監督:山下敦弘
合唱部の部長を務める男子中学生と破天荒なヤクザが、「歌」を通して育む奇妙な絆を和山やまが独自のタッチで描き、「このマンガがすごい!2021 オンナ編」では第5位にランクインした傑作の実写版だ。
ヤバい匂いをプンプンさせつつもどこか艶のあるヤクザ・成田狂児を演じるのが綾野剛というキャスティングがすでに素晴らしいし、ナイーヴな男子中学生・岡聡実を演じる15歳の斉藤潤も期待大。とりわけ、クリシェとしての「エモ」に陥ることなく静かな感動をにじませる、オフビートの名匠・山下敦弘が監督を務めるのがマジでヤバい。
原作を幾度となく読み返した筆者としては、原作が持つオルタナティヴなBL感覚をどこまで映像化できるのか注目である。なお原作の続編である「ファミレス行こ。」も、相変わらずの傑作であったことを書き添えておく。
配給:KADOKAWA、1月12日公開