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Photo: Keisuke Tanigawa
Photo: Keisuke Tanigawa

新宿、ベスト居酒屋20選

あの文化人が通った名店や、猫好き店主が営む24時間営業の居酒屋などを紹介

Mari Hiratsuka
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タイムアウト東京 >レストラン > 新宿、ベスト居酒屋20選

さまざまな人が行き交う都心の歓楽街、新宿。1960年代から70年代にかけては、ヒッピーや、フォーク・ジャズミュージシャン、演劇人らアングラな文化を愛する若者たちが集い、酒を酌み交わすカウンターカルチャーの聖地でもあった。近年では、思い出横丁やゴールデン街に外国人客が押し寄せ、また違った表情を見せている

ここでは、そんな時代を感じられるチャージフリーのジャズ居酒屋や、三島由紀夫ら文化人も通った老舗、なぜか外国人客でにぎわう店など予算1,000円から飲める名居酒屋を紹介する。終電を逃したら、はしごしてディープな新宿の夜を謳歌(おうか)しよう。 

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  • 新宿三丁目

演劇論で熱くなる

予算:3,000円〜

新宿三丁目駅近くにある居酒屋。週末は明け方まで営業している。裏には系列の小劇場、梟門もあることから、演劇や映画関係者が集まり、演劇論で熱くなっている様子を見ることも多い。店のカウンターは、屋台を模したオリジナル。よく見ると店内には街灯や電線もあり、野外で飲んでいるような気分になれるのも楽しい。

とにかくメニューが豊富だが、誰もが注文する名物は、蒸したての「ジャンボしゅうまい」。そのほか、「トリッパのトマト煮込み」や「かつを酒盗」など酒が進むつまみばかりで、酒飲みは、心が躍ること間違いない。

  • 新宿

生ジャズとアートを楽しむ

予算:1,000円〜

オールドアメリカンな雰囲気と昭和レトロが混在するジャズ居酒屋。1階は落ち着いたバーで、2階は大胆にピアノが置かれた生演奏が楽しめる居酒屋となっている。フードとドリンクは500円からと手頃。名物の「肉豆腐」や焼き鳥など和風のメニューと、カルパッチョやチーズ盛り合わせといった洋風のメニューが混在している。おすすめは生ギネスとともに味わう「自家製フィッシュ&チップス」だ。

デコラティブな空間は、美術に造詣が深かった初代オーナー松岡国彦の趣味が高じて。店内には、オーナーが心酔した画家の平賀敬らのアート作品が飾られている。この場所を愛する人たちによって長年大事に守られてきたことが分かる。若者文化やカウンターカルチャーの拠点だった古き良き新宿の香りを感じられる貴重な一軒だ。

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  • 日本料理
  • 新宿

ねこ×24時間×定食

予算:1,000円〜

新宿三丁目駅すぐそばにある、24時間営業の定食居酒屋。カウンターとテーブルがあるこぢんまりとした店で、昼時には近隣で働くサラリーマンや学生でにぎわっている。オーナーが大の猫好きで、店内には猫の写真や猫が描かれた暖簾(のれん)など、猫グッズが至る所に飾られている。料金もリーズナブルで、簡単なつまみは100円台から。

おすすめは、「ホッピー焼酎セット」別名「地獄のホッピー」と呼ばれている通り焼酎中がたっぷり注がれている。看板メニューの定食ではコロッケ、チキンカツ、ごはん、みそ汁などが付いた「ねこ膳ミックス」が人気。リーズナブルといっても食材の産地や調味料にこだわっており、優しい味付け。深夜に行って、食事をしても少し罪悪感から開放されるだろう。

  • ガストロパブ
  • 新宿三丁目
  • 価格 2/4

三島由紀夫ら文化人も通った名店

予算:3,000円〜

新宿三丁目の裏通りにある飲み屋街に、1951年より構える老舗居酒屋。三島由紀夫、越路吹雪、宇野亜喜良、岸田今日子など、錚々たる文化人が通ったことで知られている。

メニューは、ナポリタンなど親しみやすい料理が中心。焼酎にレモン汁とガムシロップ、炭酸を加えた名物の「どん底カクテル」は、「女の子に2杯飲ませればコロリだ」という「ドンカク神話」を持つほど強めなので、アルコールに弱い人は注意してほしい。

