フェルメンコ
Photo:Kisa Toyoshimaフェルメンコ
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下田でしかできない21のこと

定番から近年オープンした注目店など、ユニークな歴史をもつ町をガイド

Mari Hiratsuka
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ペリーの来航から現代に至るまでユニークな歴史をもつ町、下田。1970年代には、ヒッピー的な暮らしを求めて移住する人も多かったという。そんな時代ごとのスピリットを引き継いだ店や、近年では東京からの移住者がオープンさせた店などが増加しており、今、下田がアツい。

特集では、定番スポットはもちろん、街のタクシー運転手やバー店主に聞いた地元の人が通う隠れた名店やレジェンド店、そして近年オープンしたばかりの新店など、ガイドブックではまだ見つけられないディープに満喫できるスポットを紹介する。

※2022年9月に作成、基本情報を確認してアップデート

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2400年以上もの歴史をもつ伊豆最古の神社。境内には樹齢2000年超えの巨大な御神木や、枯れてからおよそ1300年が経つという御神木もあり、神秘的な生命のパワーを感じられる。神社裏側の巨岩からは白浜海岸が見渡せ、鳥居と青い海とのコントラストが美しい絶景スポットだ。

静岡県下田市白浜2740、0558-22-1183

黒船で来航したペリー提督一行が、「下田条約」締結の際に、了仙寺に向かって歩いた約700メートルの道。日本伝統の壁塗りの様式で、下田名物でもある「なまこ壁」の家が多くある通りで、洒落たカフェや雑貨店が建ち並ぶ。石畳によって、異国情緒も漂う。ゆったりと散策したいエリアだ。

静岡県下田市3丁目周辺

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竜宮窟

自然が生み出したパワースポット竜宮窟。波の浸食により、海岸の崖が削られたことで生まれた洞くつだ。この洞窟を見下ろすと、ハート型に見えることから、カップルが訪れる名所となっている。隣には、強い風によって吹き寄せられた砂が積みあがってできた「田牛サンドスキー場」がある。スキー場という名の通り、約30度の斜面をソリで滑り下りて楽しめる(有料でソリの貸し出しもしている)。

静岡県下田市田牛

海上に浮かぶ浮遊円形水族館。イルカやアシカショー、伊豆の海を模した大水槽内で行われる給餌ショーなどを楽しむ事ができる。「ふれあいの海」では、イルカと一緒に泳いだりする体験もできる。

静岡県下田市3-22-31、0558-22-3567、9時00分〜16時30分

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なんと言っても海

下田には代表的な9つのビーチがある。南に行けば行くほど、その美しさは増して行く。人気が高く一番気軽に行ける白浜大浜のほか、外国人客が多く、近年洒落た店が近隣にオープンしている吉佐美大浜サーフィンの全国大会も行われ、サーフィン好きが集まる多々戸浜。そして、下田の一番南にあり、混雑度が少ない穴場でもある田牛海水浴場などがある。

喫茶店文化が根付く下田だが、その中でも特に有名なのが1966(昭和41)年にオープンした「邪宗門」。建物自体は江戸末期に建てられたもので、店内には地元の人が持ち寄った骨董(こっとう)品がいくつも飾られている。落ち着いた空間には江戸と大正、昭和のものが配置され、不思議な時代にタイムスリップした気分が味わえる。

名物メニューは、炭酸の利いた紅茶にたっぷりのバニラアイスがトッピングされた「ティーパフェ」(700円)。このほかにも和紙で淹れる「邪宗門マイルドコーヒー」(550円)など、作る過程にもこだわりをもったおいしいコーヒーが楽しめる。

店名からピンときた人もいるかもしれないが、邪宗門は東京(荻窪と世田谷)にも店がある。チェーン店ではなく、コーヒーと北原白秋、マジック好きという共通の趣味を持った仲間が同じ名前で各地に店を開いたのだという。

静岡県下田市1-11-19、0558-22-3582、11時00分~16時00分(定休日は水・木曜)

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下田駅前に建つフロント(普論洞)は、伊豆急下田駅開通とともに開業し、なまこ壁で造られた時計台が目印。中にはショップとレストランカフェがある。

