代々木上原の按田餃子(あんだぎょうざ)は優しさに溢れている。せっせと餡(あん)を包むスタッフたちは皆、店主の按田優子が海外で見つけてきたなんともゆるいデザインのエプロンを身につけている。これは、パジャマでもふらっと気軽に立ち寄れるような店にしたいという思いからだという。女性を綺麗にしたいと生まれたこの店の餃子は夜遅くに食べてももたれにくい水餃子。美容健康効果の高いはと麦を殻ごと練り込んだ皮はうっすら茶色がかり、端を留めて包むため、丸い花のようなフォルムがかわいらしい。ニンニクもニラも使用しない餡は4種類。鶏肉を使用した『白菜と生姜』『香菜と胡瓜』と、豚肉を使用した『大根と搾菜』、『カレー風味と人参』だ。パンチの効いたものとシンプルなもの、飽きのこないちょうど良いバランスだし、『水餃子定食』に付いてくる『豚そぼろ飯』や、控えめな味付けの海藻湯も良い。養命酒ならぬ『包命酒』や『白酒ハイボール』など、自家製のアルコールメニューも餃子と一緒にぜひ。
餃子は日本の国民食と言える。ホームパーティーの定番メニューでもあるし、餃子のチェーン店は至るところにあり、深夜でも食べられる。日本で餃子といえば、一般的に焼き餃子だが、餃子が生まれた中国では水餃子が主流、というのは比較的知られている話。ラーメン同様日本人が独自にアレンジを加えた餃子は、海外の観光客からも人気を集め、近年では国外に専門店ができるなど、日本の「GYOZA」は世界に広まりつつあるようだ。ここでは、そんな流行から生まれた変わり種餃子が食べられる店や、餃子の新しい楽しみ方を提案する5軒を紹介する。