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  • 新宿三丁目
  • 価格 2/4

貝だけ食べる

予算:6,000円〜

メニューは貝を使った料理のみという、徹底した貝料理専門の居酒屋。昔ながらの割烹のようなカウンターも良い。専門店ならではの「煮貝の盛り合わせ」は、ぜひ試してほしい一品。白バイや黒バイ、ナガラミ、トコブシなど、珍しい貝それぞれの歯ごたえやうま味を食べ比べることができる。「あさり酒蒸し」や「しじみにんにく漬け」など、素材を生かしたメニューが中心で、酒も会話も進む一軒だ。

  • 新宿三丁目

利き酒セットでスイッチオン

予算:3,000円

新宿三丁目にある、メニューが豊富で安く飲める居酒屋。新宿に系列店が5つあり、本店は1979年創業だ。過去にはビートたけしが軍団を引き連れて飲んでいたこともあるそう。末広通り店はアットホームな雰囲気で、明るい店内の壁一面には色とりどりの短冊が貼ってある。メニューは約200種類もあり、悩んでしまう。

おすすめは、溶かしバターをかけて味わう「とうもろこしのかき揚げ」や、チーズに浸したパンを焼いた人気メニュー「フランスパンのチーズ焼き」。月替わりの「三種のきき酒セット」は750円とリーズナブルに酔えるので、ぜひ試してほしい。

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  • 新宿二丁目
  • 価格 2/4

新鮮なホルモンを味わい尽くす

予算:4,000円〜

新宿御苑前駅を出て徒歩5分ほどの場所にある牛ホルモン系の居酒屋。元首相の小渕恵三をはじめ、著名人が訪れたことでも知られる名店だ。メニューには、「ガツ刺」「牛タン刺」「牛ハラミ刺」などが揃うが、注文するならやはり「刺し盛り」だ。レバやハツ、チレ、ガツなどの刺し身の上には、コチュジャンをベースとした特製のタレがかかっている。

「牛タン焼」「牛ハラミ焼」、牛シビレニラなどの焼きメニューも人気が高い。全体的に濃い味付けとなっているので、酒との相性がいい。閉店が近づくと品切れになるメニューも多く、電話予約の上、早い時間に訪れたい。

  • 新宿三丁目

酒と肴(さかな)をたしなむ大人な一軒

予算:6,000円〜

末広通りにある新宿を代表する大人の居酒屋「鼎(かなえ)」。1972年創業の老舗で、現在は3代目が営む。昭和の雰囲気あふれる店内は、歴史と伝統を感じさせる。

料理のメニューは、刺身などの魚料理が中心。季節ものも多く、毎シーズン食べたいものが増えていく一方だ。ここに来たのなら、常時50〜60種類そろう日本酒を味比べしてみるのもいいだろう。客層は40代から上は80代までと幅広く、基本的には大人が酒と肴をたしなむ店だ。一皿の量が多いので、3人以上で行くのが色々頼めてベストだろう。

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  • 中華料理
  • 新宿
  • 価格 1/4

一人でも気軽に入れる懐かし系中華

予算:1,000円〜

新宿の「思い出横丁」にある中華料理店。こだわりの自家製麺を使用した、どこか懐かしい味のするラーメンはこの店に訪れたら味わってほしい一品。カウンター席がメインで、一人でも気軽に入れる雰囲気も良し。夜のシメにも最適な店だ。

  • 新宿

気取らない沖縄料理と三線で盛り上がる

予算:3,000円〜

新宿ゴールデン街からほど近いビルの3階にある沖縄料理居酒屋。料理は「ゴーヤチャンプルー」や「ソーキそば」など沖縄の定番料理が手頃価格で提供されており、味も地元民のお墨付きだ。泡盛やオリオンビールといった沖縄の酒と楽しみたい。

店の目玉は、なんといっても毎夜、沖縄出身の店主が開催する島唄ライブ。畳席の中央にセットされたステージで三線を弾き、客を巻き込みながら盛り上げる。気づけばほかの客と一緒に合いの手を入れているだろう。仲間と陽気に飲みたい日には、最適の一軒だ。

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  • 中華料理
  • 新宿
  • 価格 2/4
  • 3 5 つ星中
  • お勧め

