Photograph: Shutterstock / Time Out
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世界を代表する料理10選(アジア編)

タコヤキ、シンガポールチキンライス、ナシレマッなど各都市で味わえる料理をセレクト

テキスト:: James Manning
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料理は文化だ。それぞれの料理は、作られる地域と密接に関連しており、そこに暮らす人々の数だけ世界には料理があると言っても過言ではない。だからこそ、どのような料理が人気を博しているのかを知りたくなるというものだ。

タイムアウトインデックスは、世界中の読者3万8000人にそれぞれの街の定番料理を決めるアンケート投票を実施、その結果をもとに各都市を代表するアイコニックな料理の決定版が完成した。本記事では、世界各国の料理からアジアの料理を紹介する。

シャワルマ(ドバイ)

シャワルマは、単なる深夜の腹ごしらえのための食べ物ではない。質素ではあるが、朝5時でも17時でもいつでも食べられる、ドバイが誇るおいしいストリートフードだ。

ドバイには常ににぎわいを見せる、24時間営業のシャワルマを売るケバブ屋がたくさんある。19世紀にオスマン帝国で広まった「ドネル・ケバブ」から派生したシャワルマは、王様が食べていたようなごちそうを、わずかな金で食べたい人にとって欠かせない料理となっているのだ。肉は通常ラム肉だが、鶏肉、牛肉の場合もあるので、好きなものを選ぶといいだろう。

おすすめの店:旧市街であれば、たいていのケバブ屋でおいしいシャワルマを食べることができる。特におすすめは、Al HallabAl ShamiAl Mallahといった店。スパイスで絶妙に味付けされた脂肪とのバランスがいい肉、パンチのきいたガーリックソースが楽しめる。ドバイの南端にあるAllo Beirutも、正統派シャワルマを提供。たくさんのピクルスと一緒に、肉を焼き立てのピタパンに詰めて食べるのがベストだ。空腹を満たすのにこれ以上おいしく、そして安い食べ物はなかなかないだろう。—Amy Mathieson, Time Out Dubai

点心(香港)

点心は香港でとても愛されている。点心とはシェアして食べられることが多い、小分けの料理のこと。「點心」という広東語の表記は、文字通りに解釈すると「軽く心に触れる」 という、なんともかわいい意味になる。

この料理は2500年の歴史を持つが、いつの時代も人の口に合うように進化し、今でも香港人にとっても欠かせない食文化の一つであり続けている。点心といってもその種類は1000以上があり、それぞれに食感や味、調理方法などが違う。

まずは定番の2種類、ハーガオ(エビ団子)とシュウマイ(通常は豚肉)を選ぶのがおすすめだ。その後は、サクサクの春巻きを食べ、エッグタルトをいくつか頼み、物足りなければ、気が済むまで(胃が耐えられるまで)鶏の足をちびちびかじるのがいいだろう。

おすすめの店:リーズナブルでかつ良質な味を求めるなら、世界で最も安いミシュランの星付き点心レストランとして知られるTim Ho Wanに行くのが一番。

伝統を重んじるのであれば、Lin Heung Tea Houseのような昔ながらの飲茶レストランもいい。特に中華まん、豚レバーシュウマイ、大根餅がおすすめだ。

Tin Lung Heenは、香港で最も高い場所にある中華料理店。夜景を見ながら、アワビのシュークリーム、エビとホタテのシューマイなどの魅惑的な点心を味わうことができる。—Ann Chiu, Time Out Hong Kong

 

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ナシレマッ(クアラルンプール)

ナシレマッは、ライスにスパイシーで甘辛いサンバル(チリソース)をかけて、フライドチキン、焼きイカ、揚げた魚や牛肉、卵といったおかずを添えた一皿料理だ。ライスはココナッツミルクとパンダンリーフと一緒に炊かれていて、香り豊かでふっくらとしているのが特徴。

周辺国からは異論が聞こえてきそうだが、非公式ではあるものの、マレーシア人の多くがナシレマッを国民食だと思っている。とにかく私たちは、このマレー文化を代表する料理に夢中なのだ。

おすすめの店:地元では、クアラルンプールで最高のナシレマッを食べられるのはVillage Park Restaurantだという点で、ほぼ意見が一致している。リピートする人が多い人気メニューは、『フライドチキンナシレマッ』だが、ほかの料理も全て素晴らしい。

