野方文化マーケット
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野方文化マーケットでしかできない5のこと

コロナ禍に自然集結したカルチャーの闇市

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テキスト:大橋洋介

都内屈指のカルチャータウンである高円寺と中野の北に存在する町、野方。そこに位置する野方文化マーケットは終戦直後、当時は貴重だった食料品が商われ、にぎわった闇市だったといわれている。時代の流れとともに、入居する店舗の多くはシャッターを降ろしてしまった。

だがここ数年、特に駄民具ダミラの入居以降、店主の趣味嗜好(しこう)が反映された個性的な店舗が急速に集まり、新たなディープスポットと化している。そんなカルチャーの闇市ともいうべき野方文化マーケットで、貴重な品々を入手してみよう。

ここでは、ジャンクな雑貨を販売する駄民具ダミラや、キッチュなTシャツを陳列する吊り橋ピュンなど、訪ねてほしい5軒を厳選して紹介する。

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廃墟ディスコ

高円寺の古着屋であるChoose Trend Pastが、10月8日に廃墟ディスコと名を変え野方文化マーケットにオープン。こじんまりとした店内には、バンドTシャツやアニマル柄のジャケットなどロックファッションを中心に、ユーロミリタリーやワークといった商品が並ぶ。アイテム数は150〜200点ほどでメンズで着られるサイズが多い。1940〜60年代のビンテージから90年代のアートを感じるアイテムまで幅広く用意する。

前店から点数を3分の1に絞り、より店主の好みを色濃く反映しているそう。今後はシルバーを中心にアクセサリーや、使い古された布やボロ切れを使って作られたボロ(BORO)、ダメージ系の商品も増やしていく。アンティーク調のドアが特徴的な外装や、閉店時にだけ現れるシャッターアートも見逃せない。

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駄民具ダミラ

都内のディープスポットとして知られる、戦後昭和の雰囲気満載の野方文化マーケット内にある雑貨屋。駄目で無駄な民具、通称「駄民具」を専門的に扱う。怪しげな店構えにちゅうちょせず、そのまま足を踏み入れてみよう。来店する者を待ち構えているのは、まるで異次元に迷い込んだかのような摩訶(まか)不思議な空間だ。

店内にあふれかえる「駄民具」たちは一つ一つが個性的で、使い道は不明だがなぜか欲しくなってしまうアイテムばかり。店舗の2階部分はホラーやショック、エロスをテーマに集められたジャンクグッズや、レトロなエログロ物のVHSなどマニアックなコレクションを常設展示している。

※展示への入場料は200円

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吊り橋ピュン

吊り橋ピュンは店主、Egg Masterさとるんの琴線に触れる服や雑貨を販売する古着屋だ。90年代のTシャツを豊富に取りそろえており、なかでも洋楽や邦楽のバンドTシャツは自慢のコレクションで、珍しいものも多い。ほかにも美少女ゲームやエロ劇画のノベルティTシャツ、80年代の脂が乗り切った時代のタレントグッズなど、キッチュでとがったアイテムが所狭しと並んでいる。

「自分がサブカルチャーを広く浅く楽しむタイプのオタクだから」と、店主は店内のバラエティー豊かなジャンルについて語る。また、店主が参加するバンド、好き好きアピールズのTシャツも販売している。

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おでん割烹 日南乃

日本各地の厳選された具材を用いた趣向あふれる創作おでんを提供する、おでん割烹 日南乃。まずは、トリュフを加えた名物の『黒つくね』を含む7種のネタが少量ずつ味わえる『日南乃 彩コース』がおすすめ。コースの途中でだしに湯を注ぎ、スープとして出してくれる。おでん鍋の中でさまざまな具材が混ざり合って醸し出す、だしのハーモニーは感動ものだ。

おでんは単品でも販売しており『カニの甲羅』といった変わり種も用意。一品ものとして、茶わん蒸しに麩(ふ)を加えて調理した『仙台麩』なども提供。酒にも力を入れており、蔵元直送のオリジナル焼酎『日南乃』(芋・麦)のほか、運が良ければレアな酒を堪能できる。

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ギフトショップおたふく

ギフトショップおたふくGIFTSHOP OTAFUKU)は、気のきいた珍しいプレゼントを探すのにもってこいの店。主な商品はデッドストック品、現代アーティストが手がけた作品とそれを応用したグッズ、そして輸入雑貨である。

デッドストック品はどこか懐かしい昭和レトロなグラスやおもちゃが中心で、プレゼントに向いている状態の良いものをそろえている。現代アーティスト、北澤眞による編み物の作品や、吉井隆祐のテキスタイルで製作されたアパレルといったグッズなど、生活の中にアートを気軽に取り入れられる逸品は見逃せない。

ポーランド製の陶器や、チープだが味のある玩具(がんぐ)は、輸入雑貨が好きな人にはたまらない商品ばかり。選ぶのに迷ってしまったなら、店主に相談してみよう。その人に最適な一品を選び出してくれる。

実店舗は週末と祝日のみの営業だが、オンラインショップは平日でも営業している。

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