今週にしかできないこと
話題のギグに美術展示、フードフェアなど、タイムアウト東京が注目するイベントを紹介
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「パナソニック汐留美術館」で、「ル・コルビュジエ―諸芸術の綜合 1930-1965」がル・コルビュジエ財団の協力のもと開催。ル・コルビュジエ(Le Corbusier、1887〜1965年)の、40代以降の絵画芸術にスポットを当てる日本初の展覧会だ。
近代建築の巨匠として知られているコルビュジエは、視覚芸術の他分野においても革新をもたらした。本展は1930年代以降に彼が手がけた絵画、彫刻、素描、タペストリーを展示。併せて後期の建築作品も紹介することで、はるかに伝統的な枠組みを超えたコルビュジエの円熟期の芸術観を明らかにする。
洗練された空間の会場構成は、気鋭の建築コレクティブであるウルトラスタジオによるもの。コルビュジエの内装に着目して、「インテリア」「コーディネート」「トランジション」をキーワードに、居住空間の中に置かれた諸芸術の総合をイメージした。
また、ゲストキュレーターのドイツ人美術史家、ロバート・ヴォイチュツケ(Robert Woitschützke)による講演会が、2025年1月12日(日)に行われる。これまでにない新鮮な視点のキュレーションから、コルビュジエの創造の源泉に迫る。見逃さないように。
※10〜18時(2月7日、3月7・14・21・22日は20時まで)/入館は閉館の30分前まで/休館日は水曜(3月19日は開館)/料金は1,200円、65歳以上1,100円、大学・高校生700円、中学生以下無料(土・日曜・祝日は日時指定予約制)
「東京都現代美術館」で、坂本龍一(1952〜2023年)の大型インスタレーション作品を包括的に紹介する、最大規模の個展「坂本龍一 | 音を視る 時を聴く」が開催。先駆的・実験的な創作活動の軌跡をたどる。
50年以上にわたり多彩な表現活動をしてきた坂本は、1990年代からマルチメディアを駆使したライブパフォーマンスを展開させた。2000年代以降は、高谷史郎やアピチャッポン・ウィーラセタクン(Apichatpong Weerasethakul)などさまざまなアーティストと協働し、音を展示空間に立体的に設置する試みを積極的に実践してきた。
本展では、生前坂本が同館のために遺した展覧会構想を軸に、音と時間をテーマとする未発表の新作とこれまでの代表作から成る没入型・体感型サウンドインスタレーション作品10点余りを、美術館屋内外の空間にダイナミックに展開する。
坂本の「音を視る、時を聴く」ことは、鑑賞者の目と耳を開きながら、心を揺さぶり、従来の音楽鑑賞や美術鑑賞とは異なる体験を生み出すだろう。なお、2025年2月1日(土)・ 2日(日)は、中学・高校生、専門学校生、大学生の入場が無料だ。
※10〜18時(入場は閉館の30分前まで)/休館日は月曜(祝日の場合は翌日)/料金は2,400円、学生・65歳以上1,700円、中学・高校生960円、小学生以下無料(第3水曜は65歳以上無料、第3土・日曜は18歳未満を同伴する都内在住保護者2人まで半額)
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「太田記念美術館」で、「江戸メシ」展が開催。葛飾北斎や歌川広重、歌川国芳といった人気絵師たちをはじめとする約90点の浮世絵を通して、現代の食文化にもつながっている「江戸メシ」の魅力を紹介する。
江戸時代は日本において食文化が大きく発展した時代だ。現代でも人気の高い和食である寿司、そば、天ぷらのルーツは江戸時代にあり、庶民たちが手軽に楽しむことのできるファストフードとして人気が広がった。また、江戸っ子たちは家で料理をすることはもちろん、近所の店で総菜を買ったり、屋台で気軽に食事を楽しんだり、立派な料亭で宴会をしていたりもしていた。
庶民たちの暮らしを題材とする浮世絵では、さまざまな料理や食材、あるいは食事の様子などが数多く描かれている。北斎、広重、国芳の有名な代表作とは一味異なる、多彩な江戸メシの描き方を垣間見ては。
※10時30分〜17時30分(入館は閉館の30分前まで)/休館日は月曜、1月14日/料金は1,000円、学生700円、中学生以下無料
