タイムアウト東京 > Things To Do > 荒川区、銭湯ガイド
廃業してしまう銭湯も多い中、21の銭湯がこの狭いエリアに残っている荒川区は、銭湯好きにとってたまらない場所だ。ここ数年で「サウナブーム」や「銭湯ブーム」なんて言葉も聞くようになり、銭湯に興味を持つ若者が増えつつあると感じていたが、取材先の店主たちが声をそろえて言っていたのは「若い人は来ないからね。あなたも銭湯なんて行かないでしょう?」という言葉。少し疑問に感じながらも実際に訪ねてみると、荒川区の銭湯の利用者は高齢者がほとんどで、彼らの言う通りだった。
しかし、もし銭湯好きというのであれば、この温かな「荒川銭湯コミュニティー」を体験せずにいるのはもったいない。脱衣所で突然羊羹(ようかん)をくれたり、庭にあるヒイラギの話をしてくれたり、湯に浸かっているとフレンドリーに話かけてくれたり……。おそらく、これが下町ならではの人情というものなのだろう。
ここでは、区内にある21の銭湯に加えて、その前後で立ち寄りたい居酒屋やカフェ、ショップなども紹介している。世界最大とも言われる大きな柑橘、晩白柚(ばんぺいゆ)がぷかぷかと浮かぶ限定の湯など、イベントも定期的に行われているので、ぜひ若い世代、そして家族連れでも荒川区内のヴェニューとともに、この地に残る銭湯を巡ってみてほしい。
※2020年2月17日に発行した英語版のガイドマップ『The Ultimate Guide to Sento in Arakawa』内で紹介しているやまと湯は2020年2月29日に、富来浴場は2020年3月31日に閉店しました