1. 七人の侍(1954年)
監督:黒澤明
日本映画、あるいは世界映画、いや、映画そのものの入門となる作品を探しているならば、この映画から始めてみてはどうだろう。黒澤明の数ある傑作の中でも最も優れたこの作品は、そのシンプルさゆえに、何世代にもわたる映画ファンにとっての「初めての映画」のひとつとして機能してきた。
舞台は、盗賊に包囲された日本の貧しい村。村人たちはなけなしの金を出し合って、村を守ってもらうために侍の寄せ集め集団を雇う。この基本的な設定から、黒澤は爽快、愉快、共感といった感情が次々と押し寄せる叙事詩を紡ぎ出した。
ハリウッドでは、「マグニフィセント・セブン」から「バグズ・ライフ」に至るまで、あらゆる作品で「七人の侍」のプロットが活用されてきた。207分という上映時間はとてつもなく長いと思うかもしれないが、そんなことはない。2時間半という時間が、これほどあっという間に過ぎていくのを感じたことはないはずだ。
ーMatt Singer