国際芸術祭あいち
画像提供:国際芸術祭「あいち」組織委員会事務局 ©五十嵐大介 | キービジュアル
画像提供:国際芸術祭「あいち」組織委員会事務局 ©五十嵐大介

2025年下半期、見逃せない芸術祭10選

「神戸六甲ミーツ・アート」や国際芸術祭「あいち」など

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地域やエリアの特色を生かしながら、国内外の先駆的なアートやパフォーマンスが一気に集結する芸術祭。本記事では、2025年下半期に全国各地で開催する注目の芸術祭を紹介したい。

建築に特化した初開催のひろしま国際建築祭」や六甲山の自然とアートを楽しめる「神戸六甲ミーツ・アート」など、夏から秋にかけての旅先の候補地や芸術祭巡りの参考にしてほしい。

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  • アート

神戸を象徴する六甲山上で、「神戸六甲ミーツ・アート」が開催。毎年行われる現代アートの芸術祭で、六甲山の自然とアートを楽しみながら豊かな時間を過ごせる。

六甲山は、かつて樹木など天然資源の乱用により荒廃したが、先人たちの努力によって、現在は緑豊かな環境を取り戻し、新しい生態系も生まれつつある。そうした歴史を持つ六甲山で行われる芸術祭の今年のテーマは「環境への視座と思考」。ここでの環境とは、六甲山の自然・歴史・文化はもとより、社会、世界の在り方までを含む概念である。


招待アーティストは、Artist in Residence KOBE(AiRK)、乾久子、開発好明、さわひらき、トリビアル・ゼロ(Trivial Zero)、奈良美智、やなぎみわ、川俣正、須田悦弘など。特別展示はミケーレ・デ・ルッキ(Michele De Lucchi)、また、新しい表現を募集する公募部門に入選した作品群を展示する。

会場では、野外アートゾーンの充実に取り組んできた「ROKKO森の音ミュージアム」を芸術祭の拠点とし、隣接の「六甲高山植物園」と併せて多くの作品に出合える。散策路沿いに作品を展示するトレイルエリアでは、アート鑑賞の楽しさとともに六甲山の豊かな自然と文化の魅力を発見できるだろう。

鑑賞パスポートは、昼夜と販売時期によって料金が異なるので、詳細は公式ウェブサイトを確認してほしい。

  • アート

国際芸術祭「あいち」が、9月13日(土)〜11月30日(日)に開催。「愛知芸術文化センター」「愛知県陶磁美術館」と瀬戸市の街中を会場とし、国際色豊かな現代美術を紹介する。

芸術監督は、シャルジャ美術財団理事長兼ディレクターであり、国際ビエンナーレ協会(IBA)会長のフール・アル・カシミ(Hoor Al Qasimi)。テーマを、モダニズムの詩人アドニス(Adunis)が、1967年の第三次中東戦争の後に書いた詩から取った「灰と薔薇のあいまに」とし、国内外のアーティストの作品群を展示する。

また、パフォーミングアーツでは、国内外の先鋭的な演劇、ダンスなどの舞台芸術作品を、愛知芸術文化センターを中心に上演。さらに、幅広い層を対象としたさまざまなラーニングプログラム「ラーニング・ラーニング」を実施予定だ。

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  • アート

広島県の福山市・尾道市を中心に、3年に一度の建築文化の祭典「ひろしま国際建築祭」が初開催。「神勝寺 禅と庭のミュージアム」「ふくやま美術館」といった7つの会場を中心に、建築にまつわる8つの展示が展開する

出展建築家・作家は、安藤忠雄、石上純也、磯崎新、伊東豊雄、川島範久、高野ユリカ、妹島和世(SANAA)、丹下健三、西沢立衛(SANAA)、坂茂、藤本壮介、Clouds Architecture Officeといった世界的に活躍する著名建築家はもちろん、未来を担う若手建築家・作家まで総勢21組が参加する。

建築文化を日本から発信する初の試みとなる同芸術祭。建築ファンは見逃さないように。

  • アート

琵琶湖を中心に広がる滋賀県、主に近江八幡旧市街地を舞台にする芸術祭「BIWAKOビエンナーレ」が開催。生成変化の流れをアートの中に感じ、宇宙へと思いを馳せながら自己との対話を試みる「流転」をテーマの下、国内外から約70組のアーティストが結集する。

同芸術祭は、近江八幡市を中心に、「近江八幡旧市街地エリア」「長命寺エリア」「沖島エリア」と3エリアで展開。今回から新たに、標高約250メートルの山腹にあり、琵琶湖の眺望が楽しめる長命寺」が会場に加わっている。