「東京オペラシティ アートギャラリー」で、近年国内外で注目を浴びる今津景の大規模個展が開催。拠点にするインドネシアと日本という2つの土地での経験と思考に基づく絵画、新作インスタレーション、骨格標本や土器などの巨大な彫刻を展示する。
今津は、メディアから採取した画像を加工・構成し、その下図を元にキャンバスに油彩で描く手法で作品を制作する。インドネシアに移住してからは、その土地で経験したさまざまな事柄、都市開発や環境問題に関するイメージが画面に配置されている。同時に、インドネシアの歴史や神話、生態系など複数の時間軸を重ね合わせ、より普遍性を持つ作品へと発展させている。
環境問題、神話、歴史、政治といった要素が同一平面上に並置される絵画は、膨大なイメージや情報が彼女の身体を通過することで生み出されるダイナミックな表現だ。唯一無二の今津の作品世界を堪能してほしい。
※11〜19時(入館は閉館の30分前まで)/休館日は月曜(祝日の場合は翌日)、2月9日/料金は1,400円、学生800円、中学生以下無料
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解体予定のマンション「セゾン代官山」で、一棟全体を活用したアートイベント「ART GOLDEN GAI」が開催。アーティストレジデンスやNFTギャラリーなどが展開する。
マンション共用部は、『ジョーカー』や『ウエスト・サイド・ストーリー』など、ハリウッド映画の背景美術を担当したシーニックアーティスト(背景美術家)のアマンダ・ハギー(Amanda Hagy)が全面プロデュース。エントランスから廊下まで、「サイバーパンク」や「デコトラ」など、フロアごとに異なるテーマで異空間を作り上げる。
1・2階では、「NOX Gallery EBISU Powered by Brillia」が、没入型のオーディオビジュアルアートショーやイベントを開く。3階から10階までの居住区画や廊下部分は、異なるアーティストがペイントやデジタルサイネージなど、思い思いの方法で部屋を装飾する。それぞれのアートの魅力が詰まった50以上の部屋は見どころの一つだ。
また、世界のショートフィルムを配信しているオンライン映画館「Brillia SHORTSHORTS THEATER ONLINE」による「ShortShorts」の展示により、複数のモニターでショートフィルムも楽しめる。
建物全体を使用し、大規模な芸術活動を発信する本イベント。最先端のアート、音楽、テクノロジーを体感してほしい。
※12〜22時/全期間パス前売り5,000円、学生3,000円、高校・中学生1,500円/1日パス前売り2,000円、学生1,500円、高校・中学生750円、小学生以下無料
「山種美術館」で、長寿や子宝、富や繁栄など、人々の願いが込められた美術に焦点を当てた特別展「HAPPYな日本美術 ―伊藤若冲から横山大観、川端龍子へ―」が開催。古墳時代から近代・現代まで、幅広いテーマの「HAPPY感」にあふれた日本美術を展示する。
会場では、七福神と唐子の生き生きとした表情が楽しい狩野常信の『七福神図』や、富士山の堂々たる姿を描いた横山大観の『心神』など、吉祥画題の優品が並ぶ。
また、狩猟の成功を象徴するような『埴輪(猪を抱える猟師)』(個人蔵)、極楽浄土に住むという鳥『迦陵頻伽像』(個人蔵)など、貴重なはにわや迦陵頻伽(かりょうびんが)も登場。伊藤若冲による素朴で愛らしい風情の『伏見人形図』や、カエルの表情がユーモラスな柴田是真の『墨林筆哥』など、思わず笑みがこぼれる作品にも注目だ。
おめでたい作品が大集合の本展を見れば、心がハッピーになるだろう。
※所蔵表記のない作品は全て山種美術館所蔵 ※10~17時(入館は閉館の30分前まで)/休館日は月曜(1月13日・2月24日は開館)1月14日、12月29日〜1月2日/料金は1,400円、【冬の学割】大・高校生500円、中学生以下無料(添乗者の同伴が必要)
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多くの人をとりこにしたバレーボール漫画『ハイキュー‼』。作中屈指の人気を誇るストーリー「ゴミ捨て場の決戦」を描いた映画は、2024年2月16日に公開された。この映画をテーマにした初めての展覧会が、「松屋銀座」でスタートする。
