サラリーマンからアダルト業界に転身
ーアダルト業界に足を踏み入れたきっかけはなんでしょうか。
もともとプログラマーとしてサラリーマン生活を送りながら、夜はクラブダンサーなどの活動もしていました。あるアダルト業界に関わる人たちが集まるイベントに参加したとき、お客さんから『全日本クンニ選手権』という企画に誘っていただきました。軽い気持ちでその企画に参加してみたら、決勝戦まで進んでしまったんです(笑)。最終的に、風俗歴20年以上のレズビアン女性に負けてしまったものの、「日本一クンニがうまい男」としての称号をもらい、いろいろな人が食いついてくれました。
ーそこから人脈が広がっていった?
そうですね。それから『ぽこ×たて』という深夜番組で話題になった「絶対にイカない女vs絶対にイカせる電マ」企画の第2弾をFC2やYouTubeにアップするとのことで、出演の話をいただきました。当時サラリーマンとして働いていたのですが、脱ぐわけでもないし、これくらいならできるだろうと出演しました。
そこから当時は今ほどYouTubeの規制が厳しくなかったこともあり、アダルト系ユーチューバーとして活動を始めました。アダルトグッズを販売する会社にスポンサーになってもらい、『デンマ』をマイクに見立てた「デンマイク」を持ち、AV女優さんとアダルトトークする企画を半年以上続けていました。
AV男優、田渕正浩主催のイベント『セクアカナイト』(画像提供:にしくん)
ー実際にアダルト業界に精通する人たちと働いてみてどうでしたか?
世間と業界の認識のギャップに差があると感じました。とあるAV女優さんが、自分が好きでやっている仕事なのに、地元で身バレして悩んでいると話してくれたことを覚えています。そのとき、「アダルト業界」も「障害」と同じように、世間の目が生きづらさをつくっていることがあるのだと感じました。
僕は「障害者」になりたくてなっているわけではないけど、物心ついた頃から障害者であり、障害のある自分に慣れてきて、自分なりに対策やお願いする方法もわかっています。なので、周りが思っているほど障害は大したことではなく、そこまで同情されたくないと思うんですね。これってアダルト業界と似てるなと感じ、酔った勢いではありましたが、障害者とアダルト業界両方のイメージを変えていきたいという話をしましたね。