今津景 タナ・アイル
《RIB》2021 油彩、キャンバス 200×300 cm フィンク・コレクション  courtesy of The Artist and ANOMALY
《RIB》2021 油彩、キャンバス 200×300 cm フィンク・コレクション  courtesy of The Artist and ANOMALY

東京、2025年注目のアート展13選

デザイン・建築・日本美術・AIと、来年観るべきアート情報

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2025年に東京都内で開催される注目のアート展を特集。「東京オペラシティ アートギャラリー」の今津景の大規模個展、「森アーツセンターギャラリー」の古代エジプト展、「東京都美術館」でのミロ展、「TOKYO NODE」でのデザインを体感する「デザインあ展neo」、「森美術館」での藤本壮介の建築展など、さまざまなジャンルから厳選してセレクトした。

この記事を参考に、2025年の行きたいものリストを充実させてほしい。

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  • アート
  • 清澄

「東京都現代美術館」で、坂本龍一(1952〜2023年)の大型インスタレーション作品を包括的に紹介する、最大規模の個展「坂本龍一 | 音を視る 時を聴く」が開催。先駆的・実験的な創作活動の軌跡をたどる。

50年以上にわたり多彩な表現活動をしてきた坂本は、1990年代からマルチメディアを駆使したライブパフォーマンスを展開させた。2000年代以降は、高谷史郎やアピチャッポン・ウィーラセタクン(Apichatpong Weerasethakul)などさまざまなアーティストと協働し、音を展示空間に立体的に設置する試みを積極的に実践してきた。

本展では、生前坂本が同館のために遺した展覧会構想を軸に、音と時間をテーマとする未発表の新作とこれまでの代表作から成る没入型・体感型サウンドインスタレーション作品10点余りを、美術館屋内外の空間にダイナミックに展開する。

坂本の「音を視る、時を聴く」ことは、鑑賞者の目と耳を開きながら、心を揺さぶり、従来の音楽鑑賞や美術鑑賞とは異なる体験を生み出すだろう。なお、2025年2月1日(土)・ 2日(日)は、中学・高校生、専門学校生、大学生の入場が無料だ。

  • アート
  • 原宿

「太田記念美術館」で、「江戸メシ」展が開催。葛飾北斎や歌川広重、歌川国芳といった人気絵師たちをはじめとする約90点の浮世絵を通して、現代の食文化にもつながっている「江戸メシ」の魅力を紹介する。

江戸時代は日本において食文化が大きく発展した時代だ。現代でも人気の高い和食である寿司、そば、天ぷらのルーツは江戸時代にあり、庶民たちが手軽に楽しむことのできるファストフードとして人気が広がった。また、江戸っ子たちは家で料理をすることはもちろん、近所の店で総菜を買ったり、屋台で気軽に食事を楽しんだり、立派な料亭で宴会をしていたりもしていた。

庶民たちの暮らしを題材とする浮世絵では、さまざまな料理や食材、あるいは食事の様子などが数多く描かれている。北斎、広重、国芳の有名な代表作とは一味異なる、多彩な江戸メシの描き方を垣間見ては。 

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  • アート
  • 初台

「東京オペラシティ アートギャラリー」で、近年国内外で注目を浴びる今津景の大規模個展が開催。拠点にするインドネシアと日本という2つの土地での経験と思考に基づく絵画、新作インスタレーション、骨格標本や土器などの巨大な彫刻を展示する。

今津は、メディアから採取した画像を加工・構成し、その下図を元にキャンバスに油彩で描く手法で作品を制作する。インドネシアに移住してからは、その土地で経験したさまざまな事柄、都市開発や環境問題に関するイメージが画面に配置されている。同時に、インドネシアの歴史や神話、生態系など複数の時間軸を重ね合わせ、より普遍性を持つ作品へと発展させている。

環境問題、神話、歴史、政治といった要素が同一平面上に並置される絵画は、膨大なイメージや情報が彼女の身体を通過することで生み出されるダイナミックな表現だ。唯一無二の今津の作品世界を堪能してほしい。