プタリン・ジャヤにあるNasi Lemak Bumbungもおすすめ。この店のナシレマッはいつ食べでも満足度が高く、癖になるほどおいしい。安い上に遅くまで営業しているのもいい。かつては溶かしたプラスチックのストローを入れているのではないかと囁かれたほど、この店のフライドチキンはカリカリ。しかし、ひどいうわさが流れるのは、成功している証だろう。今もこの店の人気は衰えていない。—Jaydee Lok, Time Out Kuala Lumpur

パルマ(メルボルン)

メルボルンのパブでパルマを見つけることは、浜辺でカモメを見つけるようもの。つまり、簡単なのだ。この料理を示す言葉はオーストラリアの国を2分している。ニューサウスウェールズ州とクイーンズランド州では、間違いを承知で「パルミ(parmi)」と呼んでいる。

パルマのルーツは17世紀のイタリアが発祥といわれるパルミジャーナで、揚げナス、トマトソース、チーズ、バジルを重ねて焼いた料理だ。後にアメリカでナスをチキンに置き換えたものが作られるようになり、1980年代にオーストラリアで「パルマ」として定着。パン粉を付けて焼いたチキン、ナポリソース、薄切りハム、チーズで作るのが一般的となった。

おすすめの店:Mrs Parmasはパルマ専門店で、10種類ほどのバリエーションが楽しめる。The Birmingham Hotelは、大食いコンテストかと思うほどのボリュームの巨大パルマが人気。

ビーガンパルマを提供しているのが、The Cornish Arms。モックチキンを使い、チーズももちろんビーガンだ。このほかメルボルン市内の多くのガストロパブでは、こだわりのコールスローを添えたもの、オーガニックチキンを使ったものなど、グルメな人のパルマを見つけることができる。Rushani Epa, Time Out Melbourne

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ワダパオ(ムンバイ)

ムンバイでは郊外の駅の近く、通勤客でにぎわうさまざまな場所で、ワダパオ売りをよく見かける。インド最大の都市であるこの街では、毎日約200万個のワダパオが売れているという統計もあるほどだ。

ワダは、スパイシーな揚げポテトコロッケで、パオは四角い形をしたふわふわのロールパン。ワダをパオに挟んだワダパオは、まさにインド版コロッケパンだ。移動中など気軽に食べられる、この軽食の味の決め手になるのが、バターのようにパンに塗るチャットニーで、ニンニクとココナッツを合わせたもの、タマリンドを使った甘いものなどがある。ワダパオはシンプルな料理であるが、どの売り手もなにかしらの「秘密のひねり」をきかせている。食べ比べてみるのも面白いだろう。

おすすめの店:ムンバイで最もおいしいワダパオが食べられるのは、Ashok Vada Pavだろう。それには理由がある。

ここの店主は、ワダパオを発明したアショク・ヴァイディヤなのだ。彼は元々ダダール駅のすぐ近くで屋台を出していて、ジャガイモのワダをチャットニーをたっぷり塗ったパオに挟むことを思い付いたのが、ワダパオの始まり。スパイスのパンチとふわふわなパオが際立つこの店のワダパオは、ムンバイへ行ったらマストだ。@munchymumbai

タコヤキ(大阪)

大阪には「早い、安い、うまい」の三拍子がそろい、かつとろっとした食感も楽しめる食べ物が多い。その一例がたこ焼き。小麦粉をメインにした生地に、タコと紅ショウガを入れて丸く焼き、マヨネーズ、ソース、かつお節、青のりの粉末を付けて食べる大阪名物だ。熱々のうちに食べるのがいい。合わせる飲み物は、もちろんビール。楽しい時間を過ごすのにぴったりだ。

おすすめの店:たこ焼きの楽しみの一つは、作っている様子を見ること。 鉄製のたこ焼き板に生地を流し込み、具を入れ、金属のピックを使って驚くほどのスピードと見事な精度で、球体を回転させ焼いていく職人技には見入ってしまう。

大阪でおいしいたこ焼きの店を見つけるのは難しくないが、外したくない場合は、市内にいくつかの店舗を構えるたこ焼道楽わなかや、天神橋筋6丁目の玉屋へ行くといいだろう。Jessica Thompson, Time Out Tokyo

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韓国焼き肉(ソウル)