ショップでは下田や伊豆の身体に優しいオーガニックな土産を多く取り揃えているのが特徴。30年以上無肥料と無農薬で育てた「究極の紅茶」(リーフ1,100円、ティーバッグ648円)や、モチモチとした食感が特徴のスイーツ「下田ミルクもち」(185円)などが人気が高い商品だ。

静岡県下田市東本郷1-5-2、0558-22-1256、9時00分~17時00分

さいかや菓子店

150年の歴史をもつ、昔なつかしい雰囲気の菓子店。かわいらしい動物などさまざまな形をしたクッキーや焼き菓子、今では珍しい手作りの飴などが並ぶ。看板商品は、キューピー型のクッキー(2枚入り140円)だ。カバンに入れて持ち歩くと割れてしまうので、その場で写真に収めるのがおすすめだ。

静岡県下田市2-1-27、0558-22-0018、9時00分~18時00分 ※不定休

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2021年にオープンした、伊豆急下田駅前にある古着屋「エクスペンシブヴィンテージ(expensive vintage)」。店主は、下北沢の有名古着店出身の人物だ。地元の学生が多く訪れることもあり、東京に負けないクオリティーの商品を手に入れやすい価格で販売するのがモットー。

幅広い年代と国の古着を揃えており、ポップでテンションの上がるデザインのものが多い。南国旅行気分で下田のビーチで着こなしたい。

静岡県下田市1-2-1、0558-36-3722、12時00分~20時00分(定休日は公式Instagramから確認) 

伊豆急下田駅から徒歩すぐの場所にあるスペイン料理店。2011年のオープン以来「下田産の食材」にこだわり、土地の恵みが堪能できる。ジビエが看板メニューで、シカやイノシシを炭火焼きで、その時の仕入れによってベストな部位が味わえる。

初めて訪れる人やいろいろと味わってみたい場合は、コース(前日までに予約必須)がおすすめ。「お肉メインのコース」は、前菜、肉料理、米料理、デザート、カフェが付いて5,500円。苦手なものがあったり、食べてみたいものがあれば事前に相談もできる。

ワインショップとしても営業しており、種類豊富なワインが楽しめるのも同店の魅力。店主が飲んで「おいしい」と思ったスペインとポルトガル産のものを中心に揃えており、自然派ワインのほか、ガリシアスタイルの「クンカ」(杯のようなもの)で飲むワインなど、なかなか見かけることのないセレクトも楽しめる。

静岡県下田市1-1-12、0558-27-0806、17時00分〜(ワインショップは10〜21時)、定休日は月曜

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魚助

伊豆急下田駅から徒歩5分ほどの場所にある、地魚を使った磯料理店。メニューは定食から一品料理まで揃い、ランチとディナータイムにオープンしている。地元下田の人たちは居酒屋として利用することも多い一軒だ。

同店で味わってほしいのは、下田名物でもある「金目鯛の煮付け」。甘辛い煮汁の味が絶妙な一皿である。

静岡県下田市1-6-8、0558-27-3330、11:30~15:00 17:30~22:00 (L.O.21:30)、火(祝日の場合は営業)

サンキュー

町のほぼ中心にある商店街の先にある韓国居酒屋。知る人ぞ知る名店で、一見すると何の店かが分からず、少し入りにくさもあるのだが、扉を開けると広々とした店内と明るい店主が迎えてくれる。

ぜひ味わってほしいのは「本日の刺身盛り合わせ」(2,000円から)。店主の実家が漁師ということもあり、おいしく新鮮な刺し身が味わえる。ふわっとした独特の食感のある名物「海鮮チヂミ」(980円)もおすすめだ。

静岡県下田市2-4-18、0558-27-0580、18時00分〜24時00分、定休日は日曜

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ペリーロードにある喫茶店「邪宗門」の隣にあるレストラン。下田出身のフードライター・山田真由美が、湘南との2拠点生活をしながら切り盛りする店だ。吹き抜けの店内は居心地が良く、流れるBGMはレコードから。料理の合間に店主が小気味よく円盤を取り換えている。