  • アート
  • 六本木

六本木の「森アーツセンターギャラリー」で、「ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト」が開催。米国最大規模の質の高い古代エジプト美術コレクションから、えりすぐりの名品群が集結する。

彫刻、棺、宝飾品、土器、パピルス、そして人間のミイラ2体やネコのミイラなど約150点の遺物を通じて、高度な文化を創出した人々の営みを解明する。当時の住居環境や仕事事情、出産や子育てなどにも着目し、身近な謎を掘り起こす。

また、美しい副葬品や神々の姿を表したレリーフなどの葬送儀礼に関する作品を紹介し、古代エジプト人の死生観に迫る。さらに、いま注目を集める気鋭のエジプト考古学者・河江肖剰(かわえ・ゆきのり)による最新研究を元に、巨大ピラミッドの建築方法や建てられた当初の姿も解き明かしていく。

知への好奇心を呼び覚ます空間、謎に満ちた古代エジプトの世界を探求しよう。なお、前売券は2025年1月24日(金)23時59分まで販売する。

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  • アート
  • 六本木

「森美術館」で、「マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート」展が開催。ゲームエンジン、人工知能(AI)、仮想現実(VR)、さらには人間の創造性を超え得る生成AIなどのテクノロジーを採用した現代アートを紹介する。

本展では、現代アートにとどまらず、デザイン、ゲーム、AI研究などの領域で高く評価されるアーティストとクリエーター12組による作品が集結。生物学、地質学、哲学、音楽、ダンス、プログラミングなどの領域とのコラボレーションを通して制作した作品群を通して、最新のテクノロジーと現代アートの関係性を体験できる。

また、平面作品や立体作品、インスタレーションなどのリアルに実在する作品も多く展示されることで、デジタル空間と現実空間を往来する。さらに、参加型のインタラクティブな作品や、鑑賞者同士で実際にプレイすることができる「インディー・ゲーム・コーナー」も登場予定だ。

現実と仮想空間が重なり合う空間で、人類とテクノロジーの関係を考えてみては。

  • アート
  • 上野

「東京都美術館」で、20世紀を代表する巨匠、ジョアン・ミロ(Joan Miró、1893〜1983年)の大回顧展が開催。初期から晩年までの各時代を彩る絵画や陶芸、彫刻により、90歳まで新しい表現へ挑戦し続けたミロの芸術を包括的に紹介する。

太陽や星、月など自然の中にある形を象徴的な記号に変えて描いた、詩情あふれる独特な画風が特徴のミロ。作品には、潜在意識や子どものような精神、そして故郷への愛着が反映され、明るく楽しげな画面が多くの人を引きつける。それだけではなく、周囲の政治的・社会的状況への強い感受性と反骨精神が創作の原動力にもなっており、ミロは特定の運動に属することのない純粋で普遍的な芸術を追求し続けた。

ミロの代表作に挙げられるのが、戦火を逃れながら、夜や音楽、星を着想源にして全23点が描かれた『星座』シリーズだ。現在、シリーズの各作品は世界中にちらばっており、本展ではそのうちの3点をまとめて観られる貴重な機会となる。

ミロの大規模な個展が日本で開催されるのは、画家が存命中の1966年に開催されて以来。世界中から集結する傑作の数々を通して、ミロの芸術の神髄を体感してほしい。

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  • 神谷町

「麻布台ヒルズギャラリー」で、ニューヨークを拠点にグローバルな活躍を見せるアーティスト、松山智一の東京で初となる大規模個展が開催。20年以上にわたりニューヨークで活動し、いまや世界が注目する次世代のアーティストの一人となった松山の大規模作品15点を含む、近年の作品群約40点が展示される。

ブルックリン在住の松山は、絵画を中心に、彫刻やインスタレーションを制作。アジアとヨーロッパ、古代と現代、具象と抽象といった両極の要素を有機的に結びつけて再構築し、異文化間での自身の経験や情報化の中で移ろう現代社会の姿を反映した作品を発表している。