韓国焼き肉の醍醐味(だいごみ)は、燃える炭火を見て、炭の香りと熱を感じながら食べるところにある。これは、ほかの料理ではなかなか得ることができない体験だろう。

典型的な焼き肉店では、(ほんの一例だが)カルビ、プルコギ、サムギョプサル、ダッカルビといったおいしい料理をたくさん食べることができる。炭火が用意される前には、テーブルにサンチュ、サムジャン、チゲ、パンジャン(おかず)なども並べられる。これらはどの店も基本的にはサービスだというのもうれしい。

おすすめの店:韓国焼き肉はいくつもの方法で楽しめる。Born and Bredは高級韓牛のレストランで、牛肉をコースで堪能できるのが魅力。老舗に行きたいのであれば、創業67年の立ち食いカルビ焼き肉店Yeonnam Seo Sikdangがおすすめだ。

個々のグリルで一人焼き肉が楽しめるBaetjangという店もある。豚肉好きはサムギョプサルの名店853へ、済州島産の絶品黒豚肉を出している梨泰院のMaple Tree Houseも外せない。—Fontaine Cheng, Time Out Asia

シンガポールチキンライス(シンガポール)

チキンライスがシンガポールを最も象徴する料理に選ばれたのは当然のことだろう。『Chicken Rice War』という、ラブコメ映画まで作られているのだから。

この料理の要となる鶏肉の調理法は、肉汁を逃さないようにする蒸すか、深い味わいにするためにローストするかの二通りがあり、どちらにも熱烈なファンがいる。しかし、この料理の人気を確固たるものにしているのは、風味豊かなスープ、鳥の脂とともに炊き上げられた、パンダンリーフの香りがするライスだ。

おすすめの店:地元のうるさ型におすすめのチキンライスの店を聞くと、Tian Tian Hainanese Chicken Riceの行列に並ぶべきだ、もしくは、市内にいくつかあるBoon Tong Keeに行くべきだと教えてくれるだろう。

しかし、我々タイムアウトのおすすめは、最寄りのホーカーセンターだ。どこへ行ってもおいしいチキンライスに出合えるだろう。財布に余裕があるときに行きたいのがLabyrinth。ここのチキンライスは、うま味を逃さないように密閉した土鍋で調理される。

変わったところでは、シンガポールのスーパーの多くには、チキンライス味のポテトチップスが並んでおり、土産にもぴったりだ。—Fabian Loo, Time Out Singapore

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ロックオイスター(シドニー)

一般的に「シドニーロックオイスター」と呼ばれることが多いが、実際にはオーストラリア東海岸全体に生息する固有種のカキを指す。非常においしく、豊富に採れるため、シドニーのバーやレストランは「カキのハッピーアワー」を頻繁に開催している。

生ガキを一つを1豪ドル(約80円)で出す店も珍しくなく、新オープンのレストランが、オープニングメニューとしてカキをフィーチャーすることもしばしばだ。シドニーの街へ来て、複雑でクリーミーなカキを堪能してほしい。

おすすめの店:Saint Peterは、市内でも有数のシーフードレストランで、適切な方法で収穫された新鮮な魚介類が充実している。カキは、ベイトマンズ・ベイ、ワッペンゴ・レイク、タスラといったシドニー周辺の産地から届いた最高品質のものを提供。安くておいしい生ガキを狙うなら、The Morrison Bar & Oyster Roomで毎週水曜にカキのハッピアワーを開催しているのでおすすめ。—Emily Lloyd-Tait, Time Out Sydney

ラーメン(東京)

ラーメンといえば濃厚でクリーミーなとんこつラーメンを思い出すかもしれないが、東京にはさまざまな種類のラーメンがある。

日本で最も早くから食べられていたのは、1900年代初頭に登場したしょうゆラーメン。どのタイプのラーメンを選ぶにしても、全ての食材のうま味、そして幸せを感じることができるだろう。また、1杯で1,000円を超えることはほとんどないというのもラーメンの良さだ。

おすすめの店:日本の各地域にはそれぞれの土地のラーメンがあるが、東京ではそれらのほとんどを試すことができる。京橋にあるど・みそはみそラーメンで有名。5種類のみそを大胆に組み合わせたスープを使ったラーメンが人気。

