日本が持つ優れた再開発プロジェクト
ー現在の日本の印象と、大使就任後の見方の変化について教えてください。
私にとって、大使になるということは、10年ぶりに日本に帰ってくるということでした。着任したコロナ禍は困難な時期でしたが、他方で、雑踏や騒音、汚染に悩まされていない街の姿という、かつてとは全く異なる日本を発見することでもありました。
(コロナ禍に)日本に滞在したことで、より親密で、穏やかで、ノイズの少ない日本を見ることができました。何度も訪れたことのある京都をはじめ、さまざまな場所を旅したのですが、現在多くの観光地で目にするようになったオーバーツーリズムとは全く異なる景色でした。
もう一つ興味深かったのは、この国の変化です。私が最後に日本を離れたのは2011年8月、東日本大震災の後です。再び日本を訪れた頃は、魚市場が築地から豊洲へと移転するなど、東京の再開発を目の当たりにしました。それは、日本がエンジニアリングやインフラプロジェクトにおいて、非常に効率的に成功している明確な一例です。
福島を訪れた時は、その復興ぶりを目にし、さらにその印象を強めました。日本が何か起こった後にどのように復興し、将来のためにどのように建設していくかというプロセスにはとても感銘を受けました。これは日本の長所の一つだと感じています。