ナショナル・シアター・アットホーム『エンジェルス・イン・アメ
英国ナショナル・シアターの舞台映像を配信するナショナル・シアター・アットホームのラインアップに、アメリカ人劇作家トニー・クシュナーの傑作であり、20世紀を代表する戯曲の一つと言っても過言ではない『エンジェルス・イン・アメリカ』ニ部作が加わった。
第1部が3時間半、第2部が4時間の超大作である本作。第1部『至福千年紀が近づく』は1989年に初演され、第2部『ペレストロイカ』は1992年に第1部とともに通し上演され、1993年のピュリツァー賞やトニー賞を受賞した。
エイズが同性愛者の病気だと思われていた1980年代のニューヨークを舞台に、裁判所の文書係として働く青年ルイスとその恋人でエイズを発症したプライアー、裁判所の書記官でモルモン教徒のジョーと薬物依存の妻ハーパー、ジョーの母ハンナ、ジョーを自身の不正に巻き込もうとする豪腕弁護士ロイ・コーンらの姿を通して、アメリカ社会が抱えるさまざまな問題を浮かび上がらせる。
ナショナル・シアターでは2017年、『ウォー・ホース』のマリアン・エリオット演出で上演。プライアー役にアンドリュー・ガーフィールド、ジョー役にラッセル・トヴェイ、ハーパー役にデニス・ゴフ、ロイ・コーン役にネイサン・レイン。キャストたちが命を吹き込む、切なく美しく機知に富む壮大なファンタジーは必見。多層的な舞台美術にも注目だ。
※登録後、約1,000円を支払い3日間視聴可能