会場には、本戦の魅力を濃縮したコンテンツが並ぶ。選手を紹介する展示、原画、資料、映像などから、その熱気を感じてほしい。
※11〜20時(12月28日は11時〜20時30分、31日は10〜18時、1月3日は11〜19時、5・13・19日は11時〜19時30分、22日は11〜17時)/入場は閉場の1時間前まで/料金は1,800円、高校生900円、中学生700円、小学生500円、グッズ付き3,900円、未就学児無料
「デザインギャラリー1953」で、「丹下健三と隈研吾 二つの国立競技場」が開催。2024年に「パリ日本文化会館」で行われた「丹下健三と隈研吾展」を再編集し、特に「国立代々木競技場」と「国立競技場」についてフォーカスを当てる。
建築家の丹下健三と隈研吾は、3つの共通点を持っている。彼らの代表作が「東京五輪」に強く関係している点と、二人が設計した住宅は、日本建築の古典と称される「桂離宮」から説明ができる点。最後に、フランスから多くの影響を受け、多くの作品を残している点だ。
2つの国立競技場は異なる時代背景の中で建設され、開催された競技も異なるが、「ランドスケープ」「線」「軒」「アーチ効果」という4つのキーワードを通じて、戦後日本の近代建築の特徴を体感できる。特に、写真家の石元泰博と瀧本幹也のモノクロ写真を対比することで、2人の建築家の共通点や違いを知る手がかりを見つけられるだろう。
※11〜20時(日曜・連休最終日は19時30分まで、2月17日は17時まで)/入場は無料
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「TOTOギャラリー・間」で、「吉村靖孝展 マンガアーキテクチャ――建築家の不在」展が開催。建築家・吉村靖孝の7つのプロジェクトを異なる漫画家が7つのストーリーとして描き下ろすことにより、建築の新たな解釈の可能性を探る。
吉村は、建築が人々のふるまいなどの自発的な動きと、社会制度や状況など多様な社会的条件との架け橋になれるよう、両者のさまざまな関係構築を試みてきた。
例えば、既成のテント倉庫で木造建築を覆うことで、大きな一つの空間の下で子どもがのびのびと過ごせる子育て支援施設を実現した『フクマスベース』(2016年)や、動物とともに幸せな人生を送れるアニマル・ウェルフェア社会を構想した『滝ヶ原チキンビレジ』(2021年)などで、新しい住まいや暮らしの在り方を模索している。
吉村が探究する、これらの現代社会における建築の拡張性をさらに進めるために、仮に建築家個人の作家性を「不在」にすると何が起きるのか。吉村自身が自らの作品を題材に、本展を通して問いかける。
漫画が建築と出合い、建築家の手を離れた先に描かれるものとは何か。2つのコラボレーションによって生まれるものを、発見してほしい。
※11〜18時/休館日は月曜・祝日(2月23日は開館)/入場は無料
新たなクリエーションと出合える美術館「クリエーティブ ミュージアム トーキョー(CREATIVE MUSEUM TOKYO)」が京橋に誕生する。オープニングを飾るのは、アニメ『鬼滅の刃』の大規模展覧会「アニメ「鬼滅の刃」柱展 ーそして無限城へー」だ。
原作は累計1億5000万部を突破した吾峠呼世晴による人気漫画で、今回の展覧会では鬼殺隊最高位の剣士「柱」に初めてフォーカスする。9人の柱それぞれの個性や思いに迫る展示は、約1000枚の原画や映像を駆使して圧倒的なスケールで繰り広げられる。
入場時に受け取る「柱札」を使えば、柱の名言や特別収録の音声を楽しめるインタラクティブな体験が楽しめる。また、隣接するカフェでは、柱にちなんだコラボレーションメニューが登場。ここでしか楽しめない特別な体験をしてほしい。
なお、本展の入場は日時指定制なので、詳細は公式ウェブサイトで確認してほしい。
※10~20時(入館は閉館の30分前まで)/料金は前売り2,000円、中学・高校生1,500円、4歳〜小学生1,000円/当日2,200円、中学・高校生1,700円、4歳〜小学生1,200円、4歳未満無料
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