Château Mercian Katsunuma Winery
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東京から日帰りで行くワイナリー&蒸留所

日本のウイスキーやワイン、日本酒をその場で味わい学ぶ

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日本酒やウイスキーのハイボールを居酒屋で浴びるように飲むのは手軽だが、そういうときは大概、酒のおいしさは味わっていない。しかし、そうした酒が造られる現場を訪れると、生産に使われているユニークな食材や製造プロセス、関係者の話、そして日本の歴史と文化についてもっと知ることができる。

首都圏から少し外れた山梨、静岡、千葉には、簡単にアクセスできる日帰り旅行に最適な多くの醸造所やワイナリー、蒸留所がある。それらの場所のほとんどでは無料の案内ツアーを実施しているのだ。 高品質の酒を作るための前提条件には、きれいな水と新鮮な空気が含まれているため、期せずして緑豊かな自然環境を訪れることにもなる。そうなると日帰りではなく、周囲のエリアも探索できるように、もう少し長く滞在したくなるかもしれない。

  • Things to do
  • 千葉

ブランデー蒸留所に転用された元薬草園は、東京を離れて楽しい一日を過ごせること請け合い。千葉県大多喜町にあるmitosayaは、クラウドファンディングキャンペーンの成功を背景に、オーナー兼酒造家の江口宏志が2018年に開発し、2019年夏に初の商品をリリース。

三つの建物と二つの温室で構成される広大な緑の隠れ家で、500点以上の薬用植物の標本を蔵する展示室もある。薬草の研究と教育センターとしての活動を行っていた前身から引き継いだ遺産だ。

ここでは、過去30年間にわたって1万6000平方メートルの農場で栽培されている約500種類のハーブ、ユズやカキなどの果物、野菜から厳選した原料を使用し、植物ブランデーを作っている。果物のブランデーのほかに、ハーブティー、化粧品、ハーブウォーター、ハーブベースの殺虫剤、サクラやシソ、シナモン風味のシロップも生産している。

mitosayaは不定期で一般公開される。オープンデ―は庭園を散歩したり、自然と触れ合ったり、光が降り注ぐリニューアルした温室に設置されたバーで食事をしたりと、さまざまな楽しみ方ができるだろう。

  • Things to do

勝沼に到着すると、日本にいながらにして、フランスの田園地帯にワープしたのではないかという錯覚に陥る。何しろ見渡す限りブドウ畑が広がっているのだ。勝沼には、12世紀以上に渡って栽培されてきた国産の甲州ブドウがあり、この地域の晴天、急激な気温の変化、肥沃(ひよく)な大地の特性を生かしている。しかし、この地におけるブドウ栽培が新たな役割を担うようになったのは、1880年代になってからのことだった。

シャトーメルシャンは、1877年に設立された日本で最初の民間ワイン会社である大日本山梨葡萄酒会社の歴史を継承している。ワイナリーでは、3,000円の勝沼ディスカバリーツアー(4種テイスティングで90分)と1万円の勝沼ワインメーカーズスペシャルツアー(6種テイスティングで100分)の二つのツアーを実施。

地下セラーやブドウ栽培などを見学できるほか、ワイン博物館や庭園も自由に探索可能だ。 100年以上の歴史を持つ美しい木造建築であるもともとの醸造所は、業界の発展の歴史を伝えるワイン博物館に改造されている。

ブドウ畑と周囲の庭園を見下ろす、床から天井までガラス張りのスタイリッシュなワインギャラリーは、テイスティング、食事、ショッピングを楽しめる場所。来訪に最適な時期は夏と秋で、豊かに実ったブドウが棚からぶら下がっている様子は見ものだ。

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  • Things to do

小さくもエレガントな勝沼ワイナリーは、1937年以来、この地域原産の甲州ブドウを使って3世代にわたりワインを製造。自社ブランドのアルガブランカは、ブリリャンテの辛口のスパークリングホワイトからドースの甘い白デザートワインまで、複数のワインブランドから構成されており、全て最古の木から収穫された甲州ブドウで造られている。

セラーは130年の歴史を持つ魅力的な商家を改築したもので、テイスティングルームには楽しい実践的な仕掛けも。カードを購入して、20種類以上のワインを試飲でき、料金は一杯あたり100〜300円。クレジットが足りなくなった場合は、チャージして試飲を続けることも可能だ。 テイスティングルームでは、木造のデッキやからブドウ畑を見下ろし、まるで一枚の絵のような美しい景色を愛でながらワインを堪能できる

また、4,950円のスタッフコース(所要時間2時間30分)と、直営レストランテ「風」食事付きコース(所要時間4時間30分)を開催する

  • Things to do
  • 福生

※当面の間、酒造見学を休止中

石川酒造の敷地内には、1800年代後半に建てられた魅力的な木造建築が点在し、まるで小さな村にいるような感覚に襲われる。そのうち6棟は有形文化財。建造物一つ一つは生茂る木々に囲まれた、石の小道でつながっており、春にはピンクに染まる桜、秋には燃えるような紅葉を楽しむことができる。

1863年に設立された歴史ある醸造所のガイド付きツアーは、酒蔵の外にぶら下がっている杉玉の下からスタート。杉の葉の巨大な球の装飾は、伝統的に醸造所につり下げられ、新酒のシーズンの始まりを示していることから教わる。

