前回のかき氷特集では1年中食べられる店を紹介したが、かき氷の本番はやはり夏。暑さが厳しくなると軒先でかき氷を提供する店もよく目にするようになるが、今回紹介するのは、メインのメニューを凌ぐほどの人気をあつめる本格的なかき氷をつくる店だ。甘味処をはじめ、パン屋、イタリアンレストランなど、それぞれの店の特色をいかしたシロップはどれも魅力的。この季節「限定」と言われると余計に食べたくなるのが人の性だが、食べ過ぎにはくれぐれも注意してほしい。
銀座にある台湾のプーアル茶専門店、三徳堂は9月末頃までかき氷を提供しているが、その中の約1ヶ月間だけ提供される氷がある。『マンゴーかき氷』は、台湾直輸入のマンゴーを1個丸ごと使用したなんとも贅沢な氷。黒蜜仕立ての氷が大きくカットされた完熟のマンゴーのフレッシュな甘さを引き立てる。2,000円と高価で、提供期間も短く食べるためのハードルは高いが、毎年この時期を楽しみにしているファンも多い。9種類の豆を使用した『豆豆氷』や、愛玉子ゼリーとフルーツが入った『夏一跳かき氷』などほかのメニューも魅力的なので、食べ損ねてしまっても足を運んでみよう。
提供時期:9月末頃まで(『マンゴーかき氷』は7月15日頃まで)
笹塚にある輸入食品や雑貨も扱うイタリアンレストランper la vita 十号坂店は、2015年から昼間の時間帯にかき氷専門店として営業を開始。使用する氷は2015年から本格的に流通がはじまった富士山の天然氷の蔵元、不二のもの。シロップは『サングリア』(800円)や、『もものカルボナーラ』(800円)など、イタリアンの要素を取り入れたオリジナリティ溢れるメニューが揃っている。なかでも『カプレーゼ』は、トマトシロップに、バジル練乳を合わせた意欲作。さっぱりとした甘さなので、デザートとしても前菜感覚でも食べられる。
提供時期:未定(氷がなくなり次第終了)
甘いものが得意でない人にも訪れてほしいのが、中野ブロードウェイにあるBar Zingaro。村上隆プロデュースによる同店のコーヒーは、ノルウェーのコーヒーブランドFuglenがサポートしており、そのコーヒーをかき氷にも採用。『エスプレッソ&コーヒーゼリー』(900円)は、苦味よりも酸味がたったさっぱりとしたエスプレッソシロップがかかり、夏にぴったりの爽やかな味わいだ。底にはコーヒーゼリーが敷かれ、氷との食感の差も楽しい。素材の持ち味をそのままいかしたフルーツのかき氷もおすすめ。
提供時期:9月頃まで
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