料理は、その日の仕入れによって変わる、新鮮な伊豆の野菜や魚などの食材をふんだんに使った料理が味わえる。おすすめを満喫したいなら「伊豆づくし コース」(3,900円から)がおすすめ。1品とアルコールを楽しむという客も多く、地元の人や店主のファンが訪れる。

2階は、暮らしや自然、アートをテーマに店主がセレクトした本が揃う「Books半島」となっている。​​

静岡県下田市1-11-18 ※営業日時は変動があるためInstagramから要確認

下田を愛する店主が、2022年8月にオープンしたスタンディングバー。カジュアルで入りやすい雰囲気があり、夜な夜なローカルと旅人が交流を楽しんでいる。メニューは、旬のフルーツを使ったカクテルや自然派ワイン、クラフトビール、伊豆七島の島焼酎など、セレクトが光るおいしいアルコール類が揃う。そのほか「下田の干物」(300円から)や「クラッカーピンチョス 5種盛」(500円)など、軽いつまみも用意する。

店の隣にはチャージと投げ銭形式のDJスタイルのフリールーム、その隣にはフリージャズミュージシャン庄田次郎が経営するジャズバー「チェシャーキャット」がある。ハシゴして楽しんでほしい。

静岡県下田市1-3-11 ※営業日時はInstagramからチェック

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ペリーロードにある「ソウルバー 土佐屋」。江戸時代に建てられたという古民家のドアを開けると、中はバーという異空間。日本中からソウル好きや、モデルとして活躍した後、東京でバーを開いていたというマスターのファンが集まる一軒だ。カクテルやアルコールの種類も豊富で、定番のものから下田にぴったりなトロピカルなドリンクまで揃う。

基本的にマスターが選曲をしているが、DJイベントも不定期で行われている。

静岡県下田市3-14-30、0558-27-0587、19時00分〜25時00分

チェシャーキャット

下田出身で、フリージャズトランペッターの庄田次郎が店主を務めるバー。ジャズ全盛期の1970年代の新宿で、阿部薫や宇梶昌二、豊住芳三郎、高木元輝らさまざまなアーティストと共演したほか、ニューヨークやヨーロッパツアーなども行ってきた庄田。チェシャーキャットは1977年にオープン。こじんまりとした店で庄田のファンや地元客が訪れる、アングラバーだ。

静岡県下田市1-3-11、営業時間は夕方から(日により異なる)

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下田といえば、幕末から明治にかけて芸者として活躍した斎藤きち(唐人お吉)が有名だ。「天花屋 乙女楼」は、そんな下田芸者として活躍する天花がかっぽう着姿で迎えてくれる温かい店。妖しい雰囲気の階段を上がると、広々とした店内には座敷とカウンターがある。

メニューは「卵焼き」や「ししゃも」など軽い酒のさかなを用意。夜に甘いものを食べたい時には、ちょうどいい甘さの「しめパフェ」(チョコ・黒みつきなこ・抹茶あずき・季節のフレーバー)があるのもうれしい。 夜遅くまで営業していることもあり、近隣の飲食店など仕事終わりの地元の人や店主のファンが訪れる。

1階には、ビーガン対応の和食店「閃味処 料磨」もあるので、ぜひチェックしてほしい。 なお、店主が座敷に呼ばれた日は休みになるなど、その時の運も必要な一軒だ。

静岡県下田市2-2-3 2階、0558-36-3565、20時00時〜26時00分(L.O.25時)※不定休

吉佐美エリア

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2022年8月に1周年を迎えたばかりのサワードウピッツァとナチュラルワインの店。入田浜海岸の目の前という抜群のロケーションとセンスあふれる店は、客でにぎわう。店主夫妻は東京からの移住者で、趣味のピザ作りが店のオープンにつながったという。

店内には、ナポリから取り寄せた石窯が鎮座。生地に自家製の自然酵母「サワードウ」を使用していることが、同店のピッツァの最大の特徴である。

人気メニューは、店名を冠した自家製ザワークラウトとサルシッチャが乗った「フェルメンコ」(1,900円)や、下田ブランド卵を使った「下田ブルーのビスマルク」(1,900円)、「高橋養蜂蜂蜜のクアトロフォルマッジ」(1,900円)など。伊豆や下田の素材をふんだんに使ったメニューが楽しめる。ディナーには、窯で焼いた肉や野菜料理も用意する。