とんこつスープの博多ラーメンなら、西麻布や丸の内に店を構える博多麺房 赤のれんへ。だだ、ラーメンをあまり食べたことがなければ、まずオーソドックなものを食べるのがいいかもしれない。新宿御苑にある金色不如帰の塩ラーメン、醤油ラーメンはいつ食べても素晴らしい。—Jessica Thompson, Time Out Tokyo

ほかにも世界の料理を楽しみたいなら

料理は文化だ。それぞれの料理は、作られる地域と密接に関連しており、そこに暮らす人々の数だけ世界には料理があると言っても過言ではない。だからこそ、どのような料理が人気を博しているのかを知りたくなるというものだ。

タイムアウトインデックスは、世界中の読者3万8000人にそれぞれの街の定番料理を決めるアンケート投票を実施、その結果をもとに各都市を代表するアイコニックな料理の決定版が完成した。本記事では、世界各国の料理から北米と中南米の料理を紹介する。

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  • 南アメリカ料理
東京、コロンビア料理4選
東京、コロンビア料理4選

南米大陸北部に位置するコロンビア。コーヒー豆やジャガイモ、カーネーションの産地として有名だが、近年では、日本サッカー界の宿敵としてのイメージを持つ人も多いのではないだろうか。

2014年ブラジルワールドカップでは日本が1-4で敗北。2018年ロシアワールドカップでも予選グループで同組となったが、日本が2-1で勝利し雪辱を果たした。何かと名前を耳にするこの国の文化を、一度体験してみてはどうだろう。東京都内で見つけた、コロンビア料理を味わえるレストランを紹介する。

池袋、エスニックの名店7選
池袋、エスニックの名店7選

 

暑い夏になると、特に食べたくなるアジアンエスニック。パクチーやグリーンカレーが大好き、という人も急増し、ハーブが香る独特のスパイシーな味わいは、日本でも近年、確実に市民権を得た。

東京には数えきれないほどのタイやベトナム料理の店があるが、実は池袋駅周辺は特に名店が集まる、都内有数のエスニック激戦区だ。駅ナカで大人気のタイ屋台料理店に、タイ国政府から「本場の味を再現している」と正式認定を受けた店、2019年に上陸したばかりのベトナムフォーの老舗店、ハラル認定のマレーシア料理専門店など……。いずれも池袋駅から徒歩5分圏内なのも便利。ここでは、エスニック好きが気軽に足を運べる、七つの店を紹介する。

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ミシュランガイド星付き店の数はぶっちぎりの世界一(2位のパリの2倍以上)、星なしの店も含め、総じて飲食店のレベルが高い東京。中華、フレンチ、イタリアンをはじめ、急増中のタイ、ベトナムなどのアジアンエスニックまで都内では世界中のあらゆる料理が楽しめるが、ラテン系のレストランも頭角を表している。

ここで言うラテン系とは、タコスやブリトーがすぐ浮かぶメキシカンや、シュラスコが有名なブラジル料理、聞き慣れないが一度食べるとハマるキューバン(キューバ料理)、意外に日本人の好みと合うアルゼンチン料理まで広く含む。

ラテン系レストランはどこも、日本人がイメージする通りの陽気でゆるりとした空気に満ちており、店を訪れるだけで楽しさが込み上げてくる。スパイスの効いた独特の辛さや食感もいいが、一緒にマルガリータやモヒート、メスカル(メキシコの蒸留酒)、ピスコ(ペルーの蒸留酒)を合わせれば、さらにテンションが上がるだろう。

ラテン好きな人も初めての人も、この夏、東京で南米気分に浸ってみては。都内の人気店10軒を紹介する。

すり潰したヒヨコマメ(ソラマメを使う地域もある)にハーブやスパイスを加え、丸く成形して素揚げしたファラフェルは、地中海沿岸、中東諸国で幅広く愛されている定番フード。植物性の素材だけで作られているのに、非常に食後感が高く、前菜やおつまみとして、また一口大のファラフェル数個と、野菜、フムス、タヒーニ(ゴマソース)などの具材とともにピタパンで挟み、ファラフェルサンドイッチとして食されることも多い。

ここでは、東京都内でおいしいファラフェルが食べられる店を10軒紹介する。カリッと揚がったファラフェルは、ザクザクした表面の食感と中のふわっとした食感の対比が楽しいだけでなく、スパイスの香りがきっちりきいており、手頃でいてヘルシーなファストフード。お気に入りの一軒を見つけてみてほしい。

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