生誕190年記念 豊原国周
豊原国周「四人剣見越之魁」(個人蔵)前期展示
豊原国周「四人剣見越之魁」(個人蔵)前期展示

東京、この春行くべき浮世絵展

江戸に没入できる展示や現代浮世絵、豊原国周の過去最大級の回顧展など

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「浮世絵」は江戸時代に発展した絵画様式のひとつで、庶民の暮らしを描いた絵として始まったといわれている。そんな浮世絵の展覧会が今年も花盛りだ。

この春には、葛飾北斎の浮世絵を全身で感じられる新感覚の展示や、水木しげる、安野モヨコら総勢85人のアーティストたちの木版画を紹介する「浮世絵現代」など、趣向を凝らした展示が多数開催される。ぜひ足を運んでほしい。

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「東急プラザ渋谷」の3階で、葛飾北斎の浮世絵を全身で感じる新感覚イマーシブエンターテイメント「HOKUSAI : ANOTHER STORY in TOKYO」が開催。北斎が生きた江戸の浮世にタイムスリップしたような、「映像×サウンド×触覚」の圧倒的な没入体験が待っている。

本展は、誰もが一度は見たことがある北斎の作品を、超高精細イメージデータを使用し、臨場感のある高精細な映像をリアルに再現。さらに、床が水たまりや砂浜に変わったかのように感じさせる触覚提示技術などの演出により、北斎が見た景色や歩いた感覚を味わえる。

会期中は、日本のクラフトマンシップを持つブランドとのコラボレーショングッズも発売する。北斎の世界へ全身でダイブしよう。

11~20時(入館は19時10分まで)/料金は3,500円、学生2,200円、小・中学生1,500円、未就学児無料

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「東京都国立博物館」で、総勢85人のアーティストたちの木版画を通じて、現代から未来に続く伝統の可能性を追求する「浮世絵現代」が開催。伝統木版画の表現に魅了されたさまざまなジャンルのアーティスト 、デザイナー、クリエーターたちが、現代の絵師となり、アダチ版画研究所の彫師・摺師(すりし)たちと協働して制作した「現代の浮世絵」が堪能できる。

日本の木版画の技術は、江戸時代に独自に発展し、浮世絵という力強く華やかな芸術を生み出した。「浮世」という言葉には「当世風の」という意味があり、浮世絵版画はまさにその時代と社会を色鮮やかに映し出すメディアであった。 

高度な木版画の技術は、途切れることなく、現代まで職人たちに受け継がれている。伝統技術は、同時代の人々の心を捉える作品を生み出し続けることで、さらに次代へと継承されていくだろう。

本展の参加作家は、水木しげる、安野モヨコ、石ノ森章太郎粟津潔、佐藤晃一、田中一光、和田誠、草間彌生、横尾忠則、田名網敬一、加藤泉、塩田千春、名和晃平、李禹煥、福田美蘭といった、名だたるアーティストやクリエーターが名を連ねる。

唯一無二の現代の浮世絵世界を、心ゆくまで楽しんでほしい。

※9時30時〜17時(金・土曜、5月4・5日は20時まで)/入館は閉館の30分前まで/休館日は月曜、5月7日(4月28日、5月5日は開館)/料金は前売り1,300円、学生600円、70歳以上300円/当日1,400円、学生700円、70歳以上400円、高校生以下無料

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「東京国立博物館」で、「イマーシブシアター 新ジャポニズム ~縄文から浮世絵 そしてアニメへ~」が開催。同館が所蔵する国宝などの貴重な文化財から、今世界で人気の名作アニメまで、高さ7メートルのモニターで日本の至宝への没入体験ができる。

スケールが圧巻の「イマーシブシアター」では、超高精細映像により、土器や土偶、はにわ、絵巻、浮世絵などを、普段決して見ることができない角度やサイズで堪能できる。

また、手治虫や高畑勲、細田守などの、日本を代表する名作アニメも登場。日本の風土の中で受け継がれてきた独自の美意識が、日本のアニメにも共通していることを感じるだろう。

壮大な映像制作を手がけたのは、建築・都市・観光・文化など多様な分野の専門知識と経験を持ったメンバーで構成するクリエーティブ集団「Panoramatiks」と、「いいものを、つくる」というシンプルな思想の元に集う 「CEKAI」だ。

また、音楽は、さまざまなメディアでの音楽制作を手がける蓮沼執太が担当した。日本文化のタイムトラベルを大迫力の映像で楽しんでほしい。

930分〜17 (金・土曜、545日、720日は20時まで) /入館は閉館の30分前まで /休館日は月曜、57日、722日(331日、428日、55日、721日は開館)/料金は前売り1,800円、学生1,000円、高校生600円/当日2,000円、学生1,200円、高校生800円、中学生以下無料

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「東京国立博物館」で、「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」が開催。江戸時代の傑出した出版業者である蔦屋重三郎(1750〜1797年)の全体像約250作品を紹介しながら、天明・寛政期(1781〜1801年)を中心に江戸の多彩な文化を紹介する。

多彩な出版活動を通し、人々が楽しむものを追い求め続けた重三郎は、喜多川歌麿、東洲斎写楽などの名だたる浮世絵師を世に出したことで知られる。また、黄表紙や洒落本(しゃれぼん)といった文芸のジャンルでも流行を取り入れ、 数々のベストセラー作品を生み出した。敏腕プロデューサーであり、非凡なマーケターともいえる彼は、まさに時代の風雲児であったのだ。

本展では、浮世絵黄金期と呼ばれる18世紀末の浮世絵界を代表する名品が一堂に集合。また、重三郎を主人公とした2025年のNHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」とも連携し、江戸の街にタイムトリップしたような空間を再現する。

本展を通して、重三郎が創出した価値観や芸術性を感じ取ってほしい。

※930分~17時(金・土曜・545日は20時まで)/入館は閉館の30分前まで/休館日は月曜、57日(428日、55日は開館)/料金は前売り1,900円、学生1,100円、高校生700円/当日2,100円、学生1,300円、高校生900円、中学生以下無料

もっとアートを探求するなら……

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  • 公共のアート

無数の美術館やギャラリーが存在し、常に多様な展覧会が開かれている東京。海外の芸術愛好家にとってもアジアトップクラスの目的地だ。しかし、貴重な展示会や美術館は料金がかさんでしまうのも事実。

そんなときは、東京の街を散策してみよう。著名な芸術家による傑作が、野外の至る所で鑑賞できる。特におすすめのスポットを紹介していく。

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東京には魅力的なアート展示や、パブリックアートなどがある。しかし建物が密集しているため、大規模なアート施設を新たに造ることは困難だろう。希少な絵画やサイトスペシフィックなインスタレーションを観たいのであれば、千葉、神奈川、埼玉といった近隣の県へ日帰りで出かけるのもいいかもしれない。

自然の中でリラックスしてアートに触れることができる休日に訪れたいアートスポットを紹介する。

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ここではタイムアウトワールドワイドによる、ピカソやミロ、村上隆などの作品を楽しめる世界の「アートレストラン」を紹介。美術館に行く代わりに、レストランを予約してみるというのもいいかもしれない。

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