1. 全てが上質なイギリス演劇
ナショナル・シアター・ライブ
演劇の国ならではの良質な芝居をこれでもかと私たちに見せつけてくれるのが、英国ナショナル・シアターの舞台映像を配信する『ナショナル・シアターライブ』。日本にいながらにして、古典から新作まで幅広い演目を、ナショナル・シアターならではの優れた演出や俳優で観る喜びは何にも代えがたい。その2020年後半のラインアップが発表された。いずれも昨年上演されて話題を呼んだ舞台だ。
NTL 2019 Present Laughter
1作目は、戦前のイギリス演劇界で才人としてならした劇作家、俳優、作曲家のノエル・カワードが書いた『プレゼント・ラフター』。旅に出る日を目前にしたスター俳優ギャリーの身に起こるさまざまな出来事を通して、中年を迎えた男の心の内に迫るコメディーだ。1945年の初演時にはカワード自身が主演したギャリー役を演じるのは、ドラマ『SHERLOCK』のモリアーティ役などで日本でも知られるアンドリュー・スコット。今年度のローレンス・オリヴィエ賞でリバイバル賞、主演男優賞、助演女優賞にノミネートされた作品だけあり、演出も演技も見応え十分。本家イギリスのタイムアウトでも五つ星を付けられている。
NTL 2020 Cyrano de Bergerac
さらに年末には、大きな鼻にコンプレックスを持ちつつ従姉妹ロクサーヌを愛し続けた主人公シラノ・ド・ベルジュラックを『X-MEN』シリーズで知られるジェームズ・マカヴォイが演じるエドモン・ロスタン作『シラノ・ド・ベルジュラック』、年明けには共にローレンス・オリヴィエ賞を受賞している名優リンゼイ・ダンカンとアレックス・ジェニングスがサッチャー政権下のイギリスの政治家とその妻を演じるサイモン・ウッズ新作『ハンサード』を上映。
NTL 2019 Hansard
『プレゼントラフター』2020年10月9日(金)から
https://www.ntlive.jp/presentlaughter
『シラノ・ド・ベルジュラック』 2020年12月4日(金)から
https://www.ntlive.jp/cyrano
『ハンサード』2021年1月15日(金)から
https://www.ntlive.jp/hansard