1. 「世界の連続性」を実感する。
なぜ全作品がインタラクティブなのか。それは同館における重要なテーマの表現そのものだからだ。
アートというフォーマットにおいての旧来の問題点は、鑑賞する人とされる物が明確に存在し、分断されてしまうことだった。しかし、チームラボの作品は常に動き、触れられるようにすることで、鑑賞を動的な体験へと変化させている。
この背景には「世界は常に連続している」という普遍的な事実をアートに持ち込む意図がある。例えば渦や波といった水の運動のように、世界は何かが何かの影響を受け、常に変化し続けている。
『人々のための岩に憑依する滝』という作品は、まさに水の流れが、この空間に入ってくる人によって影響を受ける。
人の歩みの後ろに水の軌跡が出現し、歩き出すと水の流れが長くなっていき、渦を巻く。鑑賞者が複数なら渦も複数になるが、干渉し合いながら時に統合する。その有り様は自然の川や渦と同じだろう。この鑑賞体験を通じて、私たち自身が常に世界に干渉していることを否応なく実感できるのだ。