雨宮庸介展|まだ溶けてないほうのワタリウム美術館
Apple, 2023 年 林檎材に油絵具
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東京、12月に行くべきアート展5選

坂本龍一の個展や雨宮庸介の最新VR作品、小西真奈の風景画まで

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2024年12月に東京で行くべきアート展を厳選して紹介しよう。「東京都現代美術館」での坂本龍一の最大規模の個展のほか、「ワタリウム美術館」の最新VR作品を中心とした雨宮庸介による個展人々の願いが込められた美術にフォーカスする「HAPPYな日本美術 ―伊藤若冲から横山大観、川端龍子へ―」など、個性あふれるアート展をセレクトした。それぞれの作品世界を楽しんでほしい。

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  • アート
  • 清澄

「東京都現代美術館」で、坂本龍一(1952〜2023年)の大型インスタレーション作品を包括的に紹介する、最大規模の個展「坂本龍一 | 音を視る 時を聴く」が開催。先駆的・実験的な創作活動の軌跡をたどる。

50年以上にわたり多彩な表現活動をしてきた坂本は、1990年代からマルチメディアを駆使したライブパフォーマンスを展開させた。2000年代以降は、高谷史郎やアピチャッポン・ウィーラセタクン(Apichatpong Weerasethakul)などさまざまなアーティストと協働し、音を展示空間に立体的に設置する試みを積極的に実践してきた。

本展では、生前坂本が同館のために遺した展覧会構想を軸に、音と時間をテーマとする未発表の新作とこれまでの代表作から成る没入型・体感型サウンドインスタレーション作品10点余りを、美術館屋内外の空間にダイナミックに展開する。

坂本の「音を視る、時を聴く」ことは、鑑賞者の目と耳を開きながら、心を揺さぶり、従来の音楽鑑賞や美術鑑賞とは異なる体験を生み出すだろう。なお、2025年2月1日(土)・ 2日(日)は、中学・高校生、専門学校生、大学生の入場が無料だ。

  • アート
  • 原宿

「ワタリウム美術館」で、東京の美術館で初となる雨宮庸介による個展が開催。同館を舞台に制作された最新VR作品を中心とし、25年前の最初期の作品を含め、代表作を一堂に体験できる。

最新作映像を体験できるVR作品では、VRのヘッドマウントディスプレイ(HMD)をかぶって体験する。雨宮は、通常「ここではないどこか」へ行くためのHMDをあえて、「どこかではないここ」に再注目させるためのデバイスとして定義し直す。予定されている場面は、雨宮が話す・語りかける、窓ガラスに図説やイメージを絵の具で描く、歌や楽器やダンス的要素、エキストラ出演シーンなどだ。

また、毎週土曜日の17〜18時には、雨宮による「人生最終作のための公開練習」が行われる。雨宮のVR作品の総決算である本展を見逃さないでほしい。

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  • アート
  • 葉山

「神奈川県立近代美術館 葉山」で、インドネシアと日本を往復しながら活動するアーティスト・栗林隆の大規模個展が開催。葉山の自然の中で、普段展覧会では使わない空間を活用し、新作インスタレーションを発表する。また、未発表のドローイングや映像作品を通して、これまでの30年近くに及ぶ栗林の思考をたどる。

ドイツで5年ごとに開催される現代アートの国際美術展「ドクメンタ15」(2022年)や、「六本木アートナイト2023」のメインプログラム・アーティストに選ばれた栗林。活動開始から一貫して「境界」をテーマに、多様なメディアを用いて身体的体験を観客に促す作品を国内外で発表してきた。

作品は、自然と人間の関わりに対する深い関心から生まれる。薬草による蒸気で満たされた原子炉の形を模した構造物の中で過ごす『元気炉』シリーズ(2020年)などは、体験者の認識を揺るがすような刺激に満ちている。

今最も注目されているアーティストが、屋外のさまざまな空間で展開するかつてない機会。ぜひ、足を運んでほしい。

  • アート
  • 広尾

「山種美術館」で、長寿や子宝、富や繁栄など、人々の願いが込められた美術に焦点を当てた特別展「HAPPYな日本美術 ―伊藤若冲から横山大観、川端龍子へ―」が開催。古墳時代から近代・現代まで、幅広いテーマの「HAPPY感」にあふれた日本美術を展示する。

会場では、七福神と唐子の生き生きとした表情が楽しい狩野常信の『七福神図』や、富士山の堂々たる姿を描いた横山大観の『心神』など、吉祥画題の優品が並ぶ。

また、狩猟の成功を象徴するような『埴輪(猪を抱える猟師)』(個人蔵)、極楽浄土に住むという鳥『迦陵頻伽像』(個人蔵)など、貴重なはにわや迦陵頻伽(かりょうびんが)も登場。伊藤若冲による素朴で愛らしい風情の『伏見人形図』や、カエルの表情がユーモラスな柴田是真の『墨林筆哥』など、思わず笑みがこぼれる作品にも注目だ。

おめでたい作品が大集合の本展を見れば、心がハッピーになるだろう。

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  • アート
  • 府中

「府中市美術館」で、現代の日本において、風景画の可能性を広げている一人である小西真奈の個展が開催。美術館での初の大規模個展となる本展では、2000年代の代表作を精選し、近作と新作を含めた絵画約100点たっぷりと展示する。

アメリカ東海岸の美術大学で学んだ小西は、2006年に若手作家の登竜門である「VOCA賞」を受賞。雄大な景観を大画面に収め、隈までしっかりと描きこんだ理知的な絵画は、広く人気を得た。感情を抑えた描写は写真にも似てどこか懐かしさを感じさせ、穏やかに人々の記憶に語りかける。 


コロナ禍での小西は、公園や温室、小川の風景を描いた。対象との距離は縮まり、筆運びは即興的でおおらかになり、色は感覚的に選ばれる。鑑賞者の緊張を解くような、軽やかさと優しさが魅力だ。


どこででもあり、どこででもない場所を描いた小西の風景画をじっくりと堪能してほしい。

12月の予定を立てるなら・・・

  • 音楽

クリスマスの足音が聞こえてくる季節に突入した。12月の東京では、心温まるコンサートが各地で開催される。この時期ならではの音楽が、特別な思い出を作るきっかけになるはずだ。

ここでは、サントリーホールでのフルオーケストラによる演奏や、青山学院大学内にあるチャペルでのハンドベルコンサート、東京のクリスマスパーティーの代名詞でもあるあのクラブイベントまでを紹介。

今年のホリデーシーズンは、音楽で心を満たしてみてはどうだろうか。

  • Things to do

12月は、大規模なマーケットイベントが目白押しだ。東京都の無形民俗文化財に指定されている伝統的な「世田谷のボロ市」や、作家自身が自作の文学作品を手売りする「文学フリマ」など、毎年注目を集めるイベントが多数開催される。

今回は、寒さが本格化するこの季節にぴったりな屋内開催のイベントを中心に、5つ厳選して紹介する。

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  • Things to do

冬は、イルミネーションの輝きが街を盛り上げる。中でも存在感のあるツリーは、クリスマスの気分を盛り上げるだろう。

本記事では、なじみのある伝統的なツリーから新たな施設のものまで、東京近郊のベストなクリスマスツリーを紹介。ほとんどのツリーは2024年12月25日(水)まで楽しめる。ぜひ訪れてみてほしい。

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