なお、繁忙期はオープンとともに席が埋まってしまうほどの人気なので、予約してから訪ねるのがベターだ。

静岡県下田市吉佐美348-37、0558-36-3643、10時30分〜15時00分(L.O.14時30分)、17時00分〜20時30分(L.O.20時)、定休日は月・火曜  ※営業日時は変動があるため公式Instagramから要確認

伊豆急下田駅前からバスで10分ほど、自然あふれる吉佐美エリアにあるコーヒースタンドと食品販売の店ニード ユー(NEED U)。幼少期に出合ったサーフィンを通して自然の持つパワーに魅了された店主が、自然に関わるライフスタイルの魅力をもっと多くの人に届けたいという思いから、2021年1月にオープンした。

2020年9月に国内の食品を取り扱う卸売業としての会社を立ち上げ、実店舗として下田産の天然塩やにがり、ところてん、生蜂蜜などを販売している。スタイリッシュなパッケージで土産としても喜ばれそうだ。

静岡県下田市吉佐美2625-6、050-3718-2625、8時00時〜15時00時(定休日は月・火曜)※季節により異なる

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吉佐美エリア、銭瓶峠のバス停近くにあるカフェレストラン。スパイスを合わせたインド風のカレーが味わえる店だ。店主の斎藤は、かつて南伊豆にあったヒッピー的な暮らしをしている人々が集う「見晴亭」に住んでいた友人の誘いで伊豆へ移住。スパイスドッグは、グレイトフル・デッドの音楽が聞け、地元の人と移住してきた人の交流の場になればいいなという思うでオープンさせた。

メニューは「チキンカレー」や「野菜カレー」「キーマカレー」、「エビのココナッツカレー」などのほか、ドリンクメニューも豊富に揃える。 その名の通りドッグフレンドリーな店でもある。

静岡県下田市吉佐美1535-1、0558-23-2845、12時00分~21時00分、定休日は水・第2、4木曜日

エスニックファッションやレゲエグッズ、アジア雑貨などを扱うショップ。 バリ島にある自社工場で製造されたリーズナブルなアイテムが揃う。 店内には、エスニック感覚あふれるデザインの小物などが所狭しと並べられている。

静岡県下田市吉佐美15-1

もっと旅するなら

  • ショッピング

夏の観光地として人気の高い伊豆。特に伊東や熱海は、団体向けの観光地として栄えてきた名残を感じられる地だ。近年では旅の選択肢が増えたため客足が減少し、寂れた雰囲気があるが、それがこの地の新しい魅力。レトロで奇妙な風景は思い出に残るものだ。

ところで夏も本番だが、緊急事態宣言の発令により思い通りの夏休みを過ごせていない人も多いかもしれない。ここでは、昭和レトロな観光スポットや、近年オープンしたヒップなラーメン店など、伊豆の観光地を巡った気分になれるTシャツを紹介する。オンラインで買えるものも多いので、観光地の支援にも一役買うことができそうだ。

  • トラベル

東京にも豊かな自然を感じられる場所はたくさんある。特に奥多摩の森林や高尾山、等々力渓谷などのスポットが人気だが、東京に位置しながら亜熱帯気候に属している島々があることはあまり知られていない。

伊豆諸島は9つの小さな島から成り、火山列島特有の景観と美しいビーチで人気を博している。24時間の船旅を要する小笠原諸島を訪れるのは少し難しいかもしれないが、伊豆諸島へはフェリーや小型飛行機を使ってアクセスできるので、首都圏からも行きやすい。

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  • トラベル

東京から新幹線で約1時間ほどで訪れることができる、レトロな温泉地、熱海。古くから避寒地として知られ、坪内逍遙や谷崎潤一郎、太宰治といった名だたる文豪たちが愛した街でもある。ここでは、明治~現代の文豪と関係深い熱海のスポットを紹介する。

宿や洋食店、喫茶など、いずれも文豪が活躍した当時から営業を続ける老舗ぞろい。熱海で文豪たちの足跡を巡ってみてはいかがだろう。

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