Kawagoe Shingashi River
Photo: Chee Wah LimKawagoe Shingashi River
Photo: Chee Wah Lim

川越でしかできない10のこと

埼玉の小江戸を満喫するためのミニガイド

Tabea Greuner
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池袋駅から電車で30分ほど。東京から簡単にアクセスができる埼玉県の川越は、週末の小旅行にぴったりの場所だ。特に有名なのは、「小江戸川越」と呼ばれる城下町の街並み。蔵造りの建物や城跡、神社などの歴史的建造物が数多く残されており、江戸の風情を感じることができる。

休日に訪れたのなら、着物や浴衣に身を包んで歴史的な街並みを散策したり、明治時代から続く菓子屋横丁で食べ歩きをするといいだろう。川越の名産品であるサツマイモのアイスクリームや芋けんぴはぜひ味わっておきたいところ。また、川越はうなぎ料理の名店がひしめく街としても知られる。

魅力は食だけではない。春には氷川神社の裏手を流れる小川に桜が咲き乱れ、5月には大正浪漫夢通りに飾られた大きなこいのぼりが元気に空を泳ぐ。10月には歴史ある川越祭りが開催され、1年を通して見どころが満載だ。

ここではちょっとした小旅行にぴったりな川越を満喫するためのプランを提案。ノスタルジックな風景に身を置き、のんびりとした時間を過ごしてほしい。 

川越の中心部にある時の鐘は、小江戸川越のランドマークだ。高さ16メートルのこの鐘楼は江戸時代の川越藩主、酒井忠勝によって建てられたのを起源とするが、1893年に起きた川越大火で一度焼失している。

現在の塔は火災の翌年に再建されたもので、これまでも幾度か状態を保つために修復工事が行われてきた。鐘が鳴るのは、6時と12時、15時、18時の計4回。鐘楼の裏手には眼の病気に御利益があるといわれている薬師神社がある。

1500年以上もの歴史がある川越氷川神社は、創建当時から現在まで縁結びの神社として親しまれている。なかでも人気なのが、魚釣りのように釣り上げるタイをモチーフにしたおみくじ。赤色の『一年安鯛みくじ』とピンク色の『あい鯛みくじ』がある。

また、境内ある樹齢約600年のケヤキも見逃せない。少し歩けば、新河岸川があり、春には川沿いに咲き乱れる見事なソメイヨシノを眺めることができる。

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毎年10月の第3日曜とその前日の土曜に開催される『川越まつり』の歴史と文化について触れることができる博物館。360年以上にわたり継承されてきたこの祭りは、国の重要無形民俗文化財にも指定されており、職人によって作られた江戸系川越型山車が数多く登場することで知られる。

見どころは、赤と黒の漆で塗られ金箔(きんぱく)で装飾された実物大の山車。精巧な彫刻が施された山車は高さ8メートルほどで、とにかく迫力がある。そのほか各町のちょうちんの展示や、祭りの準備や歴史背景を紹介する。日曜と休日には祭り囃子(ばやし)の実演が行われ、その熱気を感じることができるだろう。

「地域最大級の蔵」として知られる和雑貨屋、椿の蔵の奥にある足湯カフェ。2種類の足湯を用意した風情ある裏庭で、散策で疲れた足を癒やしながらティータイムを楽しむことができる。

おすすめは、足湯のサービスとドリンク、デザートがセットになった『川越甘味セット』。足拭き用のオリジナル手ぬぐいも付いてくるのがうれしい。デザートメニューは、『川越堂エッグタルト』『鐘つき最中』『河越抹茶アイス』の3種類から選ぶことができ、ドリンクはコーヒーや抹茶ラテ、サイダーなどが用意されている。

一杯やりたい、という人には地元の酒や『COEDO ビール』が飲めるアルコールセットメニューもある。

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スターバックスのコーヒーはどこでも飲める。しかし、街並みになじんだ、和モダンなデザインの同店を一目見れば、思わず店に足を踏み入れてしまうだろう。

川越鐘つき通り店には日本庭園を眺められるテラス席や、屋根付きの中庭席があり、ほかとは一味違った雰囲気。メニューは他店と変わらないが、ここで過ごす時間は確実に特別なものだ。

「これかき」の愛称で知られる、かき氷専門店。川越一番街商店街や菓子屋横丁からほど近くにある同店では、元パティシエの店主が作る南アルプスの天然氷を使ったかき氷を味わうことができる。

かき氷は、ふわふわの仕上がりで「食べても頭がキーンとしない」のが特徴。キウイや生イチゴなどのフレッシュフルーツを使ったかき氷のほか、河越抹茶『清』のシロップに兵庫県産白あずきとジャージークリームを使用した『河越抹茶みるくと白あずき』や、地元農園の川越イモを使った『富の川越いも』など川越ならではのメニューもそろう。

季節ごとの限定メニューもあるので、訪れるたびに発見があるだろう。

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川越は、江戸後期から創業する老舗ウナギ店が軒を重ねることでも知られる。林屋は、国産ウナギを備長炭で焼き上げた絶品うな重を提供する店。うな重は肝吸い付きで2,420円から注文ができるが、ウナギ1匹半を使った『特上』は豪快に味わっておきたいところ。

香ばしく焼けたウナギは、びっくりするほど柔らかい。『ひつまぶし』や、刻みウナギの上に白髪ネギと大葉を乗せた『さらしねぎ丼』などのアレンジメニューもおすすめだ。行列ができることもあるが、それだけの価値がある名店と言えるだろう。

埼玉県産の川越イモを使用したビール『紅赤』をはじめ、多彩なラインアップのクラフトビールを展開するコエドブルワリー。地元、川越にオープンしたブルワリーザレストランは、コエドの醸造所に併設されたレストランだ。定番の『COEDO ビール』を樽生で楽しめるだけでなく、中華料理をベースにしたフードメニューも提供する。

味わえるのは、地元の有機野菜や食材を使った自家製の点心や餃子、坦々麺など。平日のランチセットは990円からとリーズナブルなのもうれしい。売店ではコエドシリーズのほか、クラフトビールの販売も行う。

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川越小江戸の伝統的な町並みに溶け込むために、着物や浴衣に身を包むのもいいだろう。時の鐘入り口すぐ近くにあるレンタルサロン、美々庵は、リーズナブルな価格で着物や浴衣のレンタルを行っている。

おすすめは、手ぶらで参加できる『街歩きプラン』(女性2,200円 、 男性3,300円)。気に入った着物が選べるだけでなく、プロによる着付けのサービスや帯や小物などの貸し出しもしてくれる。

また、街の散策中は荷物の預かりサービスもあるので安心だ。時間の制限はないが、閉店の1時間前には店舗に戻ろう。

小江戸蔵里は明治、大正、昭和の時代に建てられた3つの酒造蔵を改装してオープンした観光施設。酒や食事などを通して埼玉県の魅力を体感できるスポットとして親しまれている。

ききざけ処昭和蔵には、埼玉県内34蔵の日本酒がそろい、料の試飲機で飲み比べすることが可能。試飲機は、500円で4枚のメダルを購入し、メダル1枚ごとに1種類の日本酒が味わえる。つい楽しくなってしまう気持ちは分かるが、飲み過ぎには要注意だ。

そのほか、まかない処 大正蔵では地元の食材を使った食事を楽しんだり、おみやげ処 明治蔵では民芸品や調味料、食品などを購入することもできる。

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