ジブリ好きのための東京ガイド

三鷹にあるジブリ美術館は、ジブリ好きならば絶対に行くべきスポット。館内は写真撮影禁止なので、文明の利器に介入されることなく、まるでジブリ作品の世界に足を踏み入れたかのような錯覚に陥る。

館内にはスチームパンクの要素や手描きのイラスト、オリジナルのステンドグラスなどがあり、季節ごとに展示内容が変化。映画がどのように作られているかを学べる常設展示のほか、各部屋には小さなジブリのイースターエッグが隠されている。

映像展示室「土星座」では、館内でしか公開されていないジブリの短編映画を上映。作品は月替わりで、卵のお姫様の物語や、クジラ狩りをする保育園を舞台にした作品などが楽しめる。チケットは1カ月前までに購入する必要があり、すぐに売り切れてしまうので注意が必要だ。

埼玉県のなだらかな田園地帯は、メイとサツキ、そしてもちろんトトロの実家である。「となりのトトロ」の舞台となった狭山丘陵は別名「トトロの森」と呼ばれ、メイとサツキが自然の中を走り回り、精霊たちと触れ合う場所として、宮崎駿監督がインスピレーションを得るために訪れた。

弁当を持参し、3500ヘクタールの森の中にある19本のハイキングコースから好きな道を選んで散策しよう。案内所である古民家、クロスケの家（火・水・土曜10時と13時）では、トレイルマップを手に、自生している植物を発見し、作品に影響を与えた森について学ぶことができる。

この森が守られているのは、宮崎監督をはじめとする寄付者が「トトロのふるさと基金」を設立し、緑豊かな自然を維持するための支援を行っているからだ。

宮崎監督とジブリチームがデザインした、汐留の日本テレビタワー2階にある巨大な時計は、にぎやかなビジネス街の中で異彩を放つ風変りなスポット。このスチームパンクな時計は、まるで「ハウルの動く城」に出てくるような、2本の足が生えた形をしている。

ジブリ映画のように、12時、13時、15時、18時、20時（土・日曜・祝日は10時も）に時計が動き出し、音楽に合わせて時計に仕掛けられた生き物たちが踊り、見事なパフォーマンスを繰り広げる。

※新型コロナウイルスの感染症拡大防止のため、当面の間、全日15時、20時の2回のみ演出

小金井にある野外博物館。日本が西洋化を始めた明治時代の建物を中心に、往時の建造物や電車などを保存している。日本の歴史的建造物の多くは戦争や自然災害で破壊されたが、ここではその荘厳な姿を完全に留めている。銭湯「子宝湯」をはじめ、古い建物を散策しながら一日を過ごそう。

あたかも住人がいない集落のような博物館は、「千と千尋の神隠し」で千尋が迷い込んだ不気味な町そのもの。宮崎監督は風景の参考に、ここを訪れたそうだ。

「耳をすませば」は、新宿駅から京王線で約30分ほどに位置する聖蹟桜ヶ丘を舞台に、作家志望の中学生、月島雫を主人公とする爽やかな青春映画。丘陵地帯の風景はファンなら誰もが見覚えがあるはずだ。

ミステリアスな骨董（こっとう）品屋やバイオリンを作る少年など、雫が秘密の場所を発見するまで退屈を感じていたように、何の変哲もない郊外の街であることに気付くだろう。夕暮れどきには、クライマックスのシーンと同じ場所にある通称「耳丘」に登ってみよう。

東京ではないが、大注目のスポットが2022年11月1日（火）名古屋にオープンする。「ジブリパーク」は、スタジオジブリ初のテーマパーク。5つのエリアに分かれ、「耳をすませば」のアンティークな世界や「もののけ姫」の森、「魔女の宅急便」の舞台である疑似ヨーロッパの村などが体感できる。

全てのアトラクションが同時にオープンするわけではないので注意しよう。熱烈なファンは、2022年秋に「どんどこ森エリア」や「ジブリの大倉庫エリア」「ハウルの動く城」をモチーフにした「青春の丘エリア」を見に行ってほしい。

事前にチケットの購入が必要なので、オンラインチケット販売サイトから詳細をチェックしよう。

もし、ジブリ美術館へ行き逃してしまっても大丈夫。スタジオジブリの専門ショップ、どんぐり共和国では、ジブリのグッズを購入することができる。ぬいぐるみ、フィギュア、生活雑貨、キッチン用品、プランターなど、ジブリ好きが憧れるものが何でもそろっている。

東京スカイツリータウン、池袋サンシャインシティ、ダーバーシティ東京 プラザ、東京駅キャラクターストリートなどに店舗がある。

もともとはオンラインショップだったGBLが、渋谷の宮下公園に初の実店舗をオープン。ジブリファンのための究極のクールキッズショップであるGBLは、アニメ映画のストリートスタイルを提案している。

レトロなグラフィックTシャツや、カオナシとネコバスをモチーフにしたポップなスケートボード、夏にぴったりのハワイアンテイストな衣装まで幅広くそろう。

白髭のシュークリーム工房では、チョコレートやカスタードが詰まったトトロの形のかわいらしいシュークリームを販売している。夏のピーチクリームや冬のクリなど、季節ごとのフレーバーにも注目だ。トトロの耳にはそれぞれ違う飾りが付いていて、食べるのがもったいないほどかわいい。

世田谷代田店（吉祥寺店はテイクアウトのみ）の2階にはカフェがあり、トトロのぬいぐるみやジブリの装飾で、まるで映画の中にいるような気分になれる。帰りは土産を買うのも忘れないでほしい。商品はローテーションで変わるが、トトロのクッキーの詰め合わせが常時販売されているので、友達や家族の土産に最適だ。