その後、100年以上の日本酒造りで、甘酸っぱい麹(こうじ)の匂いが周囲に染み込んだ醸造所の中へ。そこでは事前に渡された小冊子に従って、酒の製造過程が案内される。小冊子は持ち帰り可能で、メモを書き留めてもいい。日本酒の製造に用いられる発酵槽や、その他製造に欠かせない典型的な設備全てを一通り見学できる。

「クラフトビール飲み比べコース」や、蔵元ならではのランチが付いたコース、自分のペースで散策できるガイドなしの無料コースなど、四つのコースを用意(英語ツアーもあり)。ツアーの後は、店内を見て回ったり、敷地内にあるイタリアンや日本料理のレストランで食事をしたり、自由に時間を過ごせる。

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  • Things to do

富士山のふもとに位置するキリン富士御殿場蒸溜所は、1973年に最初の瓶詰めを開始し、今日ではモルトウイスキーとグレインウイスキーの両方を蒸留する世界でも数少ないウイスキー蒸留所の一つ。

ここで生産される全てのウイスキーは、壮大な山により50年以上かけてろ過された純水が使用されている。その結果、モルトとグレイン両方のウイスキーをミックスした「キリン富士山麓シグネチャーブレンド」は、クリーンな仕上がりとフルーティーでフローラルな香りに定評がある

凝った企画のツアーは、映像体験からスタート。キリンのウイスキー製造の歴史に関する興味深い10分間のドキュメンタリーがワイドスクリーンに投影される。

その後、蒸留の複数の段階を巡りながら説明を聞く。巨大な蒸留釜を見て、アロマブースを訪れ、それからウイスキーの熟成に使用されたバーボン樽に触れ、ラベリングと包装で商品が完成するプロセスを観察。最後は、ヨーロピアンスタイルのバーで「キリンシングルグレーンウイスキー 富士」と「キリンウイスキー 陸」をテイスティングして締めくくりだ。

隣接するギフトショップは、キリンウイスキーや関連商品、ヒップフラスクから、底に富士山がそびえるウイスキーグラスまで、土産探しに最適。また、晴れた日には展望台を見逃さないでほしい。見事な富士山を垣間見ることができるからだ。ツアーの所要時間は約80分で、20歳以上500円。原則日本語だが、英語の音声ガイドやパンフレットがあり、標識の多くはバイリンガルとなっている。

ブルワリーに行くなら……

※当面の間、ブルワリーツアーを休止中

ベアードブルーイングは、多くのブルワリーが使用するペレット(キューブ状のホップ)ではなく、摘み取って乾燥させただけのフラワーホップのみを使用した高品質な国産クラフトビールメーカーだ。原材料の良さを生かし最低限の加工のみしか施さないなど、そのこだわりは随所に及んでいる。

醸造所では、20種のタップが並んだテイスティングルームで出来たてのビールを緑豊かな景色を見渡しながら味わえるのが魅力。代表のブライアン・ベアードはその魅力を「ビール+自然=パラダイス」という簡単な方程式で説明している。

かんきつ系のホップが特徴的な『ライジングサンペールエール』やリッチなモルトとフルーティーさが同居した『レッドローズアンバーエール』、季節限定の『無礼講時間ストロング』など独特のラインナップを楽しんでほしい。

週末と祝日には12時、14時、16時から30〜45分間の見学ツアーを実施。特徴的な成分や技術、プロセスを学ぶことができる。

  • Things to do
  • 青梅

※当面の間、酒造見学の新規申し込みを休止中

300年以上の歴史を持つ澤乃井は、日本の国民的な酒の文化や製造過程を知ることができる酒蔵。新宿駅から電車で約1時間半、緑豊かな東京都奥多摩地域に位置する蔵は、多摩川を見下ろす広い庭園と露天エリアがあり、のどかな自然を眺めながら、丼物や日本酒の試飲セットを楽しむことができる。

酒造見学は、なんと無料。蔵内を巡りながら、酒ができるまでの工程を知ることができるほか、ツアーの最後には「きき酒」を用意している(英語ツアーもあり)。

東京で飲むなら……

  • パブ
東京、ブルワリーパブ10選
東京、ブルワリーパブ10選

 ビール愛好家の終着点ともいえるブルワリーパブとは、ビールの醸造と提供を同じ場所で行っているパブのこと。品質の劣化が最小限に抑えられたフレッシュなビールを楽しめるのだ。店の醸造のローテーション次第で、オリジナルビールが登場したり、エールやピルスナー、スタウトなど、さまざまなタップメニューを味わえたりする。味だけでなく、むき出しの醸造タンクが堂々と鎮座する重厚な光景も醍醐味(だいごみ)だ。

ここでは、年々軒数が増えつつあるブルワリーパブを、都内と東京近郊からセレクトして紹介。知れば知るほど深みにはまる、ディープなビアワールドに案内する。

  • ビールバー
Text by ジェイムズ・ハッドフィールド、Time Out Tokyo Editers

普通のビールにはちょっと飽きてしまったというようなビールラバーが足を運ぶ、最も熱い店を調査した。せっかくビールで喉を潤すのなら、クラフトビールを試してみよう。クラフトビールとは、大ざっぱに言ってしまえばフレッシュな味わいが特徴の地ビールで、醸造所、銘柄ごとに風味が異なる。特に非加熱処理のものは、提供する店側の温度・品質管理に注意が必要で、おいしく飲むためには、おいしくサーブする店を選ぶのが肝。最近クラフトビールにはまった人も、新しい店を探しているクラフトビールオタクも、まずこの22店を押さえていれば間違いはないだろう。

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