コア中華で新宿のディープさを思い知る

予算:5,000円〜

歌舞伎町の怪しげな小さい路地にある、中華料理店「シャンハイシャオツー(上海小吃)」。渡されたメニューを開けば、ありとあらゆる料理のチョイスに戸惑うだろう。多種多様な上海料理や新しい料理が何ページにもわたり書かれているのだ。

揚げパン付きのハマグリの甘辛炒めから、クモやムカデのフライまで。歌舞伎町にいることを忘れて、上海のローカルレストランにトリップしたような気分になること間違いない。なお、ビールと紹興酒以外のアルコールは持ち込み可能というサービスもある

  • 新宿

昼すぎからアットホームに飲む

予算:3,000円〜

新宿西口大ガード角のビルに入居する、1981年創業の居酒屋。レトロな雰囲気の店に入ると、割烹着を着た女将が温かく迎えてくれる。BGMには昭和歌謡が流れ、アットホームな雰囲気が漂う。14時から開店するため、早い時間は年齢層が高め。

料理のおすすめは、店名の焼印入りで可愛らしいプリプリの「出し巻き卵」。そして、当たり串が出るとハイボール1杯サービスという楽しいおまけ付きの「手作りつくねの盛り合わせ」は外せない。 窓から街の景色を眺めながら昼から飲むという至福の時間が過ごせ、夕暮れ時も気持ち良い。また、貸し切り可能なテーブル席(80人)や座敷(30人)などもあるので宴会にも重宝する。

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  • 新宿

食と音楽を融合した、インスタ映え間違いなしのフードホールが、「東急歌舞伎町タワー」にオープン。「祭り」をテーマにした店内は、日本と海外のデザインが融合され、まるで異世界に迷い込んだような感覚に陥る。

「北海道食祭」の「室蘭焼き鳥」、「九州沖縄食祭」の「宮崎辛麺」、「韓国食祭」の「チュクミサムギョプサル」など、全10店舗が各地のソウルフードを提供する。毎晩さまざまなパフォーマンスやイベントも用意されているので、エンターテインメントとしても十分に楽しめる。

  • 新宿
  • 価格 2/4

思い出横丁の本命か?

予算:3,000円〜

網焼きのトカゲや牛の心臓、豚の睾丸など、この愉快な料理の数々を尻込みしないで食べることができるという人、そして、その猛者ぶりを証明したいという人がいれば、思い出横丁にある、小さくて薄汚い呑み屋に行くといい。常連客、そして遠方からの客も多いこの店のメニューは、「スタミナフード」と呼ばれている。それは確かに、怪しげな性欲増強剤をオンライン注文することも勝る。 

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  • 寿司
  • 新宿

遊び心があふれ、映える「カタカナスシ」を提供する「歌舞伎町 スシンジュク」がオープン。系列店のメニューに、歌舞伎町というエリアの特色を加えて進化させた寿司が楽しめる。

カニの甲羅に⾚エビの⾝とズワイガニのほぐし⾝、⻩⾝、イクラが入り、カニ味噌と柚子の細巻きの上に乗せてディップして食べる「エビカニ合戦」という人気メニューをグレードアップしてキャビアを乗せた「エビキャビ合戦」や、生本マグロを厚めに使った「マンゴーカットトロ」などは、見た目も美しくおいしそうだ。フルーツとスパークリングワインによるドリンク「果樹アワー」も味わい深いだろう。

  • 新宿二丁目

二丁目で本場のタイを味わう

予算:3,000円〜

新宿二丁目エリアにある、リーズナブルに本場の味を楽しめるタイ料理店。創業は1997年だ。スタッフは全員タイ人とあって、100種におよぶメニューはどれも本格的。辛さも本場仕様で辛いもの好きにはうれしいが、もちろん辛さの調節も可能なので安心して行ける。 

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  • イタリア料理
  • 新宿三丁目
  • 価格 1/4

イタリアンでサクッと立ち飲みする

予算:1,000円〜

新宿3丁目にあるヴェネチア料理店「イル バーカロ(IL Bacaro)」。イタリアでは、立ち飲み用のカウンターは「バンコ」と呼ばれるが、入り口すぐがバンコで、奥はレストランスペースとなっている。立ちながら楽しく飲むのにも、座りながら落ち着いて食事をすることもできる。スタンディングエリアでは、グラスワインが280円からと気軽に味わえるので1軒目にもおすすめ。昼夜を問わずにぎわっている。 