絵画から放たれるまばゆいばかりの色彩は、松山作品の最大の特徴の一つだ。世界を彩る多様な文化、伝統、宗教、そして歴史的なものや現代的なもの、さらにはハイカルチャーから日常品といった要素が、無数の色で描かれている。

迫力ある色彩と壮大なスケールの絵画や巨大な立体などを通して、そこだけに広がる松山の作品世界に浸ってほしい。

  • アート
  • 上野

「東京藝術大学大学美術館」で、「相国寺展金閣・銀閣 鳳凰がみつめた美の歴史」が開催。室町から現代に至るまで相国寺文化圏が生み出してきた美の歴史を、名品にまつわる物語とともにひもとく。 

相国寺は、京都の御所の北側にその大寺の姿を誇り、金閣寺、銀閣寺の通称で名高い鹿苑寺、慈照寺を擁する臨済宗相国寺派の大本山だ。創建から640年余りの歴史を持つ相国寺は、時代を通じ、如拙(じょせつ)、周文、雪舟、狩野探幽、伊藤若冲、原在中、円山応挙などの芸術家を育て、名作の誕生を導いてきた。

本展では、国宝・重要文化財40点以上を含む相国寺派の名品の数々が登場。また、若冲が鹿苑寺の大書院に描いた障壁画を中心に、相国寺派に伝わる若冲の作品群も見逃せない。さらに、天目茶碗(ちゃわん)の名品など、近年収蔵の華やかなコレクションも並ぶ。 

相国寺の美の世界をのぞいてほしい。

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  • 丸の内

「東京ステーションギャラリー」で、フィンランドのモダンデザイン界で圧倒的な存在感を放つタピオ・ヴィルカラ(Tapio Wirkkala、1915〜1985年)を紹介する日本初の大規模個展が開催。プロダクト、ガラスや木による彫刻、写真など約300点が集結する本展は、プロダクトデザイナーとして、また彫刻家・造形作家としてのヴィルカラの本質に迫る。

1940年代後半から1950年代にかけ、イッタラ社のデザインコンペの優勝や「ミラノ・トリエンナーレ」の3度の入賞によって、一気に脚光を浴びたヴィルカラ。フィンランド最北の地域であるラップランドの静寂を愛し、自然に宿る生命力と躍動にインスピレーションを受けた。

その活動は、「ウルティマ・ツーレ」(「世界の果て」の意)をはじめとするガラスの名品や、陶磁器、カトラリー、家具などのプロダクト、木のオブジェ、さらにはランドスケープアートまでと広範囲にわたる。

ヴィルカラの世界に浸れる貴重な機会を見逃さないでほしい。

  • アート
  • 虎ノ門

虎ノ門ヒルズの「トウキョウ ノード(TOKYO NODE)」で、デザインを体感する展覧会「デザインあ展neo」が開催。デザインについてさまざまな思考・発見を楽しんでもらう展示を行う。

「デザインあ展neo」は、NHKの「Eテレ」で放送中の番組「デザインあneo」のコンセプトを、体験の場へと広げた展覧会だ。「みる(観察)」「かんがえる(考察)」「つくる・あそぶ(体験)」のステップでデザインを体感していく作品や、360度のスクリーンに囲まれて映像と音楽を身体で感じる作品などが展開する。

また、約35点の新作が公開され、番組でおなじみのコーナーも登場。さらに、会場の特徴的なギャラリー空間を生かした展示も構成される。

チケット料金や開催時間などの詳細は、2025年1月下旬から順次特設サイトで発表予定だ。見逃さないように。

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  • 六本木

「森美術館」で、「藤本壮介展」が開催。「2025年大阪・関西万博」の会場デザインプロデューサーを担当するなど、今最も注目される日本の建築家の一人である藤本壮介の初の回顧展だ。