各会場は空き家や古民家を活用。町の歴史と芸術が重なり合う展示によって、古き良き建物の魅力を再発見でき、五感をフルに使った鑑賞体験が楽しめるだろう。

1日で一つの地域を深掘りしたり、地域を横断して異なる世界観を楽しんだりと、この秋は近江八幡で心に残るひとときを過ごそう。

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群馬県中之条町で、国際現代芸術祭「中之条ビエンナーレ」913日(土)〜1013日(月・祝)で開催。温泉街や木造校舎など町内各所で多彩なアート作品の展示、音楽、パフォーマンス、マルシェなどが展開する。

雄大な山々に囲まれた風景や「ラムサール条約湿原」、長い歴史を持つ温泉郷、養蚕天蚕文化、伝統が受け継がれる民俗行事や祭事など、中之条町では美しい里山文化に触れることができる。

アーティストは、そんな特色の山村地域に開かれたアーティスト・イン・レジデンスで滞在制作を行い、その成果を発表。国内外から創造的、革新的なアイデアやプロジェクトを持つ多分野のアーティストが集結する。

岡山市で、現代美術(コンセプチュアルアート)の国際展「岡山芸術交流」が、9月26日(金)〜11月24日(月・祝)に開催。岡山城」と「岡山後楽園」周辺エリアのさまざまな歴史文化施設を会場に、世界的な現代アーティストの作品が展示される。

アーティスティックディレクターを務めるのは、現代のフランス美術を代表するアーティスト、フィリップ・パレーノ(Philippe Parreno)。彼が示す方向性に基づき、世界からも注目を集める最先端のコンセプチュアルアート作品が岡山に集結する。

徒歩で回遊できるコンパクトな会場配置が特色の一つで、芸術鑑賞と街歩きをともに楽しむことができる。また、エリア内に立地する歴史文化資源の特性も、展示に生かされている。

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2年に一度の国際芸術祭「東京ビエンナーレ」が、10月17日(金)〜12月21日(日)に開催。東京を舞台に、現代社会における「私たち」の在り⽅を探求する。

東京という大都市で暮らす人々、働く人々、さらには世界中から観光に訪れる人々が、互いへの無関心を超えて緩やかに優しくつながる方法がないだろうか。アートにはその力はないだろうか。そんな思いから、2025年のテーマは、「いっしょに散歩しませんか?」と定めた。

肩を並べて歩けば、たとえ無言でも、そこに、緩やかなつながりが生まれる。目的なくゆったり歩けば、視点が自由になり、気づかなかった景色が見えてくるだろう。本芸術祭においてアートとは、散歩の過程で出合い、生まれる全ての出来事だ。

心と身体で一緒に散歩する、新しい形の「ビエンナーレ」が始まる。

2025年日本国際博覧会」(以下、大阪・関西万博)を機に開催する、国際芸術祭大阪関西国際芸術祭」が1013日(月)まで開かれる。

大阪・関西万博の会場内、大阪文化館・天保山、ベイエリア 、中之島エリア(大阪国際会議場)、船場エリア、西成エリア、JR大阪駅エリア、松原市など、大阪・関西地区のさまざまな場所で展覧会やアートフェア、アートプロジェクトを展開する。

展示では、ロン・ミュエク(Ron Mueck)やパトリシア・ピッチニーニ(Patricia Piccinini)をはじめ、釜ヶ崎芸術大学が「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとする万博年に「人間とは何か。」を考察する。

また、7月20日(日)〜23日(水)には、日韓合同国際アートフェア「Study × PLAS : Asia Art Fair」が大阪市内で行われる。

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  • アート

瀬戸内の島々を舞台に繰り広げられる現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭」の夏会期が8月1日(金)〜8月31日(日)、秋会期が10月3日(金)〜11月9日(日)に開催3年に一度開かれる国際芸術祭で、季節ごとに瀬戸内の魅力を体感できる。 

鑑賞者はアートを道しるべに船で島々を巡りながら、アーティストや地域住民、ボランティアサポーターと交流。瀬戸内の持つ美しい景観や自然、島・会場の歴史、文化、生活、産業、食の魅力と出合える。

6回目の開催となる今回は、香川県側の沿岸部(志度・津田エリア、引田エリア、宇多津エリア)が新たに加わり、全17エリアで展開していく。

  • アート
  • 千葉

千葉国際芸術祭」が、4~12月に初開催される。市民参加企画の芸術祭で、人口約98万人の政令指定都市である千葉市を舞台に展開する。 

総合ディレクターは、アーティストであり、東京藝術大学副学長の中村政人。市内各地で体験型のアートプロジェクトを展開することで、人々が地域に関わりながら創造性を発揮する機会を作る。

出展アーティストの一部は、公募により選考。アーティスト公募企画「ソーシャルダイブ」では、海外在住・外国籍のアーティストや、千葉市にゆかりある若手アーティストの募集する。

また、子どもから大人まで、千葉市に在住・在勤・在学する人、千葉市出身の人々などを対象にした、誰でも自由に出品でき、審査の制度がない美術展「アンデパンダン展」も行う。

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