とは言えない現場だったにも関わらず、翌年のオファーも受けたのはなぜですか。
主催者のみなさんの熱意が感じられたからですね。それに、僕にとって出ることに意味のあるフェスだと思っているから。スケジュールの都合でオファーを断ってしまうイベントもあるなかで、『rural』に出演し続けているのは、彼らが僕にちゃんと課題をくれるし僕も成長できるから。様々な一面を見せられるプレイができるからだね。成長のきっかけを与えてくれる、良い関係性を築けているしruralには感謝しています。
—NOBUさんは現在、毎月のように海外で公演を行っていますが、ここ最近で印象的だったパーティーはありますか。
スイスのバーゼルにあるエリーシア(Elysia)は、めちゃくちゃ音が良かった。びっくりしたね。出音の方向性が日本の良い箱と近い感覚で作りあげている感じでしたね。あとはやっぱり、バシアーニ(Bassiani)※。あそこのエネルギーの凄まじさは、世界的にも稀有ですね。日本だったら200〜300人くらいしか集まらないようなパーティーに簡単に1500人くらいが集まる。朝8時でも熱狂は止まらないんです。バシアーニのレーベルから日本人DJのコンピレーションも出しましたし、良い繋がりの状態なのかなと思います。先日の武装警官が介入した事件※も世界中のDJがメッセージを送ったり多くのDJたちから愛されているなと思います。
※バシアーニ:ジョージア国の首都トビリシにあるクラブ。サッカースタジアムの地下を改装し2014年にオープンした。
※武装警官が介入した事件:2018年5月12日、バシアーニは警察の強制捜査を受け、クラブの創設者2名を含む約60人が逮捕された。摘発の背景となった市内でのドラッグによる死亡事件がバシアーニとは無関係なものであったことから、市内では抗議デモが起こり、ジョージアの内務大臣が謝罪の声明を発表するに至った。