津田大介(つだ・だいすけ)
1973年、東京都生まれ。ジャーナリスト、メディア アクティビスト。早稲田大学文学学術院教授。ウェブメディア『ポリタス』編集長。メディアとジャーナリズム、著作権、コンテンツビジネス、表現の自由などをテーマに執筆活動を行う。主な著書に『情報戦争を生き抜く』『ウェブで政治を動かす!』(共に朝日新書)など。
タイムアウト東京 > Open Tokyo > インタビュー:津田大介
※2019年8月に取材
「情の時代」をテーマに、開催された国際芸術祭『あいちトリエンナーレ2019』。今年3月の記者会見では、参加アーティストの男女比を半々にする方針を打ち出し、大きな話題を呼んだ。主導したのは、同祭の芸術監督を務めるジャーナリストの津田大介。国内の芸術祭としては初となる「ジェンダー平等」を実現した理由を聞いた。
「アーティストの選定を進めていた昨年夏、選ばれた作家の男女比が男性6割、女性4割になっていることに気が付き、なんとなく違和感を覚えたんですね。そんなとき、耳を疑うような事件が起きた。東京医科大学で女性の受験者を一律減点していた不正入試問題です」
津田は、現代の日本でこのような女性差別が横行していることに衝撃を受けたという。一方、アート界に目を向けると、そこにも同様の構造的差別が存在していた。
「例えば、美術館の常設展示における作家の男女比や主要な国際芸術祭の男女比などを調べると、やはり男性が圧倒的多数なんです。だからこそ今回のトリエンナーレでは、アート界のみならず日本社会全体に変革を促す契機として、ジェンダー平等を強く発信すべきだと考えました」
その結果、同祭の参加アーティストは、全74組のうち男女混合グループなどを除いた63組の半数を超える32組が女性となった。男女比にこだわることには疑問の声もあったが、津田は「まずは数をそろえることが重要」と力を込める。
「決定権や発言権を持つ男女の数が同じになると、あきらかに場の雰囲気が変わります。だからこそ、まずは男性と同じテーブルに付き、男性と同じように意見を言う女性の数を増やす必要があると思うのです。数の上での男女平等を明確な態度として表明する意義はそこにあります。今回の取り組みが前例となり、社会全体にジェンダー平等が広がっていくことを期待しています」
津田大介(つだ・だいすけ)
1973年、東京都生まれ。ジャーナリスト、メディア アクティビスト。早稲田大学文学学術院教授。ウェブメディア『ポリタス』編集長。メディアとジャーナリズム、著作権、コンテンツビジネス、表現の自由などをテーマに執筆活動を行う。主な著書に『情報戦争を生き抜く』『ウェブで政治を動かす!』(共に朝日新書)など。
75日間の会期を終え『あいちトリエンナーレ 2019』が、10月14日に閉幕した。106あった企画のうちの『表現の不自由展・その後』を巡っての脅迫行為に端を発する一連の騒動については、もうすでに多くのメディアが報じているのでここでは詳述しない。いわゆる「炎上した」ためもあってか、来場者数は過去最高を記録したという。せっかく数多くの人が観覧した芸術祭、一過性の「バズ」にしてしまうことなく、魅力にあふれた展示作品について心ゆくまで語り合おう、というのが本稿のとりあえずの目的だ。
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