タイムアウト東京 > Things to do > パブリックキャットシリーズ > パブリックキャット 第43回
テキスト:Satomi Abe
写真:Keisuke Tanigawa
東京都新宿区、副都心線の西早稲田駅から戸山公園方面に5分ほど歩くと、レンガ造りのクサリ カフェ & バー(9SARI CAFE & BAR)が現われる。日本一のMCを決めるMC BATTLE『KING OF KINGS』主宰の漢 a.k.a. GAMI 率いるヒップホップレーベル『9SARI GROUP』が運営するカフェだ。スタジオも併設されており、ランチ時にはにぎやかな声が聞こえてくる。
アーティストにも会える学生街の穴場カフェには、甘えん坊な看板猫がいる。
名前:キュー(♂)
性格:元気で甘えん坊
好きなこと:脱走。隙を見て脱走した日は戸山公園に遊びに行き、地域猫や鳩を追いかけて遊んでいる。
キューはカフェがオープンした2014年にやってきた。漢 a.k.a. GAMIがオープン直前に店の裏で保護したのだという。生まれたばかりだった小さな子猫は、「9SARI」から一文字取ったキュー(9)という名前を与えられ、今では堂々たる出立ちでカフェ内を闊歩(かっぽ)している。
甘えん坊な性格で、人見知りは全くしない。カメラにも臆することなく、運が良ければ同席もしてくれる。
好奇心旺盛で活発。隙あらば脱走を試み、脱走した日は疲れて帰宅しスヤスヤと眠りこけるのだそう。クサリ カフェ & バーには、実はもう1匹看板猫がいる。オランダ語で「11」、エルフと名付けられた5歳の女の子だ。
暖かい場所が大好きで、カフェの奥にある事務所スペースに潜り込んでいる。おっとりとした優しい性格で、昼間店に出てくることが多い。
近所で生まれたエルフは、2015年ごろ店にやってきた。客の水を飲もうとするのが好きなのだそう。以前はテン(10)という猫もいたが、残念ながら天命を全うし、現在はキューとエルフが看板猫として活躍している。
店内にはヒップホップレーベルらしくおしゃれな音楽がかかっており、写真でも看板猫たちに会うことができる。人気メニューは『ハラミステーキ』や『漢のハンバーグ』。漢 a.k.a. GAMI が自ら仕込む特製のメニューは、ファンにはたまらない贅沢な一品だ。
音楽レーベルが運営するカフェということもあり、アーティストが遊びにくることも多々ある。ランチタイムであれば、漢 a.k.a. GAMIに会える機会も多いという。ヒップホップファンでなくともゆったりと過ごせる温かい雰囲気があり、猫に会うためにやってくるお客さんも多いそう。音楽に疎い人でも気兼ねなく足を運んでみてほしい。
入店時と退店時は、キューが脱走しないよう注意しよう。散歩中の犬やカラスが姿を現すと、ドア越しに威嚇して店を守ろうとする男気ある姿が見られるかもしれない。
キューを抱っこする漢 a.k.a. GAMI。すっぽりと腕の中に収まり、安心しきった表情になっている。人見知りをしないキューだが、漢 a.k.a. GAMIに対してはかなり甘えん坊になるようだ。
抱っこされるといつも耳をなめて甘える。生後すぐ、カフェと共に大きくなったキュー。両者の間には親子のような絆があるのだろう。
キューやエルフへの差し入れもOK。勤務時間は気まぐれなので、会えるかどうかはタイミング次第だが、昼間の明るい時間帯は出勤していることが多いとのこと。なでられるのが大好きなので、機嫌を伺いながらコミュニケーションを取ってみよう。ちなみにキューはお尻の近くをなでてもらうのが好きなようだ。
勤務先:クサリ カフェ & バー
ある一日のスケジュール
10時00分 起床。ご飯を食べ、人の出入りが多くなるとドアの前に張り込む。脱走の機会を伺いながら、散歩中の犬やカラスから店を守る。
12時00分 ランチ営業に合わせて、お客さんたちとコミュニケーションをとったり、空席に座ってくつろいだりする。
16時00分 暗くなってくると2階や奥の部屋でゴロゴロ。好きな時間にカリカリを食べながらゆったり過ごす。