有楽町ビルディング
Photo: Kisa Toyoshima
Photo: Kisa Toyoshima

有楽町・新有楽町ビルでしかできない10のこと

2023年に閉館するレトロビルで充実のひとときを過ごす

寄稿:: Eri Tanaka
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有楽町駅前にそびえる2つのオフィスビル、「有楽町ビルヂング(有楽町ビル)」「新有楽町ビルヂング(新有楽町ビル)」が2023年に再開発のため、その歴史に幕を下ろす。

もともとは賃貸でオフィスを提供。当時は周辺に似たようなビルも多く、3分の2は空きスペースだったという。前者は1966年、後者は1967年と続いて完成し、有楽町近辺で働く人々に愛されてきた。低階層はカフェやレストラン、衣料品店などが入居しており、ランチタイムには行列ができる店舗も多い。

ここでは、2つのビルの魅力を紹介するとともに、取り壊しを前に一度は行っておくべき10つのスポットを紹介。レトロな雰囲気漂う純喫茶や、昔ながらのカレー専門店、SNSで話題の新店舗、ポップアップのアートスペースなど、昭和と令和が交錯する「ネオレトロ」なビルを満喫しよう。

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ー有楽町ビルー

  • カフェ・喫茶店
  • 有楽町

ストーン 有楽町ビル店

「有楽町ビル」の開業と同時にオープンした老舗喫茶店。まず注目してほしいのは、石造りの壁の重厚さと、モザイク手法が取り入れられた床タイルのモダンさが両立した内観だ。なんとこのタイルは、職人が一つ一つ手作業で石を砕いて埋め込んでおり、微妙に形や向きが違っている。

現店主の祖母が、実家の石材店で扱っている石材を使用して、ショールームの要素も兼ねた喫茶店を有楽町で始めたことが店名の由来というエピソードもユニークである。

昔ながらの純喫茶然としたメニューが揃っているが、中でもおすすめは「フルーツサンド」(650円、税込み)厚みのあるパンにバナナとパイン、クリームがふんだんに挟みこまれている。控えめな甘さのクリームと、フルーツの酸味が絶妙にマッチし、深めのコーヒーとの相性もばっちりだ。

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  • 有楽町

マーブル

ランチ時はいつも行列ができている人気のカレー店「マーブル」。 1966年の同ビル誕生以来から続く老舗である。

定番は、リンゴ酢をきかせたキャベツが添えられた「インドカレー」だ。3時間じっくり煮込んだ豚肉は、口の中に入れた瞬間に肉がほろっととろけていく。さらに、肉汁からにじみ出たうま味と、調合されたスパイスがルーにコクを与える。

キャベツ添えのアイデアは、ある日バイトスタッフがカレーにキャベツを混ぜて食べている姿を見た、店主がメニューに取り入れてみたところ、人気が出たそう。リンゴ酢のまろやかな甘みが、カレーの辛みをうまく調和し、クセになる絶妙な味わいが楽しめる。

なお、同店はビル閉館と同時に55年間の幕を降ろすそうだ。

  • ショッピング
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鉄道模型のカツミ 有楽町店

創業1947年、老舗鉄道模型会社のカツミが手がける直営の鉄道模型店。店内のショーケースに所狭しと並べられた模型たちは、小さいながらも本物とたがわない精巧な作りで、マニアたちの心をつかんで離さない。

模型の修理やメンテナンスも行われており、定期的に訪店するリピーターも多い。鉄道ファンなら、訪れるたびに店舗スタッフとの会話が弾み、時がたつのを忘れてしまうだろう。

カウンターテーブルにはレールが敷かれていて、実際に走行する鉄道模型を間近で見ることができる。 有楽町ビル建て替えに向けて、現在は同エリアで新店舗を検討中とのことだ。

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  • 日本料理
  • 有楽町

有楽町かきだ

新鮮でボリューミーな海鮮丼が味わえると話題の店。代表取締役の蛎田一博が、趣味の釣りで獲った魚を海鮮丼にして社員に振る舞っていたところ、そのおいしさが評判となった。その後、社外からも提供を求められたことが店の始まりだという。

ネタは毎朝豊洲市場で厳選した食材を使用。おすすめのメニューは、「まかない大」(2,000円、以下全て税込み)、「まかない小」(1,500円)。いずれも肉厚な魚介の切り身が、白飯が見えないくらいぎっしりと乗っていて、ボリューム満点だ。

毎日の仕入れ状況によって具材が変わるため、店を訪れるたびに異なる味で客を楽しませてくれる。店は不定休で完全予約制。人気が殺到しており、公式Twitterでの抽選予約式だが、その価値は十分にある。

ノスタルジックな美を見つける。

有楽町ビル 玄関ホール

有楽町駅側の正面入り口にある吹き抜けの玄関ホールは、素通りするには惜しい建築美に満ちている。真っ先に目に入る、つややかな黄褐色の陶板タイルと銀色の階段。鏡面仕上げのステンレス製の手すりには、動きのある曲線が波打つかのように作られている。壁面に貼り付けられたレストランやカフェを示す掲示板が、人々を内部へ誘うようだ。

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ー新有楽町ビルー

洗練されたモダンビルを探検する。

新有楽町ビル 外観・内観

青いタイルと角丸サッシ型の窓の意匠などレトロながら重厚な雰囲気を持つ外観は、間違いなく見どころの一つ。有楽町ビル側から見られるH型の構造も独特だ。

中に入るとさまざまなデザインの人工照明や鏡面を目にすることができる。これは天井高2.65メートルという、現在では低めに感じる空間にメリハリを与え、閉塞感を和らげる効果をもたらしている。

