自然に入って自然に消えていく
ーそれぞれ今回の鉄工島フェスでは、どのようなパフォーマンスをする予定でしょうか。
ひさつねあゆみ (以下、H):ケケノコ族は、毎月2回原宿でパフォーマンスをしているのですが、活動の軸となっている「ケケノコ闊歩※」の精神のまま鉄工島に持っていきます。
原宿での闊歩と同じように、鉄工島という場所を感じながら共存できたらと思います。 今回、札幌支部のメンバーも参加し大所帯です。神出鬼没的に登場するので見ていただく方には出会えたらラッキーという感じで楽しんでいただきたいです。
※闊歩:ケケノコ族による街中を派手な格好で踊りながら歩くパフォーマンスのこと。誰でも参加ができる。
北川陽子(以下、K):今回は、鉄工島の歴史や土地を踏まえたものをやります。劇というよりもパフォーマンスですね。『HANEDABUSHI』というタイトルで20分のパフォーマンスを7回やる予定です。
このタイトルにしたのは、漁師の囃子歌である『羽田節』という歌が昔この土地にあったことを聞いたからです。褒めたたえるモチベーションらしいんですよ、手を叩いてフリースタイルで歌うもので。
ー当日、ケケノコ族さんはどんな曲で踊るんですか。
H:いつものレパートリーをフルで踊る予定です。竹の子族が存在していた時代のディスコサウンドから最近のヒット曲まであります。
例えば『ジンギスカン』や『ライディーン/YMO』から始まり『YOUNG MAN(Y.M.C.A)/西城秀樹』『Shangri-la/電気グルーヴ』、最近の曲でいうと『Flamingo/米津玄師』、『夜の踊り子/サカナクション』とか、40年くらいの時代を超えていますね。
レパートリーには2曲を除いて全てケケノコのオリジナルの振りがついています。竹の子族が実際に踊られていた振り付けを受け継いだものも2曲やります。
ーケケノコ族さんは前回も出演されていますが、会場の雰囲気はいかがでしたか。
H:鉄工島のお客さんは、何かを見にくることが前提でなので反応が温かかったですね。 原宿では用意されたステージではなく、公道を闊歩しているので反応が全然違くて。びっくりしたり、大笑いしたり、いい反応ばかりでなく気持ち悪いとか、いい感じのカップルが言葉を失っていたり(笑)。
なので、いつもいかに街や歩行者と不自然でなく共存するためにも邪魔な存在にならないかを気にしています。混んでる道では小さく踊るとか、真顔で踊り威圧感を与えないとか、点字ブロックを歩かないとか。
自然に入り込んで、自然にどっかに消えていくっていう。 色々な人が行き交う街で闊歩し続けるということは、様々な人が共存していくための対話でもあるんです。その精神は鉄工島での闊歩にも繋げていきたいです。