藤本は東京とパリ、深圳に設計事務所を構え、個人住宅から大学、商業施設、ホテル、複合施設まで、世界各地でさまざまプロジェクトを展開している。2010年の「武蔵野美術大学美術館・図書館」、近年ではフランス・モンペリエの集合住宅「ラルブル・ブラン(白い樹)」やブダペストの音楽複合施設「ハンガリー音楽の家」など、高い評価を得たプロジェクトを次々と完成させた。

本展では、活動初期から世界各地で現在進行中のプロジェクトまで主要作品を多数紹介し、四半世紀にわたる建築家としての歩みや建築的特徴、思想を概観する。また、模型や設計図面、記録写真に加えて原寸大模型やインスタレーションなども展示される。

藤本建築のエッセンスを視覚的にも空間的にも体験してほしい。

  • アート
  • 清澄

「東京都現代美術館」で、ニューヨークを拠点に活動するアーティスト、笹本晃(ささもと・あき)の個展が開催される。自ら設計・構成した彫刻や装置をインスタレーション空間に配置し、それらをスコアのように用いて即興的なパフォーマンスを展開する作品で知られる、笹本のミッドキャリアを回顧する。

笹本は10代で単身渡英し、その後アメリカに移住。現在はイェール大学芸術大学院彫刻専攻で教壇に立ち、専攻長を務める美術とパフォーミングアーツの領域を往還しながら、音楽家・振付家・科学者・研究者らとのコラボレーションも行い、パフォーマー・彫刻家・演出家といった複数の役割をこなしている。

会場では、私小説的な語りをユーモラスに絡めながら深遠な問いを投げかける初期の代表作から、キネティックな要素が強まる最新作までを展示。20年にわたり造形とパフォーマンスの関係を探究し、独自の実践を重ねてきた異才とその作品を目撃してほしい。

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  • 丸の内

「三菱一号館美術館」で、「アール・デコとモード 京都服飾文化研究財団(KCI)コレクションを中心に」が開催。えりすぐりの服飾作品約60点に、国内外の美術館所蔵の絵画・版画・工芸品などを加えて展示する。

1920年代に世界を席巻した装飾様式「アール・デコ」。生活デザイン全般におよんだその様式は、「モード」すなわち流行の服飾にも現れた。パリ屈指のメゾンが生み出すドレスには、アール・デコ特有の幾何学的で直線的なデザインや細やかな装飾がちりばめられ、それは活動的で自由な女性たちが好む新しく現代的なスタイルであった。

現代にも影響を与え続ける、100年前のモードの世界を堪能してほしい。

2025年といえば……

  • アート
  • アート

観光地として国内外に広く知られているお台場で、2025年秋に新たな国際芸術祭「東京お台場トリエンナーレ2025」が誕生。国内外の現代アートを中心とする同芸術祭は、2025年10月18日(土)から12月25日(木)に開催予定だ。美しいウォーターフロントを舞台に、野生的なインスタレーションや歴史的なものを取り込んだ現代アートが点在する。

 

  • トラベル
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昨今、旅行のスタイルは持続可能性への配慮、個人の予算、新たなTikTokトレンドなどの影響を受けて、常に変化している。毎年、旅行シーンではいくつかの旅の習慣やこだわりが大きなトレンドとして浮上。消費者にとっても、それらを押さえておくことは、次の大きな旅を計画する上でも有益だといえるだろう。

ユーロニュースが2025年の旅行シーンを見据え、観光データやニュースソース、旅行専門家との対話をもとに、来年の旅行行動を主導するであろうトレンドをまとめた。

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2024年の旅行業界でも、「オーバーツーリズム」は引き続きホットな話題だった。今年も世界各地の観光地が、来訪者の増加による悪影響を抑えようと、短期滞在の禁止や新たな観光税を導入を試みた。

そうした努力にもかかわらず、悪化の一途をたどっている場所は少なくない。では、今オーバーツーリズムに直面しているのはどこなのだろうか。

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