有楽町ビルに比べると、よりモダンでホテルのような印象を与えるのも面白い。当時ならではの創意工夫をぜひ、自分で発見してみてほしい。

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ソノ アイダ#新有楽町

2021年12月から活動を開始した「ソノ アイダ#新有楽町」。これは、23年の新有楽町ビルが閉館するまでの期間限定プロジェクトだ。各アーティストが約1カ月半の間、作品の制作を行いつつ表現者としての営みを披露するスタジオである。

「人目に触れる路面区画」という制限のある立地の中で、豊かな発想力を発揮する厳選されたアーティストの作品のプロセスが鑑賞できるほか、トークショーなども行う。コアなファンからふらりと立ち寄る人々まで、さまざまな人が入り混じる刺激的な空間が生まれる。

建て替え後の再入居は未定だが、街に刺激や活力を与えていく場所を作っていく試みは続けていく。

  • 有楽町

シクスバイオリエンタルホテル

1870年(明治3)年に創業した、日本最古のホテルの一つとして有名な神戸の「オリエンタルホテル」が経営するレストラン。店名は、東京駅から6番目の通りにあるため名付けられた。日本全国から集まった選りすぐりの素材を使ったイタリアングリルが堪能できる。

メニューは季節ごとに変更。平日17~19時はハッピーアワーでビール、スパークリングワイン、カクテルなど20種のドリンクと4種のフードが各500円で楽しめる。

看板メニューのバターが香るパンケーキは、アイスをトッピングして一度は食べてほしい。大人気商品のバスクチーズケーキはテイクアウトもできる。オープンスタイルのテラスで、ゆったりとカフェタイムを過ごすのもいいだろう。

連日大盛況なので、特にディナータイムは予約をすすめる。

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  • 有楽町
  • 価格 1/4

はまの屋パーラー 有楽町

2011年に45年の歴史に幕を下ろした「はまの屋」のレシピと技、そしてサービスを受け継ぎ、スタッフとメニューを一新して再スタートを切ったという熱いストーリーを持つ、ネオレトロな喫茶店。地下1階にあり、オリジナルブレンドのコーヒーや紅茶と一緒にサンドイッチとホットケーキを提供する。

名物のサンドイッチは「玉子・サンドゥイッチ」「ハム・サンドゥイッチ」など6種類から好みの2種類を選んで注文できるシステム(2種類で800円)で、「玉子」か「フルーツ」のセットが人気だという。「玉子」は柔らかいオムレツのような厚焼きの卵焼きとレタス、マヨネーズ、パンの組み合わせが、シンプルだがほっとする味でハマる。

ドリンクメニューには「はまの屋特製クリームソーダ」名物!!バナナジュース」(各750円)など昭和風のオリジナルドリンクが並ぶ。店内も昭和のムードそのもので、懐かしの空間は心からくつろげるだろう。

  • ショッピング
  • 青山

ケーイーエフミュージックギャラリー

約60年の歴史を誇る英国のスピーカーブランド「KEF」。その日本初となるショールームが「ケーイーエフミュージックギャラリー(KEF MUSIC GALLERY)」だ。

店内にはシックなデザインの同ブランド製品が20~30ほど壁一面に並ぶ。家庭で使用することを想定し、リビングを模したスペースも設置されている。

製品を試聴できるのはもちろん、お気に入りの曲が入った音源をCDやスマートフォンなどで持参して、再生もできる。原音再生にこだわったスピーカーから立体的な音楽が響き渡り、音の波に包まれるような感覚になるだろう。

新橋周辺をもっと探索したいなら……

会社員の街頭インタビューの定番の場所として知られるSL広場前を有する新橋は「サラリーマンの聖地」と呼ばれて久しい。徒歩圏内の隣駅、虎ノ門含め、このエリアで日々頑張る人々の腹を満たし、活力を与える絶品レストランはどこなのか。以下、タイムアウト東京が選んだオススメ店舗を紹介する。

  • Things to do

オフィスパーソンの憩いの場としてにぎわいを見せていた有楽町、新橋間のJR高架下が2020年9月10日(木)生まれ変わる。百年前に建設されたレンガアーチを生かした空間は、「通な大人の通り道」をコンセプトに職人愛を感じさせるショップ、レストラン、バーなど30店舗が軒を連ねる。

「百年後にも大切にしていきたい道具」を認証するブランド、新潟の『百年物語』が手がけたクラフトマンシップあふれるニイガタイチマルマルや、創業から25年、名古屋で地元民から愛されてきたうなぎ専門店 炭焼 うな富士の東京初進出店舗など、人の手で丁寧に作られたものが厳選されて並んでいる。

消費するだけではない、次の百年をここから始めてみてはいかがだろう。

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  • Things to do

東京駅は日々46万人が利用している鉄道の要所だ。駅構内も巨大な商業エリアとなっているが、周辺エリアは近年の再開発により歴史的な建造物と現代的なオフィスビルが混ざり合った唯一無二の街となっている。

今回は、そんな東京駅周辺の中から、東京駅構内、丸ノ内、有楽町、京橋、日本橋といった代表エリアを掘り下げ、行くべきスポットを60に絞って紹介。話題の商業施設、地域のビジネスパーソンに愛されているレストラン、土産に最適な紅茶店、ユニークな美術館、隠れた名店など知られざる魅力を引き出したガイドになっている。

東京駅から朝早く旅行に出発する人も多いはず。せっかくならば少し余裕を持って到着して、おいしいモーニングから旅を始めてみてはどうだろう。

ここでは、洋風のものから、新鮮な魚料理とごはんのセットなど、ほっと一息つける和風セットまで、タイムアウト東京おすすめの4軒をピックアップした。しっかりエネルギーチャージしてバケーションを存分に楽しんでほしい。

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