1. 館内は素足で安らかに歩く。
大手町というオフィス街の一角に位置する星のや東京。樹齢300年、青森県産ヒバの一枚板でできた大きな扉を開いた先では、和服姿の案内人が笑顔で客人を出迎えてくれる。日本人なら、この日本旅館の伝統的な和のしきたりがしっくりくるのではないだろうか。
白檀(びゃくだん)を調合したオリジナルの香りいっぱいに包まれた玄関で靴を脱ぎ、そこから先は裸足で過ごす。床は全館畳敷き。東京駅には数多くのラグジュアリーホテルが点在する中、靴を脱いで足元から解放的にくつろげる旅館スタイルは星のや東京だけだ。
誕生日だからといって、背筋を伸ばして非日常を楽しむ必要はない。むしろ、「素の姿」になってリラックスして過ごすことで、日本らしい快適な滞在がスタートするのだ。