男とか女とかじゃなくて、一人の生き物として
―まず、なぜ『東京ニューソース』を始められたのかを教えてください。
いとう:僕は1980年代の『東京ソイソース』に、藤原ヒロシがDJをしている横でラップをするという形で出演していて。それがアンダーグラウンドシーンでのデビューのようなものなんです。『東京ソイソース』にはそういう風に若者をフックアップしていく機能があった。去年『東京ソイソース』のバンドのメンバーが集まる機会があり、そういうのがまた必要だなって話になって。俺も当時フックアップされた身として、フックアップする場を作る責任もあるし。
―なぜ今回「女性解放運動」というイベントタイトルにされたのですか。
いとう:女性の時代なのに女性が出ないのもおかしい話なので、女の人縛りでやったらいいんじゃないですかって言ったんです。もうアンダーグラウンドは男っていう時代じゃないでしょ。日本はそういうところがすごく遅れてて、意識して女の人多くしていかなきゃ半々にもならないような社会だから、それでいいんだと思うんですよね。
それで、xiangyuさんとかZOMBIE CHANGさんをお呼びしたんです。BimBamBoomはs-kenさんがずっとプロデュースしてるファンクインストバンド。サヨコさんは『東京ソイソース』の時代にZELDAというバンドをやっていた超カリスマだから、もう一度出演してもらったら面白いなと。
―いとうさんとxiangyuさんをの出会いは?
いとう:xiangyuさんとはコントライブで一緒だったんですよ。
xiangyu:先日、テニスコートさんというコントユニットのライブにゲスト出演したんですよ。そのライブにせいこうさんも出演されてたのが出会いです。
いとう:俺はxiangyuっていう人は芸人なんだと思ってた(笑)。
x:そうだったんですか!(笑)
いとう:誤解が解けたのは、翌日くらいに検索して、あの人アーティストなのかって。でもそういう誤解は俺が一番受けてきた誤解だから。垣根を越えちゃうタイプってところでは親近感はある。
―xiangyuさんは音楽活動をされる上で、ご自身のジェンダーについて考えられたことはありますか。
x:私は、この地球上に生きてる生き物っていう感覚が強くて。男がどうとか女がどうとか、とかいうよりかは、もっとこの特性を持っている人はこういうところで頑張って、みたいになればいいと思っています。
いとう:男、女、っていうのはさ、指数が少な過ぎるからね、あまりに粗雑じゃないかな。
x:男とか女とかじゃなくて、一個人として、一人の生き物として見ていけば話はそんなに複雑にならないんじゃないかと思って生きていて。そんなことを思いつつ曲を作ったり、音楽活動してます。生き物として、って気持ちの方が私は強いです。
いとう:そもそもこんなシャンユーなんて名前つけてるしね。性別も人種も分からない。
x:そうですね(笑)。