中国東北地方の料理が人気の神田の名店味坊は、東京の羊肉料理を語る上でも欠かすことのできない存在だ。その姉妹店としてオープンした御徒町の羊香味坊(ヤンシャンアジボウ)では、店名の通り羊肉をメインに据え、少人数でも気軽に訪れられるよう小皿料理を数多く取り揃えている。店はシンプルながら現地の空気を感じさせてくれ、席に着く頃には胃袋も本場の味を待ち構えていることだろう。
本店ではラムショルダーの1種類のみの串焼きも、ここでは5種類用意されており、網脂で巻いたレバーやネックなど、あまり食べる機会のない部位も楽しめる。上質なラムを使用しているが、クミンが散らされて食べやすくなっているので、羊肉に苦手意識のある人への入門編としても最適だ。点心でラム肉の魅力をダイレクトに感じるならば、『羊香水餃(ラム肉とパクチーの水餃子)』が良いだろう。ラムの力強い味わいとパクチーの香りは厚めの自家製皮にしっかりと守られテーブルまで届けられる。しっかり味がついているのでそのままでも十分だが、点心メニューにはまろやかな黒酢が付くほか、薬味も1種類ずつ注文が可能。キノコの醤(ジャン)や落花生、トウガラシ、サンショウ醤油、そしてもちろんパクチー(香菜)など個性豊かな皿たちで串や点心に変化を加えればエンドレスに楽しめる。
本店同様、常連客を虜にするもう一つの理由は店内の冷蔵庫に並ぶ自然派ワイン。日本における自然派ワインブームの立役者である、六本木の祥瑞オーナー、勝山晋作の勧めで置くようになったワインは、その日おすすめのボトルが赤白各数十種揃い、価格もリーズナブル。好きなものを自分で冷蔵庫から選び楽しむことができる。ラムとワインのマリアージュは西洋料理だけのものでないことを思い知らされるだろう。
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