  • 新宿三丁目

カンフー映画の世界へいざなわれる

予算:3,000円〜

カンフー映画に出てきそうな雰囲気の中華料理店。チャーハンや焼き餃子、麻婆豆腐などを組み合わせたランチメニューも豊富にある。また、昼の時間帯も各種炒め物や前菜などをオーダーすることが可能。通し営業なので、遅めのランチや早めのディナーで通う近隣の百貨店スタッフ、早い時間から打ち上げで盛り上がる映画関係者など、常連客に重宝されている。

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  • 新宿
  • 価格 1/4

夏は冷やしたおでんで一杯やる

予算:3,000円〜

新宿駅を出てヨドバシカメラ方面へ、一帯の入り組んだ路地の一角にある大衆居酒屋。地鶏を使ったメニューと、京風おでんがメイン。夏は冷やしたおでんも提供している。また、日本酒も豊富だ。混雑していることも多いので、できれば予約の上、訪れたい。

  • 代々木

アミューズメント的にはしごする

予算:1,000円〜(店舗により異なる)

建物は古民家を活用しており、昭和の名残を感じられる。立ち並ぶ古民家には、飲食店およそ10店舗が入居。約100種類ものシャンパンが揃う「泡包シャンパンマニア」や、大井町の人気牛タン専門店の「牛タンいろ葉」など、会社帰りの一杯などに使い勝手の良い店ばかり。繁華街から離れた立地の住宅街の中にあるのが魅力で、のんびり落ち着いた時間を満喫できる。

新宿をもっと掘るなら……

浄化作戦を経てコマ劇場が閉館した今もなお、歌舞伎町は人々の生々しいエネルギーで駆動する魅惑の街だ。定番スポットを回る観光客向けのツアーガイドはいるが、この大歓楽街の真の顔を知る案内人は稀だろう。 本記事を監修してくれた手塚マキは、歌舞伎町のホストクラブやバー、美容室などを十数軒を経営するSmappa! Group の会長であり、歌舞伎町商店街振興組合の常任理事を務める人物。街の顔である彼がセレクトしてくれた店は、「客引き・ぼったくり」の危険なイメージとは正反対の、温かく人懐こい雰囲気の「台風の目」のような店だった。驚くほどおいしくて安いビストロや、ファッショニスタが集うショップ、「夜の赤ひげ先生」の薬局など、この街の良心ともいえる一面を垣間見ることができるだろう。 なお、当初は10軒の掲載を予定していたが、うち1軒のマッサージ店が取材中に営業停止になったため9選という並びになったことも、歌舞伎町らしいエピソードとして記しておきたい。

  • Things to do

1日の平均乗降者数は350万人以上で、ギネス世界記録にも認定された新宿駅。そして、その東側に位置するのが、伊勢丹新宿店にも直結している新宿三丁目駅だ。ショッピングタウンとして広く知られ、休日には多くの買い物客でにぎわっているが、実は、江戸時代には宿場町としても栄えたエリアでもある。花園神社や寄席など、江戸情緒を感じる名所が多いのも特徴だ。ここでは、そんな新宿三丁目をディープにガイド。秘密結社のようなショットバーや、まるでトルコに来たような気分に浸れるレストラン、熱い演劇論が飛び交う居酒屋、カプセルトイ天国のショップ、看板猫のいる喫茶店など、バラエティ豊かに紹介する。レトロでヒップな街、新宿三丁目を思う存分楽しもう。

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  • Things to do
新宿でしかできない101のこと
新宿でしかできない101のこと

新旧のビルが混在し、さまざまな国籍の人々が行き交う都心の歓楽街、新宿。24時間365日多様な顔を見せるこの街には、独自の文化を発信するファッションやアートスポット、戦後の闇市の面影を残す歴史的な横丁からジャズ喫茶にキャバレー、超高層ビルまでが乱立する。特集では、そんな新宿を歩き回って見つけた101のおすすめスポットを紹介する。

  • カフェ・喫茶店

東京随一の歓楽街、新宿。この街のせわしなさから逃げるには、タイムスリップしたような気分になれる喫茶店に逃げ込むことだ。ここでは、看板猫がいるレトロな喫茶や、ジャズ喫茶を語るには欠かせない歴史のある名店、終電を逃した時に駆け込みたい24時間営業店などを紹介する。 

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