タイムアウト東京 > Things to do > パブリックキャットシリーズ > パブリックキャット 第45回
写真:Keisuke Tanigawa
浅草にある都内有数の落語定席、浅草演芸ホール。落語だけでなく、漫才や漫談、マジック、紙切りなど、多彩な演目を365日楽しめるエンターテインメントの聖地だ。ゆっくりと演芸に興じるのもいいが、せっかくならテケツ(切符売り場)でこちらをジロっと見つめる看板猫のジロリに会ってほしい。
名前:ジロリ(♂) 性格:おとなしく、犬にも物怖じしない
好きなこと:寝ること。お姉さんたちと遊ぶこと
2016年に館内でのネズミ被害に困っていた社長が、猫に退治してもらおうとスタッフに提案したことがきっかけで、看板猫探しが始まった。周りに相談していたところ、同ホールに出演していたアーティストに「いい猫がいる」と紹介してもらったのが、当時推定1歳半のジロリ。名前は、辺りを「ジロリ」と見渡していたことから付けられた。
出合った当初から人懐っこく、すぐにスタッフの膝の上に乗ってきてくれたそうだ。今でも人見知りせず、スタッフ以上に出演者やお客さんと仲良くなるのが上手なのだそう。
中でも、浅草演芸ホールに度々出演する林家ペーは餌を与えるほどジロリを溺愛。近所のファンや客から差し入れをもらうことも多く、「自分の餌は自分で稼ぐ」スタイルを貫いている。2021年には、落語家の桂三木助がTwitterで投稿したジロリの写真が反響を呼び、今もなおファンは増え続けている。
ネズミ退治もお手のもので、これまでに計12匹を仕留めている。朝出勤すると、ネズミをくわえたジロリに遭遇することも。おっとりとした性格からは想像できないグロテスクなシーンだが、ジロリのおかげでここ最近はネズミの姿を見なくなったという。彼におびえて逃げ出したのかもしれない。
入り口右手にある売店には、弁当や菓子に並んで、ジロリグッズを販売。浅草演芸ホールをジロリ目線で紹介する落語入門フォトブック『浅草演芸ホールの看板猫の落語入門』はぜひチェックしてほしい。
基本的に寝ていることが多いジロリだが、運が良ければ起きているかもしれない。浅草を訪れる際には、浅草演芸ホールのテケツをのぞいてみよう。
—ある一日のスケジュール—
7時ごろ 健康チェック後、スタッフと遊ぶ
8時30分ごろ 開場準備
11時ごろ 開場。チケット売り場で接客の手伝い
21時ごろ 閉場とともに自由時間がスタート。主に館内でネズミ捕りのパトロール