コーヒー派か、紅茶派か。この派閥論争は国境を越えて繰り広げられているが、日本にはもうひとつ「日本茶/緑茶」という確立したカテゴリーがある。茶葉の種類だけでなく、栽培方法や収穫時期、使用部分から焙煎法まで、製法を変えることによって様々な風味を楽しめる緑茶は、日本人の知恵と技術の結晶だ。飲めばなんだか落ち着く感覚は、日本人だけでなく外国人にも通じることは、最近の緑茶ブームが物語っている。ここでは一杯一杯、プロが丁寧に淹れてくれる緑茶、抹茶を楽しめるヴェニューを紹介する。
西荻窪駅北口から徒歩3分ほどのところにある茶屋。店内には、国内で採れた煎茶をはじめ、中国茶や台湾茶、日本や中国の紅茶、プーアル茶、ジャスミン茶など、袋に詰められた100種類以上の茶葉や数々の茶器が無造作に、しかし絶妙のバランスで積み重ねられている。店内には喫茶スペースも設けられており、その場で淹れてもらった煎茶を楽しむことも可能。また、ドリンクのメニューは特別設けられておらず、「どんなものが飲みたいの」という問いの答えに沿った日本茶を提供してくれるのが特徴だ。
伝統的な和菓子を新しいスタイルで提案する和菓子屋。併設の茶房では煎茶や抹茶、玉露など、栽培方法や製造方法の異なる数十種類の日本茶をはじめ、季節のハーブや果実を使ったオリジナルブレントティーも楽しめる。食事メニューもあり、玉露、番茶、抹茶といった代表的な日本茶と料理を合わせ、それぞれのお茶がもつ特徴を活かした会席『茶食会(さじきえ)』はおすすめ。現代的な和の空間は落ち着きがあって、つい長居してしまう心地よさだ。
三鷹の森ジブリ美術館近くのUNI STANDで店主を務めていた「茶リスタ」の小山和裕と、ブルーボトルコーヒーの元バリスタ、藤岡響が手がける日本茶スタンド。シングルオリジンの茶葉を使った日本茶や抹茶、ほうじ茶、コーヒーなどを提供する。
豪徳寺近くにある和菓子店。一番人気の青豆大福や、季節によって変わる上生菓子、ようかん、どら焼き、赤飯などを販売する。店内にはイートインスペースもあり、和菓子を抹茶やほうじ茶と一緒に楽しむこともできる。街の散策の合間に、ほっと一息つける1軒だ。
京都の老舗茶屋で修業した主人が営む日本茶専門店。イートインスペースもあり、『自家焙煎かりがね焙じ茶』をはじめ、自慢の茶が味わえる。さらに『抹茶白玉あんみつパフェ』など、茶の旨味を堪能できる甘味も充実している。
オーナーの櫻井真也が茶房で櫻井が茶房で一杯一杯、丁寧に向き合いながら提供する茶の体験は、ほかでは味わえないほど本格的かつ斬新で、洗練され尽くしたひとときだ。奥の座席では、自分で選んだ茶を楽しめ、各種400円で試飲できるが、櫻井の茶の世界をフルで体験したい場合は「5種の茶の試飲会」(4,800円) を頼もう。 茶を煎じたラムとウォッカのオリジナルレシピも開発しているので、新しい茶の境地を垣間みたい人は挑戦してみてほしい。
抹茶と甘味が楽しめる茶房・ギャラリー。建物は1954年に作られた茶室を利用したもので、庭を眺めながらのんびりとした時間が過ごせる(休日は混み合っている)。建物内には、屏風や蒔絵(まきえ)などの骨董品と民芸が飾られている。茶房の設立者がちりめんや古布を使ってオリジナルの人形を造る作家で、ギャラリーではその作品も眺めることができる。日本の花嫁衣装や着物をまとった人形などは、和の空間に溶け込み情緒たっぷり。
丸ノ内仲通りに面する日本茶専門店。抹茶、玉露、煎茶などを扱っており、試飲をしながらじっくりと選ぶことができる。会議やイベントの際には、2リットルのポットに淹れたての日本茶を入れてくれる『ポットサービス』(2,700円)もオススメ。喫茶コーナーでは、京都から取り寄せた和菓子と共に自分自身で日本茶を淹れ、時間や温度で変化する味を楽しむ。買ったり味わうだけでなく、店舗内の『ルーム100』では、淹れ方教室やイベントを開き、学びの場も提供している。
華やかな表参道地区のメインストリートの裏にある、古民家をリノベーションした新しいスタイルの商業施設。中に入るとどこか懐かしく落ち着いた雰囲気がある。茶の老舗宇治園や、神楽坂にある人気の香の店Juttoku.など「日本文化の体験」をコンセプトに様々な店が入居している。
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